『恋人』

大好きだよって言うと
困ったように笑う人


『恋人』


誤魔化し誤魔化し
ここまで来たの
貴方の優しさに縋って
細い糸を繋いでた

毎日の電話や
記念日のメール
アタシからしか発しない
それら全てを見ない振りして

あの時頷いてくれた
曖昧さも承知の上
だけど少年らしい肩甲骨を
まわした手で感じたから

日に焼けた首も
熱くなった耳も
全部アタシのものでしょ
そうじゃないなら
何を頼りに生きればいいの

ふたりの色んな事に
どんどん隔たりができて
気づかない振りでやり過ごしても
どうしても目を逸らせない



「少年期の終わりとしてアタシを覚えていて」

『恋人』

『恋人』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-09-02

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