九十九神4

九十九神の続きです

そこに着いたのは九十九と刀の九十九神が家から出て行って10分位経っていた。

「はぁはぁはぁ着いたか」

俺たちは全力疾走で学校まで走ってきた。

「どこにいるのかしら?」

辺りを見回しながら美紀は言った。

「まぁ多分あの真ん中に居る二人じゃない?」

「きゃあ」

「ぬおうい!」

いつの間にか神様が俺たちの横に立っていた。

「お前いつの間に・・・」

「はっはっはっ!俺神様だもん」

「説明になってねぇぞ」

「まぁそんなこといいから、二人を見ろよ」

神様が指差した方向にはさっきの女の子と九十九が対峙していた。

「じゃあ殺り合おうか」

そう言って和服姿の女の子は刀を抜いた。

「えぇ。あなたが早雲様に手を出すのであれば」

そう言って九十九は構えた。

九十九の構えは仮面ライダーのような構えだった。

「無茶だ!刀相手に素手なんて」

俺は叫んでいた。

「まぁまぁよく見てろって」

神様が言い終わるか終わらないかの時、和服の女の子が九十九に斬りかかった。

「危ない!」

カキィン

甲高い金属音が聞こえた。

「九十九?」

和服の女の子の剣撃を九十九は手を手刀の構えにして受け止めていた。

「やるじゃないか」

和服の子は飛び退いた。

「なっなんで?」

「あの子はな、もともと包丁の九十九神なんだぞ。包丁の刃の部分で防いだんだろ」

神様が解説をしてくれた。

そう言えばさっきも素手で刀を弾いてたな。

「なんで九十九はそんな事知っているんだ?」

「まぁ俺は教えてないから、彼女自身が本能的に気がついたんだろ」

「本能的に・・・」

「まぁお前を守りたいって言う本能だろうな」

俺を・・・

「今度は私から行かせてもらいます」

九十九はそう言うと手刀を和服の子に斬りつけた。

「なめるなぁ!」

和服の子はそれをはじき返し、九十九に斬りかかる。

九十九はそれを右にはじき返した。

「甘い!」

和服の子は弾かれた刀の刃を返し、横なぎに九十九を斬りつける。

「くっ!」

それをなんとか九十九は左の手で受け止めるが、同時に出てきた右の蹴りは避けられなかった。

「がっ」

九十九は左に吹っ飛ぶ。

「やめろぉ!」

俺はその瞬間叫んでいた。

「九十九が何をした!」

「ふん!この女は何もしていない。したのはお前だ!竹中早雲!」

そう言って刀を俺に向けてくる。

「俺が何をしたって言うんだ!」

「貴様はお嬢を泣かせた。それは死よりも重い」

「えっ?」

美紀が泣いた?

俺は美紀の方を見た。

「わっ私?」

「お嬢!今こいつを殺してそいつも殺します」

「そんなことやめて!」

「なぜ止めるんです?あなたはそいつを恨んでいたじゃないですか!」

「それはちがう!私は早雲を恨んでなんか・・・」

「では!なぜそいつが倒れたとき泣いたのですか?」

「そっそれは・・・」

美紀は言い淀んでしまった。

「美紀。お前あの事で泣いたのか?」

「だって・・・。私の料理で早雲に嫌な思いをさせちゃったんだもん」

こいつはそんな事で悩んでたのか。

「はぁ?お前は・・・」

「なによぉ」

美紀は少しふくれっ面で言ってきた。

「いいか!よく聞けよ!お前に、美紀に、料理を作ってもらって嫌な思いなんかするわけ無いだろ!」

言い切ってやった。

美紀は目を丸くする。

何で?と言わんばかりの顔をした。

「えっ?」

「おまえなぁ。俺がそんな事でお前の事嫌いになるわけ無いだろうが。それに!お前の料理に対しては、耐性が出来てんだよ」

「本当に?」

「あぁ本当だ」

「よかった・・・」

美紀は本当に安心したような顔を見せた。

そして美紀は安堵からか泣き出した。

「貴様ぁ!またお嬢を泣かせたなぁ!」

「待って!この涙はいいのよ」

「そっそうですか」

誤解も解け、俺は倒れている九十九の所へ駆け寄った。

「大丈夫か!九十九?」

「早雲様・・・」

俺は九十九を抱き起こした。

「すいません。早雲様。迷惑を掛けてしまいました」

「いいんだよ。お前は俺を守ってくれたんだろ」

「早雲様・・・」

「さぁ帰ろう」

俺は九十九を立たせ、帰ろうとした。

「はい・・・!!」

九十九が返事をした瞬間、風が・・・いや突風が起きた。

「なんだ?」

俺は吹っ飛ばされた。

「なっ!どうしたんだ?九十九!」

九十九の周りは風が舞っていた。

「わかりません。私の力がうまく制御できないのです」

「おい!これはどういうことだ?」

俺は神様に聞いてみた。

「いや、俺もびっくりしてる。多分いきなり主人が危機的状況になり、自分の力を出した事による力の暴走だろ」

「止める方法は?」

「わからん」

神様は無責任に答えた。

「わからんってお前・・・」

俺はとりあえず九十九に近づいてみる事にした。

「駄目です!早雲様!」

「えっ?」

俺が近づいた瞬間、風が俺の顔を切り裂いた。

「つぅ!」

「早雲様ぁ!」

なんだ?どういうことだ?

「これはまさか・・・」

「まさか?」

「多分これはこの子の切れ味が今最高に研がれている」

神様が答えた。

「研がれている?」

「あぁそうだ。今この子は空気を無意識に切り裂いている。それによりカマイタチが起きてるんだよ!」

「なんだって!」

俺は九十九の方を見た。

九十九は何かを吹っ切った顔をしていた。

「早雲様。私はもういいです」

「いいですってお前。どういうことだ?」

「私のことは気にしないでください」

「気にするなって・・・そんなの無理に決まってるだろ!」

俺は九十九に近づこうとしたが、またカマイタチが起き、俺は吹っ飛ばされた。

「やめてください!私のせいでまた早雲様が傷つくのは見たくないのです。あの時だって」

あの時・・・

あの時とは子供の頃の事を言ってるのだろう。

「もう私の事はお忘れください。私はひと時でも早雲様と一緒に居れて私は・・・」

「ばっっっっっっかやろう!!!」

俺はつい怒鳴っていた。

「何言ってんだ!忘れろだぁ?」

「はい」

「んなもん無理に決まってんだろうがぁ!」

「!!」

「お前は俺と15年も一緒に居たんだぞ!それを忘れられるわけないだろ!」

「でっでも」

「いいか。そこを動くなよ」

俺は無我夢中で九十九に近寄った。

カマイタチが俺を切り裂く。

「やめてください!早雲様が傷つくのは・・・」

「うるせぇ!」

俺はカマイタチをお構いなしに九十九に近づく。

「やめてください・・・」

「・・・・・・・」

「早雲様・・・」

「・・・・・・・・」

いつの間にか九十九の前まで来ていた。

「早雲様・・・」

「・・・・・・・」

パチン

俺は九十九の頬を叩いた。

「早雲様・・・」

「いいかこれでお合いこだ。だからこれ以上自分を傷つけるのはやめてくれ」

「私は・・・」

「さっ帰ろう」

俺は九十九に手を伸ばした。

「早雲様・・」

九十九はその手を握ってくれた。

その瞬間、カマイタチは消えていた。

「いや?一件略着だな。はっ?はっはっは」

神様は満足そうに笑った。

「気楽そうだな神様」

俺は嫌味を込めて言った。

「いやぁ見せてもらったよ。人と物の絆を」

「絆か・・・」

「あぁ絆だ。まぁまた見せてもらうからその時は覚悟しとけよ。ばいちゃ」

神様は消えていなくなった。

「あっ!おい待てよ。まだあるのか?あとばいちゃは古い」

そんな事言っても、もう神様は居なかった。

「大丈夫ですよ早雲様。私達なら」

そう言って九十九は繋がれた手に力を込めた。

「そうよ。私達なら」

美紀が俺の手を握ってきた。

「さっあなたも」

そう言って美紀は和服の子に手を差し出した。

「おっお嬢。許してもらえるんですか?」

「いいのよ小っちゃい事は」

俺が殺されそうになったのは小っちゃいことかよ・・・

「ありがとうございます!お嬢」

「でもあとで早雲に謝りなさい」

和服の子は俺の前に来て

「早雲兄貴すいませんでした」

深々と頭を下げた。

「いやいいよ。誤解も解けたしな」

「じゃあ改まって。はい!」

美紀は手を差し出した。

その手を女の子はしっかりと握り返した。

「じゃあ帰りましょうか」

「あぁ帰ろう」

俺たちは手を繋いで家へ帰った。

みんなで家に帰ってきたわけだが・・・

こいつはいかがなものか。

俺の部屋は散らかりに散らかっている。

まぁさっきまでここで殺し合いがあったからなぁ。

「あ?あ。これどうしようか・・・」

そんなことを呟いていると

「私におまかせください!」

九十九が横から飛び出してきた。

「私が今から掃除をさせていただきます」

言うや否や、すぐに九十九は掃除を始めた。

「いや?あの九十九さん?それは何をしているんでしょうか?」

九十九は掃除を始めると言ったが、箒を持って一箇所にゴミを集め、捨てる間に転んでゴミをぶちまけるのは掃除とは言わない。

「まさか九十九、お前・・・料理以外ど不器用なのか?」

九十九は恥ずかしそうに顔を背けた。

「わっ私は料理を作るために生まれてきたのですから。ちょっとは不器用かもしれません」

「いやいや不器用の域を超えてると思うけどね」

「すみません・・・」

九十九は泣き出しそうな顔をした。

ちょっといじめすぎたかな・・・

「まぁ?時間はあるんだし、二人でやろうか」

九十九は今までの表情は一気に無くなり

「はい!」

笑って答えてくれた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「早雲様。朝ですよ」

九十九の声で目が覚めた。

「うぅ?ん・・・おはよう」

「おはようございます」

テーブルの上にはやはり3人分の朝ごはんが置いてある。

「朝ごはんが出来ました」

「ん。ありがとう」

俺が礼を言ってテーブルに座ろうとしたとき

「おっはよう!」

例のごとく美紀が扉を開けて入ってきた。

「おはようございます!兄貴」

美紀の隣から昨日の女の子が入ってきた。

「君も来たのかい」

「やはりお邪魔でしょうか」

「いや。邪魔じゃないよな」

俺は九十九の方を向いた。

「大丈夫ですよ。こんなときのために一人分多く作っておきましたから」

そう言うと九十九は台所に行った。

「ありがとね。九十九ちゃん」

美紀はお礼を言うとテーブルに着いた。

「あっ!そう言えば美紀」

「なに?」

「名前は?」

「名前?」

「この子の名前だよ」

俺は女の子の方を見た。

「なんて呼べばいいかわからないだろ」

「あぁそれなら昨日決めたわよ」

美紀がそう言うと、女の子が中腰になり手のひらをこちらに出してきた。

「手前はお嬢から『虎鉄』と言う名前を頂戴しました」

と言ってきた。

「虎鉄って女の子らしからぬ名前だな」

「私も女の子らしい名前を考えたわよ。でもなんかしっくりこなくて・・・でっ!結局この子を打った人はあの名刀『虎鉄』を打った人ってのを聞いたから虎鉄よ」

「なるほどなぁ」

だが確かにこの子は虎鉄が似合ってる気がする。

「お嬢!ありがとうございます。この名前に恥じぬ用心棒をやらせていただきやす」

「まっまぁ気張らずにね」

「じゃあよろしくね虎鉄ちゃん」

俺は手を差し出したが、向こうは手を出してくれない。

「?」

「兄貴・・・やめてください。私のことは虎鉄でいいです」

「ん?そうかい。じゃあ俺の事も兄貴はやめてくれるかな?まぁ早雲とかでいいよ」

「いえいえそんな恐れ多い」

「それじゃあ俺も虎鉄ちゃんって呼ぶしかないだろ?」

「じゃっじゃあ早雲さんでどうですか?]

[う?んまぁいいかな。だってさ『兄貴』なんて他人行儀だろ。俺は君と仲良くしていきたいんだよ虎鉄」

「ありがとうございます。早雲さん」

そんな様な話をしていたら

「早雲様。出来ました」

九十九がテーブルに四人分の朝ごはんを置いた。

「さてと挨拶はその辺にして食べましょ!」

「お前が言うなよ・・・」

「えっ?なんか言った?」

「いや!なんでも!そんなことより食べよう」

俺達は皆で顔の前に手を合わし、四人で声を合わせていった。

「いただきます」

[終わり]

あとがき

                 あとがき
ど?もです!!
このたびは私のような若輩者の小説を読んでいただき誠にありがとうございました!!

今回、私がなぜ小説を書こうと思ったのかを書きたいとおもいます。

以前から小説をかきたいなぁ?と思っていました。

中学時代はノートに小説を書いて友達に見せていたものですなぁ。

そして何よりの原因は!・・・の前に。

皆さんは夜寝るときはどうやって寝ますか?

音楽を聴いたり、テレビを見ながらとか、ラジオを聴きながらとかですか?

私は頭の中で妄想をしてしまうんです。

こんなストーリーがあったらいいなぁとか

こんな子が出てきたらいいなぁとかです。

そんな妄想をどこかで使いたいなぁと思っていたので今回書かせてもらいました。

皆さん的には今後九十九神の続きを読まれたいですか?

それとも新しい違う奴がいいですかね?

そこら辺のコメント待っています。

コメントの感じによって次どんなのにしようか決めようと思っています。

皆さんのご協力待っています!!

でわ皆さん今回読んでいただきどうもありがとうございました!!

次も期待していてください!!m(_ _)mペコリ(^^)ノシ

九十九神4

完結しましたよ

九十九神4

九十九神の続きで今回で完結です

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-05-14

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  1. あとがき