コーヒーゼリーマウンテン
触れ合うほどに離れていった。壊れた冷蔵庫みたく、思い出を腐らせてばかりいた。
冷ややかな肌。まるでコーヒーゼリー。
雨が降った。君が煙草の火を消した。良い子はもう帰る時間。
本当のところは何が欲しい?今更何も言えやしなくて、錆びついたような喉が痛い。
あの時の事、変えられないかと願うだけ願って。勝手だなって嗤うだけ嗤って。次の瞬間には振り出しに戻って。
終わりにしよう、回想だけを映すシアター。
触れ合うほどに離れていった。涙流すように垂らされた、シロップとクリーム。
冷ややかな肌。まるでコーヒーゼリー。
睡眠欲を犠牲にする、着脱のイニシエーション。千切った羽根、掌で抱いて。
本当のところは何が欲しい?今更何も言えやしなくて、錆びついたような喉が痛い。
誰かを好きだと言う資格。金があれば買えるのですか。清くただしい青春の在り処。今からでも遅くはないのですか?
触れ合う肌は、まるでコーヒーゼリー。
この感触に身を預け、沈んで、息絶えて、しまえたらね。
憂鬱と安寧。まるでコーヒーゼリー。
山のように、ただそこにある。今も変わらずそこにある。いつまで変わらずいてくれる?
コーヒーゼリーマウンテン。踊るように歩いてく。
コーヒーゼリーマウンテン