横たわる空白

空白が横たわっている
黙りながら
黙るという行為のいやらしさを仄めかしながら

どんな形容詞を探そうが
空白は空白だ
それ以上でも以下でもなく
その事実に俺は苦しまざるを得ない

物語を剥ぎ取られた生を
耐え忍んで生きていると
染みのような空白が広がり、やがて
すべてを見失う

(失うことと見失うこと
どちらが残酷?)

探しているうちに
何を探しているのかさえ忘れて
自身が空白そのものと化す恐怖に怯えながら
こうして意味のない詩を書きつけている虚しさ

喪に(から)めとられることへの相反する感情

横たわる空白

横たわる空白

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-22

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