『りんご飴』

夕暮れに紛れて
口付けたりんご味


『りんご飴』


始まれば終わりを恐れる
そんな物悲しい気持ちで
君を見送ったけど
来年のことなんて分からない

2度目の夏は本当に楽しかったわ
だから3度目を恐れて訝る
繋いだ手が汗に濡れてひんやり
そう言えば去年は手さえ繋げなかった

期間限定の恋だから余計に熱くなるのね
君の日常なんてどうだっていいの
アタシは相変わらずあの人を好きだけど
君には言わない言う必要もないでしょ

売ってる時はあんなに美味しそう
手にすると食べにくいだけね
それでも持ってるだけで可愛いから
いつも迷わず欲しがってしまう

どの味か迷ったらこれにしておいて
夏の終わりに食べるりんごの
あの気不味さが好き



「終われば忘れるだけだけど」

『りんご飴』

『りんご飴』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-08-25

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