横たわる空白
空白が横たわっている
黙りながら
黙るという行為のいやらしさを仄めかしながら
どんな形容詞を探そうが
空白は空白だ
それ以上でも以下でもなく
その事実に俺は苦しまざるを得ない
物語を剥ぎ取られた生を
耐え忍んで生きていると
染みのような空白が広がり、やがて
すべてを見失う
(失うことと見失うこと
どちらが残酷?)
探しているうちに
何を探しているのかさえ忘れて
自身が空白そのものと化す恐怖に怯えながら
こうして意味のない詩を書きつけている虚しさ
喪に搦めとられることへの相反する感情
横たわる空白