未確認用語集 2


・朝殻(あさがら)   朝の起きたばかりのやる気の出ない状態
「朝殻の時に色々思案してはならない。きっと実際以上にしんどくなってしまふ」



・あたへぼし(与へ星)   都会でも見える星
「君にも見えるかいあの与へ星が?そりゃ見えるだらうさ。見えなきゃバカだね」



・隠黙な   無名で人気のない、マイナーな
「そんな隠黙な曲を聴いて何が楽しい?まあ俺も聴いてるけど」



・嬉しめる   相手に自分に対する優越感を持たせて自分の利益とすること
「アホでもないと相手を嬉しめてペコペコするなんて究極的には耐へられない」



・悦理的   ロジカルな
「悦理的な人に見られたければ顔を斜め下か斜め横に傾けることだ」



・暮れ淵(くれぶち)   もうすぐ飽きさうな状態
「暮れ淵に立って居る感覚があるので、もう勿体ぶらないでクエスト全部やっちゃひます」



・研良(けんりょう)、改求、改究   内容と質を更に仕上げていく、ブラッシュアップ(笑)
「中々に良い脚本だが厳しい目で見るのであれば研良の餘地はまだまだある」
「働き方改革は官民を挙げて更に改求していかなければならない」



・こゑづらふ(声づらふ)   蟲や鳥などが個人的に心地よくは聴こえない声囀りで鳴いて居ること
「夏の始まる前に一斉に何かジージー声づらってくる蟲が居るけど母親には聴こえないんだってさ。良かった。まだ俺は若いんだ」



・さそひいし、さそいし(誘石)、さそひいは、さそいは(誘岩)   カメなど普段は水中に居る動物や鳥などが憩ひの場とするためにそこにあるかのやうな、用意されたやうな日向ぼっこ用の石や岩
「あ!あんなところに誘石が!罠だ。これは銀河総出の壮大な罠だ!一度気持ち良ささうに甲羅干ししてるカメをそこに観察しようものならば、お前はもう帰れない。家になんか、帰れやしない」



・春害、しゅどみ(黄煙)、しゅどむ(黄煙む)   古くから謂はれる春霞のそれかのやうに見せかけて、それにしては餘りに黄色くて砂っぽく気温も高い最近の春の空
「風物詩は何も美しいものばかりではない。今年の春害なんてヒドイもんでせう」
「わ~黄煙んでる~。桜の餘韻が台無し~」



・ずんずり(づんずり)   踊り明かすためだけにかける誰も細かくは聴いて居ない重低音の音楽、またそれに乗って踊ること
「ほー立派なずんずりだ。もうその箱の中で一生暮らせば良いと思ふよ」



・ふぶらふ   風情もクソもない程の強風が吹き荒れる、中身が無いといふか誰でも思ひつきさうな事を堂々と大きな声で恥かし気もなく喋ること
「春一番とか嘘つけお前、こんなにふぶらって居るではないか!」
「ふぶらふ人が議論の秩序のお陰でちゃんと時間与へられて喋ってる間の聴いてる側の苦痛ときたら、もはや屈辱を覚えるほどよ」



・貢儀(みつぎ)、死行(しぎょう)   同じ映画を十回百回観たり只の強迫観念によって全品を買ひ占めるなどして文明に反したヲタ活をすること、またそのヲタ活
「いや違ふ。貢儀死行が日本経済を支へてるんじゃ(ぢゃ)ない。問題はそのオカネが作者の収入や世間の賃金に反映されて居るかどうかだ」



・ききる(企危る)   強迫観念に囚はれる、過剰に危機を煽らうとするが自分だけ騒いでる
「ああまた、ききれる人が蛇口を前に震へて居ます」
「何か、ききる人って肩幅狭くて頭がデカそう」



・ここづむ   交流を避け独りで居ようとする、消極的に孤立しようとする
「ここづむ事自体は何も悪い事ではない。只童貞になるだけだ」



・ささばる(些々ばる)   一見すごい仕事ができてさうに見える細かい話ばかりして全体を変へるための必要な一手を打たないし打てないこと
「議員も些々ばる人間達の集まりだ心しておけ。減税もせず国債も発行せず歳出改革で難しい舵取りをしていかないといけないって、満足気に語ってることだらう」



・ちぢろむ(縮ろむ)   お金を抑へることにばかり囚はれて肝腎の生産力まで失っていくこと
「なぜ数字の上でのオカネが減ってるからって嗚呼もう日本はダメだねってなるんすか。モノはあるではないか。そんなずっと縮ろんで居ると、本当にモノまで無くなってしまふ」



・あととむ   まだ夢の途中だからといふことで今は(いつまでも)のんびりしてること
「人間、あととんで居る時が一番楽しい、って思ふだろ?でも成功者の前でお前それ言ってみろよ」



・ななす   匿名でネットのあちこちに現れるが過激な書き込みは一切せず斜に構へたり善良な面は見せたりしてその立ち振舞ひを楽しむこと
「ななしてる人達は視覚的にも法律的にも全く足跡をのこさない。だが名声もない。無辜の民か?彼らは果して本当に無辜の民なのだらうか?」



・くななす   犬がク~ンとか言ふて甘えてきよる
「犬は股間が汚くて男みたいやから嫌ひやったけど、実際くななして近寄ってこられたら流石に可愛かったわな」



・ねねしい(寧々しい)   相手の気持ちの尊重とか他人への迷惑とかを建前として結局そこで言ふべきことを一つも言はないし言へないこと
「寧々しく生きて数十年、然うした老害豫備軍たちは若者に斯う呟かう。俺らも若い頃は然うだったと。言ひたいことを言って居たと。一緒にするな。そして嘘つけ。お前は何も言はなかった」



・ほほぼす(頬干す)   言ってあげた方がその人のためになるけど放置してたら今後どうなるのか面白さうではあるから若干ニヤニヤしながら何も言はずそのままにすること、その人と話をしながらその人の顔の欠点(歯が出てる、鼻が上向いてる、エラが張ってる等)の部分を一瞥しつつ丸で会話の流れの中で笑ってるかのやうに装ふこと
「今朝やけに友達が話してる最中ずっとニヤニヤしてるなと思ってたら、ひどい寝癖を頬干されて居た!」
「ちょっと可愛い子が笑った時に出っ歯が迫り出してたりなんかすると思はず頬干したりなんかしてしまふけど、その度にああ自分もふとした時に鼻の穴を見つめられて頬干されてるのかと思ふと申し訳なかったり悲しくなったりする」

未確認用語集 2

未確認用語集 2

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-08-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted