『りんご飴』
夕暮れに紛れて
口付けたりんご味
『りんご飴』
始まれば終わりを恐れる
そんな物悲しい気持ちで
君を見送ったけど
来年のことなんて分からない
2度目の夏は本当に楽しかったわ
だから3度目を恐れて訝る
繋いだ手が汗に濡れてひんやり
そう言えば去年は手さえ繋げなかった
期間限定の恋だから余計に熱くなるのね
君の日常なんてどうだっていいの
アタシは相変わらずあの人を好きだけど
君には言わない言う必要もないでしょ
売ってる時はあんなに美味しそう
手にすると食べにくいだけね
それでも持ってるだけで可愛いから
いつも迷わず欲しがってしまう
どの味か迷ったらこれにしておいて
夏の終わりに食べるりんごの
あの気不味さが好き
「終われば忘れるだけだけど」
『りんご飴』