夏の眠り

ぼうッと
真っ暗な中へ点を打つ
蚊取線香を蝕む灯

のたり くらり ふわり
寝つけず うねる
煙のように
あるいは
煙を浴びた蚊の
眩暈に喘ぐように

渦巻の
灰に尽きた分だけ
いたずらに
時間をとろとろと
ふやかしている

日が昇り
火が消え
陽が射す
いよいよ微睡める頃に

這う
撫でる
からかう
羽音

夏の眠り

夏の眠り

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-08-04

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