『プールサイド』

どんな運命もアタシたちには
太刀打ちできなかった季節


『プールサイド』


本当の友達なら今すぐ
あの人と離れてよなんて
可愛いビキニで君が言う
多分今ここで一番可愛い女の子

アタシは子供っぽい水着で
立ち尽くしていたんだ
太陽が水面に反射して
無自覚の罪を責めてた

いつからこんな風に
君を見つめるようになったのか
いつからこんな風に
君に睨まれるようになったのか

罪深いのはアタシじゃなくて
君の方だよって言いたかった
言えば終わるのを知ってるから
言わないアタシが狡いね

曖昧に笑うのは君が君だからだよ
言葉を濁すのは君が君だからだよ
太陽を背にした君の細い影が
アタシを真っ暗闇に突き落とすんだ

早く水に飛び込みたい
泳げないから潜れば全部
忘れられるかもなんて
甘い夢を見続けて


「ああ、君が突き落とすんだね」

『プールサイド』

『プールサイド』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-29

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