『秘密事』

本当のことこそ言えないね
指切りげんまん嘘ばかり


『秘密事』


誰と誰が付き合ってても
アタシには関係なかった
それこそ違う世界のお話
暗闇のキスだけが唯一輝く

制服から着替えずに
貴方の為に塩ラーメンを作る土曜
キャベツ多めのリクエストは
この前の健康診断のせいね

そうよ、長生きしてくれなきゃ
独りぼっちは嫌いよ
全部貴方のせいなんだから
アタシだけ見て生きてね

神社巡りが好きなとこ
三国志に詳しいとこ
中世ヨーロッパ史がツボなとこ
怖いくらい似てて笑える

アタシの幼さに眉を顰めても
どうせ愛してるんだから
腹を括って抱き締めなさい
不本意でも仕方がないの

苦々しいキスも甘んじて受けて
貴方が始めた秘密なんだから
二人で最後まで行くしかないのよ
そこに何があるか寧ろ楽しみ

狭いアパートでアタシは
女王のように君臨してる
可哀想な貴方が犯した過ちを
貴方の為に許さない



「最終地点まで長い終身刑ね」

『秘密事』

『秘密事』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-09-25

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