『流行病』
舞台袖で君を見つめた
誰より愛してるかのような顔で
『流行病』
みんながみんなそうなるの
思春期と大人の狭間で
淡いくせに煮詰めたような
危ういバランスの恋煩い
欲しいと手を伸ばすだけ
策略なんて思いつかないから
ただ欲しいと強請る
それが幼稚とも知らずに
考えてみればアタシだって
その病に身悶えたひとり
スーツの日が一番好きよなんて
耳元で囁いた危険な部活前
誤解しないで
アタシが愛したのは概念で
人格を持った男じゃなかった
ちゃんと好きだったのは君だけ
幼稚に強請る両腕も
必死に背伸びする不憫さも
君にはお似合いだったよ
強いて言うなら向いてた
芝居の才能はなくても
道化役者としては天下一品
特にあの意味の無い涙
あれには思わず熱狂した
本当に意味不明で
不意をつかれたアタシは
自分の台詞を忘れるとこだった
そんなヘマはしないけど
安心してね
ちゃんと言ってあげる
先生のこと何とも思ってないよ
応援してるからねって
「裏で舌を出し演じるはジキルとハイド」
『流行病』