『季節外れ』
神様に嫌われてるの
あの子の涙はラムネ水
『季節外れ』
夜は寒くなってきたと
話すのに半袖のまま君は
ブランコに腰掛けて俯いた
もう子供じゃなくなったねと
大したことじゃないと
言えればどんなによかったか
君の目に溜まる涙が溢れ落ちる前に
次の言葉を探すけど迷子になる
無力なアタシにはその甘い涙を
止める力なんて有りはしないから
寄り添う癖に反目し合う
不思議な関係にそれは必要ない
これから恋がしたくなる季節に
君は独りで泣いてると思えば
どこか胸がすっと気持ちよくて
だけど同情と安堵も本心で
可哀想だと思うけどどうして
アタシなんかの前でそんな顔
過ぎ去った夏を思い出すような
ラムネ水みたいな綺麗な涙
唇で拭いたい気持ちを隠して
大人も良いもんよと呟けば
そうかもと小さく笑う可愛い人
この涙だけはアタシのもの
「ひと夏の恋は誰にとっても痛みを残す」
『季節外れ』