青い空を見上げると
雲に向かって飛んでいる
そう見えた鳥がいた
私は
鳥になって空を舞ってみたい
と言うと
隣にいた彼女は
風になりたい
と言った

鳥を雲に向かって押し上げる
見えないものが見えた気がした
それは
私の背中を押し
時には体当たりをし
私の髪を揺らし
頬を撫で
首に纏わりつく

私が見えないだけで
聞こえない声で
触れることができないだけで
そこに居る
風になるのもいいかもしれない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-10-09

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