zokuダチ。セッション18
FF6からゲストさん。ティナのイメージはチビキャラより、
天野氏のイラストの金髪の方をイメージして書いています。
エピ 67・68・69・70・71
英雄集結?
「おーいっ!お前らー!無事かー!?生きてっかー!?」
「ま、間に合いましたか……?ぎゃ……」
「……ホークっ!バーバラ、グレイっ!!ゲラ=ハっ!!」
加齢臭トリオとゲラハも漸くマンション内へ応戦に駆けつける。
「……どさくさに事欠いて……、加齢臭トリオとは何だっ!?
ジャミ公っ!!」
「懲りない口だねえっ!アンタもっ!!」
ホークとバーバラが左右からジャミルの口を思い切り引っ張った。
「……いふぇふぇふぇふぇ!おふぇがいっふぁんふぁねえふぉっ!!」
「……クローディアも!!……無事だったか……!?」
「……グレイ!」
「無事じゃないわよ!彼女、右足に大怪我したんだからっ!
アンタしっかりしなさいよっ!それでもボディーガードな訳!?」
「……俺が回復術をどうにか使えたから良かった様なものの、
大分出血の量も多かった様だ……、もう少し遅かったら……」
「そんなに怒るなよ、エレン……、仕方無かったんだろう……、
グレイ達は外の怪人達を中に入れない様に頑張ってくれてたんだぞ……」
「……お姉ちゃん……」
「ふん、それでも奴ら、勝手に中にどかどか入って来てたけどね、
まるで蟻の如くお構いなしにね、どんどん廊下から湧いて出て来たわよ!」
「そりゃそうで、非常識過ぎたけどさあ……」
「エレン、……トーマス……、サラ、ユリアン……、本当に
すまなかった……、クローディアを助けてくれて……、護ってくれて……
感謝する……」
いつもは、つっけんどんのグレイが珍しくエレン達に頭を下げた。
余程クローディアが心配で堪らなかったらしい。
「いや……、君達の方も無事で何よりだったな……、俺の回復術も
役に立てて何よりだったよ……」
「……」
(へえ~、彼女の事になると大幅に態度が変わるじゃない……、ふふん……)
エレンはにやにやしながらグレイとクローディア、二人の様子を覗っている。
「グレイ、私は本当に大丈夫よ、あなたにも何事もなくて、本当に良かった……」
クローディアはグレイの無事な姿を見、安心するとグレイの手を取った。
「……すまない、俺の所為で……、俺は君の護衛失格だ……、辛い目に
遭わせてしまったな……、怖かったろう……、本当にすまない……」
「……ううん、皆が助けてくれたもの、大丈夫だったわ、
ブラウも、シルベンも、私をちゃんと護ってくれたのよ……」
「……クローディア……、…本当に……、すまなかった……、だが君が
無事で、本当に……」
「グレイ……」
「何かあそこだけ異様に世界観が違うな、何か始まったな……」
「……やってらんねーっつんだよ!」
ホークが鼻糞、ジャミルが耳糞をほじくり始める……。
「……うきょーーっ!まーた、ぼくちんを無視しましたねーっ!!
許しませんよっ!!」
相手にされず、ケフカ、キッキキッキ、飛び跳ねた。
「ハア?おめえ、さっきから何回それ言うんだよ、早く本気見せろっ
つーんだよっ!」
そろそろ飽きてきたらしく、ジャミルが苛々した様子でケフカを挑発する。
「いいでしょう、今度こそ、ぼくちんの本気、見せてあげま……」
「……やーっと追い付いたぜ!……ブラッククロスめ!!
観念するんだなっ!!」
「もう、アンタの好きにはさせないわ……!」
「……大型危険物、存在確認しました!処罰します!!」
「……」
「みゅみゅみゅ、みゅみゅっ!!」
IRPO軍団もやっと、マンションに辿り着いた。
「うわあっ!すっごおーい!こんなに皆が集まるなんて!
ワクワクもんだぁっ!!」
「……本当ね、でもちょっと……」
「何か広さが縮まったか?元の廊下に戻ったみてえだな、
いつもの廊下だとちょい狭いな……」
「ありゃま、本当だね、ホーク、……こいつ段々弱体化して
きたんじゃないのかい?」
ホークとバーバラが頷き合い、冷めた様な目でケフカを見た。
「この野郎……、どこま……!?だあああああっ!?」
又も何者かが乱入し、ケフカの頭部を蹴り飛ばした。
「……これ以上もう、お前の悪事、見逃すわけにはいかないっ……!
覚悟しろ、ブラッククロスっ!……正義の使者……、アルカイザーっ!!」
漸く、レッド、アルカイザーも駆けつける。
「かっこいいーっ!うーん、ワクワクもんがいっぱいだねーっ!!」
「すごおーいっ!!本当にカッコイイねっ!」
「……素敵ね……」
ミラクルとアイシャは興奮してパチパチ拍手し、サラも静かに微笑む。
(うう、やっと、戦えるんだなあ、この瞬間をどれだけ……)
「……おーいっ!オメー、今頃になって、おせーよっ!レ……!!!」
(……頼むからっ、お前はっ、静かにしててくれっ……!)
ジャミルの口を力を込めて塞ぎながらアルカイザーが慌てる……。
「……そういや、レッドの奴、まだ来ねえな、何やってんだ……」
「!!!」
何となく、アルカイザーの方を見ながらヒューズが呟いてみる。
「そうね、心配ね……、遅すぎるわ、何してるのかしら……」
「……あ、あ、あの……、レッド君は、その……、腹痛で途中で
倒れていたのを私が見つけ、あ、安全な場所に避難させたんだ、
だから心配ないっ!!安心したまえ!!」
「……何……?あの野郎、どこまでもふざけた野郎だ、戻ったら
シメてくれる!!」
「仕方ないわよ、よっぽどお腹が痛かったのね、可哀想に……、
大きい方だったのね……、だからあんなに困った顔をしていたのね……」
「……」
情けない理由でどうにか誤魔化せた物の、アルカイザーはだらだら
大汗を搔いている……。
「……プーーっ!!」
(……お前もっ、笑うんじゃないっ!!くそっ……!!)
「……いででででっ!!」
泣きながら、アルカイザーがジャミルを羽交い締めにした。
「……何だよ、随分とすかした奴だなあ、ちぇっ、きざったらしいの!!
ヒーローだか何だか知らねえけどさ!」
女の子達が絶賛している為、ジタンは何となくアルカイザーが
面白くないのであった。
「あら?ジタンに言われたくないと思うわ……」
「……」
そして、野原家+シフ、アルベルト、おっさんズも、漸く皆のいる場所へと
近づいて来ていた。
「……ラグナが四方八方で転がり捲った所為で、大分時間を喰ったが……、
やれやれだ、しかし、どうやったらあれだけ派手に転がれるんだ……?」
「アルもっ、アンタがいつまでもモタモタと!タラタラタラタラ……!
トロトロとしてるから……!こんなに遅くなっちまったんじゃないかっ!
……明日から修行時間倍だっ!覚悟しとくんだよっ!!」
「面目ねえね、スネーちゃま……」
「……シフ~、きついよ……、うう~……、……タラタラって、まるで僕、
何処かの性悪ボウヤか辛いエスニック駄菓子みたいじゃないか……」
「おい、何だその無理矢理なニックネームの付け方は……」
「しっかし、走り捲りで俺の足も蒸れて今なら臭さが最高潮だなあ……」
「お、おお……」
……しんのすけを始めとする子供達は顔をしかめ、ひろしから少し
距離を置き始めた。
「あ、あそこ……、ほら見て、しんちゃん達、皆さんが集まってるわ!」
「おおー!母ちゃん、凄いね!遂に全員集合だゾ!」
「ボー!」
「やいやいー!」
「アンっ!アンっ!」
「……くそっ、こ、このぼくちんを……、もう、本気で……、
本気でええええー、で?ええええええーーーっ!!」
「どいてどいてェェェーーーッ!!」
「わんわんーっ!ワンダフル、元気だよーっ!ぴーすぴーす!」
「……ワンダフル、又調子に乗らないんだよっ!もう~!」
「全く……」
「ふふ、ワンダフル、元気になって良かったね、……フレンディも嬉しそう、
……ね、兎山君♡」
「!?え、ええっ、そりゃそうだけど……、何で僕の方見て笑ってるの!
リリアンっ!」
……セーラーV乱入。ケフカ、今度は股間を殴り飛ばされ、ふっ飛び、
演出の機会を失う……。更にその後でわんぷり組も此方に向かって来る。
こむぎもすっかり目が覚め、ワンダフルに戻っており、いつもの元気モードに。
「……やーっと追い付いたわっ!ジャミルっ、アンタもドコ行ってたのっ!」
「おう、お前らも来てくれたのか!って、お、お前ら……?一体誰だ?」
「……え?あ、ああっ!」
ジャミルが点目になる。みらい達の件は知っているものの。セーラーV状態の
美奈子も初見であり、こむぎ達もプリキュアだと言う事はまだジャミルは知らない。
「なんでえ~、ジャミルう~、わたし、こむぎ……」
「……ワンダフルっ!初めましてっ、私達、このマンションの
危機を救う為、駈けつけました!わんだふるぷりきゅあチームです!
こむぎちゃん達の友達です!こむぎちゃん達は安全な場所にもう
避難しています!私は、キュアフレンディ、こっちがワンダフル、
リリアン、ニャミーです!」
そうそう!と、言う様に、フレンディの言葉に、リリアン、ニャミーが
静かに頷いた。……フレンディに注意されたワンダフルだけは口を尖らせ
不満そうであるが……。
「そして、アタシはセーラーV!正義の美人戦士・コードネーム・
セーラーVヨっ!」
「プ……セーラーV……、ね……、美人……」
「ちょっとッ!アンタ何よッ!その反応はッ!」
「わたし……、なんだかまたつかれてきちゃったよう、……フレンディっ!
クッキーが食べたいようううーー!!」
「ここ、こらっ、ワンダフルっ!我慢しなさいっ!!今はそんな場合じゃ
ないでしょっ!」
「たべたいたべたい!……クッキー食べたいわんっーー!!おさんぽも
まだきょうはいってないよーーっ!!」
床に寝っ転がり、我侭を言って暴れ出すワンダフルを注意するフレンディ。
独特のわんこ口調。して、仕切りに、二人の隣で、こわくない、こわくない、
……を、まじないの様に呟いているリリアン。リリアンをじっと見守っている
ニャミー。速攻でジャミルは新生プリキュア4人組の正体を何となく……、
察したのである。
次の回こそは、今度こそ、住人が揃う……、筈。
ファイナルバトル・1
「ラグナのおっさん、又後ろで転がってるわ、面倒見きれねえな、もう……、
へへへ、こんちゃーす!バーバラさん、ホークの親父さんも!お久しぶり!」
「あはは、どうもでーすっ!」
ホークとバーバラの間に、子供達を抱えた野原夫妻、ひろしとみさえが
間に割って入った。
「ああ、あんた達も……、恰好がこりゃまた、随分と派手な格好だね……」
「へえ、あんたらのバトルスタイルか、珍しいな、中々
決まってるじゃねえか……」
「はあ、やーっと此処まで来れたよ……、全くもう……」
続いて、アルベルトとシフもホークとバーバラの前に姿を現す。
「……疲れた……」
「……おお、シフとアルベルトもか!」
「あはは!あんた達も久しぶりじゃないのさっ!」
「……聞いとくれよ、もうー、坊やがとろくてさ、……なーかなか、
もう……、etoeto!」
よっぽどトロいアルベルトに苛々していたのか、シフがバーバラに
愚痴り始めた。
「そんなに文句言う事ないじゃないか……、もう~……」
「ま、これを機に本気で身体も鍛える事もするんだな……、
お坊ちゃま……」
「……うう……」
スネークも再び葉巻を取り出し、静かに一服。しかしアルベルトは
どうしても脳筋筋肉バカにはなりたくなかった。シフを守れるぐらい
強い男になりたいと言う密かな気持ちも心に秘めてはいるものの。
「しかし、これじゃあまた、同窓会みてえだな、なあ、アルベルト……」
「……そうだね、けど、これって一体何の集まりなんだろう……、
ね、ホーク……」
もはや、何で皆が此処に集結しているのか、分らなくなって
来ている様である……。
「あ、そう言えば……、その格好、あなた達もまさか……」
「わん?」
フレンディとワンダフルがミラクル達に近寄って行くと、彼女達も
直ぐに反応する。
「私達もだよーっ!魔法つかいプリキュア!うーん!ワクワクもんだあーっ!」
まだ、顔を合わせていないプリキュアチーム同士、駆け寄って互いに
自己紹介を始める。この子達は同じプリキュア同士なので、いずれは
個々の正体が分る事になるのであるが。
「はあ、それにしてもすげえ事になってきた事、……いつの間にか
知らねえ奴も混ざってるし、俺にはもう何が何だか……」
ジャミルは狭いマンションの廊下で語り合い、交流し合う、
ギュウギュウ詰めのマンションの住人達を眺めていた。本当に
バトルでも、もうなんでもなくなって来つつあった。
「……ちく……、ちく、ちくちくちく……、チクチクチクチク
チクチク……、ちくしょおおおおおーーーーー!!うおお、お前ら
ああああーーっっ!!ふざけやがってええええーーっ!!今度こそ、
目に物みせてくれるどわああーーーっ!!」
……口ではそう言ってみるものの、これ以上何か飛んで来ないか、
邪魔されないか……、ケフカは何となく彼方此方気にしている様でも
あった……。
「あのさ、此処じゃ狭くって、場所、替えてくんね?外、出ようや……」
暇をこいていたジャミルが提案してみる……。
「……糞猿、言われなくてもそうしたるわっ……!!」
ケフカが指を鳴らすと……。
「あっ、場所がっ!マンションじゃなくなっちゃったわ!ダウド、
いつまで倒れてるのよっ!しっかりしなさいよっ!もう~……」
「……オイラ、もう疲れちゃったんだよおお~、ほっといてええ~……、
何ももう、したくない……」
アイシャがダウドを起そうとするが、ダウドは相当嫌々モードに入って
しまった様である。いじけてしまったダウドを慰める様に、ブラウと
シルベンがダウドの顔をペロペロ舐めた。
「……モフルンもいるモフ、ダウド、おつかれさま、モフ……」
モフルンがちょこんとダウドの膝の上に乗る。チビも異様に懐いているが、
……どういう訳か、ダウドは獣に懐かれる体質の様である……。
「そう、此処はお前らの死に場所にふさわしい最後の場所……、
がれきの塔……、ククク、この場所なら……、お前らをじりじりと、
甚振り、死に追い詰められ……」
「かあちゃーん、オラ、もう……、う、うんこもれそうだゾ……、
ううう~」
「我慢しなさいっ!……お便所が消えちゃったんだから仕方ないでしょっ!
洩らしたら後でおぱんつ変えてあげるから……!」
「……あ~、う~!」
「はいはい、ひまも、お腹すいちゃったのね、もう少しだからね、
我慢しようね……、よしよし……、お兄ちゃんやお姉ちゃん達が
悪いおじさんをやっつけてくれるからね~……、勿論、パパとママも
最後まで頑張るわよ、折角正義の味方の力を貰ったんだから!」
「アンっ!」
「はあ~、けど、明日っから、俺、ちゃんと仕事いけっかなあ~……、
何とか頑張んねえとなあ~……」
……緊張感と雰囲気をぶち壊す、困った親子である……。
「僕ら、部屋が突然消えてしまって、この場所に……」
「ワイら、何処で暮らせばええねん……」
「はあ~……、頭いた……」
「冗談じゃねえぞっ!いい迷惑だよなっ!」
「……もう、構わないで……」
谷口達、野球バカと……、少年もぞろぞろ姿を現す……。
「……そう言う事だ、……もうこれでオメーに勝ち目はねえ、
覚悟しろや!」
「お前を倒す!……ケフカっ!!」
アルカイザーも率先して身構え、ケフカの前にジャミルと共に立った。
他の皆も早くしろとばかりに……、ケフカをじーっと見ている……。
「……ふ、ふざけるんじゃないじょおおおおーーっ!!何処までも……、
この、くっそ、共めええええーーっ!!」
「ま、所詮この話でさ、真面なバトル期待する方がそもそも
無理なんだよな……」
「最後なので、私も無理矢理参戦します……」
無理矢理、ガーネルも突然出て来た……。
「……しゅわっち!覚悟しなさい!」
ガーネルは急に着ていた白スーツを脱ぎだし、メタボボテバラ
さらけ出し体質になる。
「……ドナルドもやるよっ!……ホアア~!!」
いきなり、元に戻ったドナルドも同じく服を脱ぎ出す。此方もハンバーガーの
食い過ぎを民衆に注視するかのようなボテバラむき出し。
「……お前は、邪魔です、……この野郎!!」
「……お前の方が邪魔なんだよっ!!いつもいつもっ!!」
またもや、基地害マスコット達は殴り合いを始めたのであった。
「まあ、こいつらはほっといていいからよ、……決着つけようや!!」
「……ククク、この破壊の翼の威力を……、思い知るがいい……」
「……ケツだけ星人!ぶりぶりー!!おウンチが出る寸前の
ハカイのおけつだゾ!!」
恐れを知らぬ、嵐を呼ぶ幼稚園児、しんのすけ、ケフカの前に突如、
ケツを出す。
「っ、くっ、せええええ~~~……!!」
「……しんのすけっ!このおバカっ!!」
みさえ、しんのすけを慌てて捕獲し後ろに下がった。ついにこの場所に
マンションの住人が全員揃った訳である。……本当にもはや、バトルも何も
無くなってきているが、話はいよいよ最終局面へと突入する。
ファイナルバトル・2
……プルルルル……
「……もしもしっ!何だじょっ!?ぼくちんは忙しいんだじょ!
……は?ブラッククロス本部!?」
「……何だと!?」
どうやら、…ケフカの持っていたスマホに、本部から連絡が入ったらしく、
アルカイザーとIRPO集団も思わず身構える……。
「……何、支配する場所を間違えて、連絡した……だと、じょ……?」
「……」
ケフカは黙ってスマホをパタンと閉じると、今、自分をじっと見ている、
目の前の変な集団を改めて見返す……。
「……まあ、いい、折角だから糞共を始末していくじょ、
……堕天使モードっ!」
ケフカの姿が悪趣味な本気堕天使モードへとチェンジする……。
「りゅっ!」
と、ジャミルの側に突然小悪魔が出現した。
「……リトルっ!オメー、何しに来たんだよっ!こんな時にっ……!」
「別にオメーらに加勢しに来たわけじゃねーりゅ、唯、
面白そうだったからちょっとだけ手伝ってやるりゅ!」
「……あのなあ!邪魔だから……」
「りゅーっ!!」
小悪魔、ひろしの足に向かって魔法を掛ける……。
「……うああああーーっ!!何だこらーーっ!!」
「あなたーーっ!!」
「とうちゃんがーっ!またおかしくなったゾーーっ!!」
……ひろし、今度は身体の一部分を怪物にされる。足だけが5分裂して
巨大化。悪臭が倍になる……。
「う、く、……っせええーーっ!!」
「じゃあ、リトルはこれでかえりゅます!け~けけのけ~!」
「……おーいっ!!」
小悪魔は余計な事だけすると、何処かへぱっと消えてしまった。
「何なんだ……、あいつ……」
「ジャミル、でも、敵さんにも精神的ダメージ、結構いってる
みたいだよお……」
「おえっ、……おおーえっ、げえーっ……、げ、げえーっ……」
「……」
「よしっ!今こそ、ドナルドの出番だよっ!」
「……私も加勢しますぞっ!!」
「……あ……」
またまた、馬鹿2人、ドナルドとガーネルのメタボ腹糞コンビは
今度こそタッグでケフカに突っ込んでいくが……。
「……ホアア~っ!!」
「あちょおーーっ!」
……ゴスゴスゴスッ!!
見事にボコられ、2人ともノックアウトであった。
「……役に立たねえなあ!ほんとにっ!!」
……ドナルド、ガーネル、完全リタイア……。
「おーい、俺の足、元に戻んのかよ……、こんなにしやがって……」
「ちょっと!あなたっ!!近寄らないでっ……!!」
「……ええいっ、雑魚めが、うじゃうじゃと集まりやがって!
纏めてこうだじょっ!!心無い天使っ!!」
「ああっ!」
「……ヒューズっ!皆あーっ!」
……ケフカの即死技を喰らい、ジャミル、アルカイザー、
以外のメンバーは全員倒れてしまう……。
「……くそっ、よくも仲間をっ……!てめえやってくれたなっ!!」
ウコムの鉾を握りしめ、ジャミルがケフカを睨んだ……。
「いいじょ、いいじょ、ククク……、絶望と憎しみに満ちたその顔……、
クククク……、ん?」
「……ま、負けないん……だから……」
「オレだって……、まだ戦えるさ……、へへ……」
「わたしだって、あきらめないよ、……ゼッタイ……」
「そうよ、諦めたら其処でもう終わりなのよっ!」
「負けるもんかっ……」
「……フン、俺も諦めが悪いんでね……」
「俺も……、たまにはかっこ付けてさ、イッチョ頑張ってみるかな……、
ってな……」
ミラクル、ジタン、ワンダフル、セーラーV、ユリアン、スネーク、
ラグナ、……7人の英雄が立ち上がる。どうやら各作品の主役級は
大丈夫の様であった……。
「お前ら……」
立ち上がった7人はジャミルの方を見て、強く、そして静かに頷いた。
「オラもいるゾーーっ!!」
「……うわ!こいつもいるの忘れてた……」
「アクション仮面っ!悪い奴をやっつけてっ!皆を助けてっ!」
「……君、私は……、アクション仮面とやらではない、アルカイザー……、
なのだが……」
アルカイザーが少々困惑気味な表情をする……。
「今はそんなのどっちでもいいじゃないの!」
「……そんなの……、俺ってそんなのかよ……」
Vちゃんの辛口なお言葉に、アルカイザー、いじけてみる……。
「あの……、俺もなんですけど……、何か出来る事は……」
此方も無事だった谷口。皆の側までとことこ歩いて来た。
「じゃ、じゃあ、少しの間、こいつを頼むわ、悪さして邪魔されると
困るんでよ……」
「お~?」
ジャミルが谷口にしんのすけを一時保育で預ける。
「分りました、皆さんっ!頑張って下さいっ!!」
「頑張れだゾっ!!」
「行くゾ、お前らっ!!……なーんか変だなあ~?まあいいか……、
……んじゃ、最終バトル開始!……突撃ーーっ!!」
「「たあああーーっ!!」」
ジャミルを先頭に、アルカイザー、ミラクル、ジタン、ワンダフル、
セーラーV、ユリアン、ラグナ、スネーク、ヒーロー・ヒロイン達は
ケフカに向かって突っ込んで行ったが……。
……ぷう~うう~……
……意味も無く、しんのすけがやる気を削ぐ屁をこき、……全員が
その場にずっこけて倒れた……。
「し、しんちゃん……、駄目だよ……」
「でちゃったんだゾ……」
しんのすけを抱いていた谷口が困って苦笑いする……。
「しんのすけ……、おい、……コラあああ!」
「……ジャミル、そんなに切れんなって……、てか、お前だって
人の事言えねえだろ……」
ブチ切れようとしたジャミルをジタンが何とか宥める。
「うるっせえ!……今は今!真剣なバトルの最中だっ!」
「ん、もう~、ジャミルお兄さんたら、そんなに怒っちゃや~よお~、
だからおちんちんがそんなに小さいのよお~!」
「……こ、此処の大きさは……、関係ねえだろうがああっ!」
「……しんのすけーっ!!こらやめろーーっ!」
〔げんこつ〕
止めようとしたジタンの努力も空しく、しんのすけ、ジャミルに
げんこつを食らう。
「あらら~、大丈夫……?もう、しょうがないお兄さんねえ~……」
セーラーVがしんのすけを抱き上げ、いい子いい子する。
「……おお、おばさん、優しいね、有難うだゾ……」
「だーあーれーがあーー……!おばさんですってええーーー!?」
「わん?……セーラーVって、何だかやっぱりだれかににてるっ?」
で、でも……、ガルガルしちゃだめえーーっ!!」
「今はそんな場合じゃないようーーっ!」
此方も暴れ出したセーラーVを止めようとする、ワンダフルとミラクル。
しんのすけがいるだけで、もう、現場はしっちゃかめっちゃかに
なりそうである。
「早く、ケフカとか言う奴を倒さねえと……、アイツ、スゲー顔に
なってるし……」
「……中々動けないなよあ……」
「ま、また……、転がっちまった……」
「……フウ、葉巻が美味いな……」
バトルを中断されてしまい、戸惑うヒーロー衆、ジタン、ユリアン、又
足がもつれて転倒しているラグナ、スネーク、の4人。しんのすけの屁から
立ち直れず、アルカイザーはその場にひっくり返ったままである。
「……やああああっ!悪いピエロさんっ!もういい加減に観念なさいっ!」
「ミラクルっ!無茶しちゃ駄目だっ!危ないっ!!」
何とか話を動かそうと、真面目なミラクルが率先してケフカに
キックで立ち向かって行く。無茶をする彼女をユリアンが慌てて
止めようとするが……。
「……あっ!?」
「おひょ?パンツの柄……、くまさんがみえたじょーーっ!!」
「……きゃあああーっ!えっちーーっ!!」
「……えっちえっちえっちーーっ!」
「セクハラ反対よおーーっ!」
「掛ってこいーーっ!おりゃあああーーっ!あ、ぽいっとね!」
ケフカは余裕でミラクルの足を引っ掴むと、そのままブン回しほおり投げた。
「っ、ミラクルっ!!」
ジタンが飛ばされたミラクルを受け止めたのであった。
「ああっ!……ご、ごめんなさい、……ジタンさん、大丈夫でしたかっ!?」
「いやあ~、無事でよかったあ~、へ、へへへ……」
「あの野郎、ちゃっかりと……、許せねえ……」
「後でシメておくか……」
「意外と抜け目がないんだな、あの尻尾……」
異様にスケベな嫉妬心を燃やす、ジャミル、ユリアン、急に立ち直った、
アルカイザー(レッド)……、の、野郎3人。
「……カオスを越えて……終末が近づく……」
ケフカが急にブツブツと……、呟き始めた……。
「何だ?あいつ、急に真面目な顔になったけど、何言ってんだよ……」
「ああ、もうすぐ金曜日だもんな!」
「……その週末じゃねえよ!」
漫才を始める、ジャミル、ユリアン、ジタン……、の野郎3人……。
「……もうっ、いいかげんにしようよっ!このままじゃホントに
おはなしがすすまないようーーっ!!」
……叫ぶワンダフル。天然ボケでいつもは突っ込まれる事が多い彼女だが、
今日は逆に突っ込む方へと回っていた……。
「やれやれ、俺もそう思う、……こうなったら俺達が一致団結して
奴を倒すしかない!」
「はい、……ですね!スネークさんっ!!」
「……わたしもっ!がんばるワン!」
「あ、はいはーい!やってやるわヨっ!」
ミラクル、ワンダフル、セーラーVも。もう一度戦闘体制を立て直そうとする。
「あっ、レディ達っ、無理しちゃ駄目だっ、オレもっ!!」
(……何処までも、女の前だと異様に張り切るなあ~……、ジタンの奴……)
「ジャミル、俺達も行こうっ!さっさとケリを付けて皆を助けようっ!」
「くそっ、何が何でも……、このままではヒーローとしての
メンツが立たないっ……!」
「はいはい、……何時になったら終わるんだよっ、たくっ!」
「……だあああーーっ!!」
「う、うべええーーっ!!」
……が、後ろから急に走って来、転がった何者かに、ラリアットを食らい、
ジャミル達も巻き添えを食らって一緒に揃って転倒する……。
「……ま~た、転び屋のおっさんかよ……、んとに何回転がったら
気が済むっ!……」
「あの、大丈夫ですか……?」
ラグナにより邪魔が入り、再び突っ込もうとしたプリキュア達、
ヒロインズは足を止めてしまう。
「いててて、皆、……俺を置いていくなよ~、……あたた……」
最後まで来て、まーた、バトルは困難な方向に動いて行く……。
ファイナルバトル・3
「こらっ!重いんだよっ!早くっ!この腕をどかせっ!」
ジャミル達の上に転がって来たラグナがFF4のカイナッツォ状態に
覆い被さっており、動けなくなってしまっているのである。
「んな事言ったってさあ~、足が攣って、立てねえんだよ……」
「……困ったおっさんだなあ、本当にっ!」
「く、……何とか、何とかしないとっ……!これでは、本当に
ヒーローとして……おいのヒーローとしてのメンツが立たんばいっ!
ああああっ!!」
混乱しているのか、何故か急に鹿児島弁になってしまったアルカイザー。
「……動けない……、頼むから早くどいてくれよ……、意外と重いんだな、
ラグナって……」
「あのさ、さっきから、ジタンも……、俺の事おっさんて
言ってるけどさあ、俺まだ事実上、20代後半なんだよね……」
「どうでもいいっ!!ええーいっ、腕をどかせっつってんだよっ!!」
潰されているのは、主にアホの方の男連中であるが、もうてんや
わんやである……。
「大丈夫ですかっ!い、今、お手伝いします!」
「わたしもおてつだいするっ!」
「いいのよう~、ミラクル、ワンダフル、ほっとけば自力で何とかするわよ、
男なんだから自分で立ち上がらないとよ!ホラ、が~んばっ!」
「うるせーー!……お前、この話じゃ一体誰が主役か分かってんだろうなっ!」
「え?それは勿論、愛と正義の美人戦士・セーラーVちゃんでーすっ!」
「……そうかい、ふ~ん、俺、オメーの正体も何となく察したわ……、
美奈……」
「きゃ、きゃー!さあ、み、みんなでジャミルサン達を助ける
お手伝いしましょーかっ!」
セーラーVはプリキュア達と共に、ラグナに潰されたジャミ公達
救出作戦に加わる。しかし、感の鋭いジャミ公にはもうセーラーVの
正体は完全にバレてしまった模様。
「やっぱり俺が本気モードにならないと戦いは終わらねえな……、
けどなあ……」
スネーク、てんやわんやの若手の騒動を、冷静に、……クールに……、
見つめながら只管葉巻を吸っている……。
「……ククク~、馬鹿共が……、お前らこれで本当に終わりに
してやるじょ……」
「ああっ、やべっ!おっさん、……いい加減にしてくれよっ!!」
「あーっ!ジャミるんまで!俺の事おっさん呼ばわりかい……、
くうーっ、情けねえなあ……」
「何だっ!そのかびるんるんみたいな言い方はよっ!」
「俺はねえ、皆とフレンドリーになりたいからっ、親しみを込めて
あだ名を付けてるんだよ!」
「んなモンどうでもえーわいっ!」
「…フレンドリー……、そうだ!フレンドリータクト!ヘルプ・キラリン
アニマルっ!キラリンベアー!」
ワンダフル、フレンドリータクトを出すと、キラリンアニマルの
ベアーの力を借りる。……途端に彼女の両手に熊の力が宿り、巨大な
グローブをはめた姿になる……。
「みんな、いまたすけるよっ!……よいしょーーっ!」
キラリンベアーのお助け能力は、プリキュアの力を何倍にも
強くしてくれる。ワンダフルはラグナを軽々掴むと、思い切り
遠くへとぶん投げる。潰されているジャミル達をラグナから
助けようとしていたミラクルとセーラーV、危険を察知し、
その場から逃走。ふっ飛ばされたラグナはケフカにぶつかり、
勢いが止まらないまま、何処かへ飛んで行き流れ星の様に姿が消えた。
「おおおおおーーっ!?」
「な、何だか本当に凄いなあ、こんなのって本当にあるんだなあ……」
只管見物しているしんのすけと谷口……。一番平和かもしれなかった。
「……おい、わんこ嬢ちゃん、お前随分無茶するな、幾ら何でも
あれはちと、……酷くねえかい?」
葉巻吸い吸い、スネークがワンダフルを横目で見る。が、天然彼女に
全く悪気なく、お口をにゅ?状態。
「……怖い、怖すぎるわ……、奥さん、あたくし……、20年間
生きてきて……、こ、こんなの初めてでございますの、きゃあ、
……どうしましょったらどうしましょ!」
「知らないザマス……、ワ、ワワワ、ワタクシ、マンションの住人では
ございませんから……!ヲホホホ!」
「次はきっと、次は私達がぶん投げられる番ですわアーーっ!」
……脅えて固まり……、ガクブルしながら何故か奥様モードになる、
ジャミル、アルカイザー(レッド)、ユリアンの男3人……。
「なにおはなししてるのっ!♪じゃあ、みんなもなげてあげるーーっ!!」
「おーいっ!オメー、顔が……、笑いながら言うなーーっ!」
「ちょっとッ!遊んでる場合じゃないっしょ、アンタラっ!」
「そうだよっ、セーラーVに言われちゃったらお終いだよっ!」
「……(重ね重ね)ちょっとッ!ミラクル、アンタ今何か言ったでしょっ!」
「……よくも、よくも、よくもーーっ!この天才的頭脳のぼくちんに
コブを作ってくれたなあーっ!!成敗いたすーーっ!!……もう絶対に
絶対に……ゆるさアアアアアーんっ!!」
……待って……
「あ……?」
「何、この声……、何処から……」
ジャミルとケフカ達の前に……、ふっと金髪ポニーテールの
少女が現れる……。
「だ、誰だい、あれ?空中に浮かんでるけど……」
「み、見ろよ、ユリアン、中々可愛い子だなあーっ!」
「また始まった、お前いい加減にしろよ、ダガーに言いつけるぞ……」
「……お前か、何しに来た……?こんな処まで……」
ケフカが怪訝そうに自分の目の前に現れた金髪の少女を見た……。
「此処は、あなたのいる場所じゃない、……あなたと決着をつけるのは
私なの……、もう、この場所から出るのよ、早く……、これ以上……、
他の場所に君臨する事は許さない……」
「何処までも……邪魔をするか……、小娘……」
少女とケフカが暫く睨み合ったまま沈黙が流れる……。
「……この世に……人間が存在する限り……破壊と絶望は無限大だ……、
永遠に消える事は無いのだ……」
「それでも……、私は信じる、人の愛を……、例えそれが……
いつかの……遠い未来でも……」
「……よかろう、決着をつけてやる、来い……」
「何か分かんねえけど……、あそこだけ異様に又違う空間に、
真面目モードになってんな……」
「俺達……、入り込めないな……、どうしよう……」
……突然起きた不思議な事態をジャミルとユリアンは唯、
ぼーっと見つめ、ジタンは大興奮。
金髪の少女は……、ジャミル達の方を一瞬だけ向くと微笑みを返した。
そして、ケフカと共にそのまま姿を消す……。
……もう、大丈夫……
「……あ、あれ……?俺ら、元の場所に戻ってる……、此処、
マンションだよな……?」
ジャミルが辺りを見回すと、ユリアンも確認し始めた。
「本当だ、いつもの風景だ、俺達戻って来たんだなあ……、ケフカも
姿が見当たらないけど……」
「そんなのどうでもいいけど、あのポニーテールのレディも
いなくなっちまったよ……」
「……オマエなあ~……、ったく、何処まで女の事考えてんだよ……」
「うるせーよジャミ公!ふーんだ!オレの生きがいなのっ!」
「あら?あたしもポニーテールなんだけどっ!」
エレンを筆頭に、シノン組と少年も姿を現し、ユリアンの側に駆け寄る。
「皆っ!……無事で良かった!!」
「うん、……そうなんだけどさ……、オレが言ってるのは……、
がれきの塔でぼんやりと見た、清楚な方のレディ……、あ……」
と、ジタンがぽつりと呟くと……。
「……ダガーっ、出番よーっ!久々に仕置できるわよーっ!」
エレンがダガーを呼ぶと、ダガーが静かに姿を現す。
「呼びましたかしら、エレンっ!?」
「ああ、ダガーっ!!……無事で良かったーっ!オレはやっぱり
君が一番だよ、……良かった……」
ダガーに飛びつき、彼女の心からの無事を確認し、ジタンが
ぎゅっと抱擁した。
「ジタンたら……、もう……、調子いいんだから……、ふふ……」
ジタンの言葉に赤面すると、ダガーはジタンの頭にお仕置き
しようとした猫の手ラケットをそっと下に降ろすのだった。
集えヒーロー・おしまい。
「「……ミラクルっ!」」
「モフーっ!」
「マジカル、フェリーチェっ!モフルンっ!!……ぐす、
無事で良かった……」
「もうー、ミラクルったら、すぐ又泣くんだから……、ほんっと、
泣き虫ねえ~……」
「何よー、……マジカルだって泣いてるじゃない……」
「……又……、会えて、嬉しいです……、ミラクル、マジカル……、
モフルン……」
魔法ガールズ達も再会を心から喜び合い、抱擁を始めた……。
「…心配ばっかりかけてっ!しょうがないんだからっ!ワンダフルはっ!」
「……本当よ……」
「でも、こうやって又、みんなと会えて……、本当に良かった……、
兎山君もほらほら、フレンディ、捕まえなくちゃ♡しっかりとね!」
「ちょ、ま、また……、リリアンは……、大福も又、何だよその顔!」
「……」
この顔は生まれつき、最初からだと言う様に、大福は静かに目を瞑るのだった。
「心配かけてるのはフレンディ達だって同じだよっ!……みんなが……、
ひっく、たおれちゃって……、わたし、わたし……」
「本当に皆無事で良かった、ワンダフル……、ひっく……、頑張ってくれて
有り難う……」
「本当にあんまり心配させないで頂戴、こっちはいつもヒヤヒヤ
してるんだから……」
「ニャミーもしんぱいしてくれてたんだね、リリアンもありがとう!
うれしいワンっ!」
「!べ、別に……、だから心配なんかしてないわ……、してないわよ……」
(ふふ、ニャミーったら、素直じゃないんだから……、ぐすっ……)
わんぷり組も再会を喜び、抱き合って大号泣である……。
「いいなあ、やっぱり女の子同士の友情ってさ……」
「そうね、ジタン、でもあなたは混ざっちゃ駄目よ……」
「はい……」
「かあちゃーん、オラもお腹すいたゾ……」
「はいはい、しんちゃんも、ボーちゃんも、ひまもシロも……、
よく頑張ったわね、偉かったね……」
みさえも久しぶりに安心して心から子供達を強く抱きしめた。
「俺の足も戻ったみてえだ、どうにか……」
「……!!」
……みさえが一瞬躊躇するが、いつもの旦那の姿を確認すると、
涙を流し、ひろしに飛び付く。
「へ、へへへ……、まいったな、こりゃ……」
「いや~ん、おトシをとっても、父ちゃんと母ちゃんたら……、
心はいつまでもわかいんだから!らぶらぶ~ん!」
「……しんのすけっ……!!」
「……谷口さあ~ん、うう、無事で……、無事で……、良かったっスよ~」
此方は此方で、代表者の丸井がオーバーリアクションで泣き出す……。
「丸井、大げさだなあ、泣かないでくれよ……」
「だってー、うう、ううう~……」
「プッ、……本当、オーバーなお方やなあ……」
「……何だとっ、近藤おーっ!!てめえに俺の気持ちが分るかーーっ!
この野郎ーーっ!」
「はあ……」
「だ、誰か……、起こして、気づいて……」
「……フウ」
ラグナがまたすっ転がっているのに誰も気づかず。唯一眺めていた
スネークはまた葉巻を取り出し静かに一服した。
「あーあ、いいわね、みんな其々、強い絆で結ばれたお仲間さんがいて、
……いいのよ、あたしはたった一人で戦う孤独な戦士、セーラーV、
それでいいの……」
「V……、いや、美奈子、いずれ君にも力を併せて共に戦う仲間が
きっと出来る筈だよ……」
「アルテミス……」
セーラーVの方を向いてアルテミスが静かに笑みを浮かべた。
「そうかしらね……、でも、今の処、パートナーはアルテミス、
アンタがいればいいわ、充分よ、……ちょっとうるさ過ぎるかも
だけどネッ!」
「……最後のは余計だよ!」
「……皆さま、それぞれの再会のご挨拶ですか……、うーん、
お熱いですなあ~……」
さり気無く、しんのすけ口調を真似てみるジャミ公。
「ジャミル、……無事で本当に良かった……」
アイシャが近づいて来て、ジャミルの顔をそっと見つめる。
「へへ、アイシャ……、お前も、本当に……」
「ジャミル……、うん……」
「……」
と、2人がお互いを見つめ合った処に……。
「こらっ!……ジャミルっ!アンタ、んなとこでぼーっとしてないでっ!
ビールでも買ってきなっ!あたし達も戻って来たんだからっ!
今日はお祝いだよっ!」
「そうだぞっ、ツマミもねえぞっ!」
唐突に邪魔が入るのである……。
「ちょ、出やがったなっ!妖怪オババーラと、加齢臭クサケツ
臭親父めっ!!ケツふけっ、この野郎っ!!」
「ほ~お、ジャミ公、……折角の無事の再会だってのに、ちょっと来い、
ケツ引っ叩いてやらっ!」
「……そうだよ、ホーク、尻が腫れるまで叩いてやんなっ!」
「よせーーっ!やめろーーっ!この糞ケツ親父ーーっ!!」
「もう~、皆して……、しょうがないんだから……」
……折角の良いムードを邪魔されてしまい、ちょっとがっかり
してみるアイシャ。
「……キャプテンが……、どうも申し訳ありませんです、ぎゃ……」
「……ふっ、本当に何も変わらない……、馬鹿な連中だ……」
「もう、……グレイったら……」
ブラウとシルベンを抱きしめながらクローディアが微笑んだ。
「……坊や、覚えてるね、約束……、明日から修行時間2倍だかんな……」
「分ってるよ、シフ……」
「……はあ、やーっとこれでオイラも部屋で休めるよおお~、
長かったなああ~……」
「……」
再会と久々の平穏を喜び合い、じゃれ合うマンションの住人を
ヒューズ達がじっと眺めていた。
「……今回の事は、すぐに俺らの本部に戻って事を確認した方が
よさそうだな……」
「そうね、……奴らがミスを犯してこの島に来たとか……、
とんでもない事よ……」
「すぐに本部に帰還しましょう!」
「みゅっ!」
「……だな、すぐに戻るぞ!」
「……ボ……」
喋らない為、あまり存在感の無いサイレンスが一足先にマンションの
外に出て行った……。
……それから数日後……、IRPO本部からの今回の発端と
なった事件の細かい事情を説明しにレッドが代表で再び
マンションを訪れる。ジャミル達のこの島での日常も、格好も
いつも通りすっかり元に戻っていた。
「で、お前らが追ってるブラッククロスが……、制圧する島を
間違えて、今回この島に来たのは分ったよ、馬鹿だな……、
あの糞ピエロ……、っと、……別の糞ピエロが出てくると困るな……」
「あのケフカだけど、最近はとち狂って、常に色んな場所に出現し、
……ありとあらゆる悪事を方々で働いているらしいんだ、其処を
ブラッククロスにスカウトされて……、幹部になったみたいなんだ……、
暇つぶしに……」
「……暇つぶし……、か、馬鹿だな……」
「馬鹿だろ……」
「……」
ジャミルとレッドは顔を見合わせた……。
「でも、ケフカを追ってる、俺達ががれきの塔で見た、あの女の子に
見つかったみたいだし……、もうブラッククロスとは関わらないんじゃ
ないかな……」
「そうか、あいつの追手みたいだったな、……不思議な感じの
子だったな……、そっちはそっちで任せときゃいいんじゃね?」
「ああ、今回の件はもうこれで終わったよ……」
(何か、俺……、今回はあまりヒーローとして活躍出来なかったなあ……、
まあ、話がギャグ寄りだから仕方ないか、……次こそは……)
「はあ、……色んな奴がいるよな、本当に……」
「ねえねえっ!レッド、もう帰っちゃうのっ!?」
ジャミルの後ろからアイシャがひょっこり顔を出した。
「うん、他の皆は一足先に本部に戻ったしな、俺もそろそろ戻るよ……」
「つまんなーい!折角お友達になれたのにーっ!そうだっ、レッドも
此処に住めばいいよっ!」
「お~い……」
「アイシャ、気持ちは嬉しいけど……、俺はこれからも
ヒューズ達と一緒にブラッククロスを追うよ、……戦いが
終わるまでは休憩は許されない、本当に気持ちは有難いけど……」
「そっか……、そうだよね……、軽々しく言ってごめんね……」
アイシャが申し訳なさそうにレッドの顔を覗う……。
「いや……、でも、ブラッククロスを倒したら……、その時は又、
遊びに来るよ……、此処に住んでもいいかもな……」
「ほんとっ?約束だよっ、レッド!」
「ああ……」
「まあ、元気でやれよ、……親父さんも……、見つかるといいな……」
「へへっ、有難う、ジャミル、アイシャもっ!元気でやれよ!じゃあなっ!」
「……」
まるで、大昔の青春ドラマの主人公の様なシチュエーションの様に、
夕日の彼方に走って消えて行くレッドをジャミルとアイシャは
見送るのだった……。
それから、更に数日後……。
「はあ?記憶がないんだと……?」
「うん、……困ったよねえ、玄関先で何かずっと唸ってて……、
帰らないみたいだよお……」
「で、俺に又、行けってかよ……」
「だよねえ、何せジャミルは、此処のマンションの担当責任者
なんだからさ~……」
いつもの如く、ダウドがジャミルの顔を見てニヤニヤ笑った。
「分ったよっ!……あーっ、もうーっ!!折角落ち着いたと思ったら
これだかんな!」
すっかり、いつもの日常へと戻り、ジャミルはまた厄介事に
駆り出されるのであった。
「……今回は何だっ!?」
「はー、ジャミルーっ!あのバンダナのお兄さん、記憶喪失なんだって、
可哀想……」
「何とかしてあげられないかしら……」
「困ったねえ……」
はーちゃん、リコ、みらいも……、すっかりいつもの日常通りの
楽しい毎日をマンションで過ごしている。 ジャミルが見ると、
青バンダナを巻いた青年が共用玄関先でしゃがみ込んで唸っていた。
「おい、お前……」
「此処につい、ふらっと入って来てしまったけど……、似ているんだ……、
彼女達は……」
「はあ……?」
「……似ているーーっ!……俺が……守るーーっ!!」
「きゃああーーっ!?」
「はーーっ!?」
……ドカコスバキ……!!ゲスゲスゲス……!!
「……」
魔法ガールズ達に飛びつこうとしたバンダナの青年を、
後から来た金髪ブロンドの女性が制した……。
「……やっと見つけた……、どうも御免なさい、彼は自称
トレジャーハンターなの、この間船で海に出て、宝を探しに
遭難したまま、この島に流れついたみたいで……、消息をずっと
探していたの……」
「記憶喪失みたいなんだけど……」
「だから困っていたの……、彼、誰構わず、時々、女の子俺が
守る病になるので……」
「また、……訳分かんねえ奴だなあ…、此処にも手癖の
わりィのがいたのか……」
「ふふ、私の知り合いにはまだいるわ、じゃあ……、てへ、
ごめんちゃーい!失礼致しました!」
「……守るーーっ!!」
「ああーーっ!うるせーんだ、オメーはよっ!!」
……げしっ……!!
「……」
どうやら、青バンダナは、又金髪の女性に蹴り飛ばされた
様であった……。
「……まだいるって……、はあ、……世の中にはまだまだ、
俺の知らねえ色んな奴がいるんだなあ……」
今回の件は無事終わったが……、世の中にはまだまだ自分の
知らない変人が数多く存在しているのだと言う事を、改めて
ジャミルは知るのであった。……取りあえず、又この島は
暫くはのんびりとした毎日に戻りそうである。
zokuダチ。セッション18