愛への翼
絶望には翼がない、
愛にもない、
それらは顔を持たない、
それらは口をきかない、
私は動かない、
それらを見ない、
それらに話しかけない
でも私は、愛と絶望の分だけ生きている。
(ポール・エリュアール『剥き出しの真実』)
愛を知りたい
知る前には決して戻れないほどの愛と
愛の孤独を
私は愛を享けて飛翔する
誰の理解も及ばない領域へ
あらゆる理解を撥ねつける愛の領域へ
私は何度でも飛翔する
重力に抗って
喪失さえも糧にして
もう誰の誘導もいらない
私は何度でも立ち上がる
愛の限界を挑発しながら
愛の孤独を遍く記述する
それが私の翼になる
誰もがくだらないものだと見なす私の
愛への翼に
愛への翼