逃亡の日

夕日がやけに綺麗で

逃亡を企んでしまう

どこに逃げたって同じか

最後には同じになってしまう

手に入れたものや

手に入れることの虚しさに

嫌気が差して

うんざりして

もっと身軽になりたいと思う

ないはずの思い出を辿って

いないはずのきみに辿りつく

きみは僕のわからない言葉で

何かを懸命に伝えようとしていた

それを理解したかったのに

最後まで理解できなかった

もっと軽薄になりたいと思う

救いから逃げつづけた先には

嫌でも救いが待ち受けているから

僕は逃げる

逃げる

夕日を消滅だと信じていた

子供時代を救いに

逃亡の日

逃亡の日

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-08-25

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