記憶の沈黙

ない記憶に苦しめられたまま

夜が明ける

夜と同様に

朝は何も意味しない

まやかしの光

俺は動じない

救いを説く

そんな言葉遊び、子供騙しに

俺は興じない

俺を愉しませるものは何だったか

思いだせない、ない記憶が邪魔で

思いだせないなら

その程度の思い入れと断ずる輩の

首を()ねたいよ

生かさず殺さずのまま在るだけの

化物たちに乾杯

その程度の光では目眩(めくらま)しにもならないし

宴にも使えない

記憶の沈黙

記憶の沈黙

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-16

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