zokuダチ。セッション14

エピ 51・52・53・54

ジャミ公の暴走幼稚園体験記・1

朝、ジャミルが目を覚ますと、異様に身体に違和感があり、
何故か背丈が縮み、小さくなっていた。

「???何で、俺……、子供みたいになってんだけど……、
はあ……?……ああっ、此処も、ち、縮んでるっ……」

鏡で確認してみると、完全に姿が子供になっていた。

「何で……?」

「ジャミルー、早く支度しなよー、……バスのお迎え来ちゃうよおー?」

「ダウドっ!何でオメーまで、子供になってんだよ!」

「何でって言われても、仕方ないでしょ、子供なんだもんさ……」

「……と、言う事は……」

「ジャミルーっ!支度できたのー!?」

「……やっぱり……」

同じく、幼稚園児と化したアイシャがちょこちょこジャミルの
部屋に入って来た。

「アルはね、今、支度して来るよ、ちょっと今朝は大変だったみたいなの、
おねしょしちゃってねえ、シフに怒られてたみたいなの!」

「!!!お、おね……、ププ、ププププ!」

(多分、これは夢だな、……夢でもいいや、夢なら面白いから、
暫らくこのままでいいや……)

「じゃあ、お外で待ってるねー!」

ダウドとアイシャは率先してマンションの外に出て行き、早くから
バスを待つ様であった。

「……よいしょ、背が小さいから、ドアを開けんのも大変だなあ……」

廊下に出ると……、お馴染みの若い面々も……、ほぼ幼児化
していたのであった。

「お姉ちゃん、……幼稚園……行きたくないよ…」

「何言ってんのよ、ちゃんとしなさいよ、もうっ!ほらほらほらっ!
メソメソしないのっ!」

(カーソン姉妹も幼児化……ね……)

「ようちえんっ、今日もわくわくモンだぁーっ!!」

「はーっ!!」

「モフーっ!!」

「みらいっ、はーちゃんっ!モフルンっ!廊下走ったら危ないん
だからねっ!!こら、待ちなさーいっ!!転がるでしょっ!!」

(あのメンツは……、普段とあまり変わらない様な気がすんなあ……)

「こむぎもよーちえん、いろはといっしょ!」

「うん、おそろいのおぼうしだねっ!」

「……いろはちゃん、可愛い……、こむぎちゃんも……」

「二人とも……、ハッスルし過ぎないのよ、全く……」

(……幼稚園児の格好の犬飼さんも、可愛い……)

「……」

「な、何だよ大福……」

「ホラ、お弁当よ……、忘れないでね」

「ありがとー、ユキちゃん!」

「くっきーは?はいってる!?はいってる!?」

「……入ってないわよ……」

わんぷり組のやりとりをずっと見ていたジャミ公。どうやら、
幼児化したのはいろはとこむぎのパートナーコンビだけであり、
まゆユキコンビははお子ちゃま化した二人を優しく見守るお姉さん、
な、感じである。こむぎは更に脳内が幼児化してしまった模様。
……して、顔を赤らめ、小さないろはをぼけっと眺めている悟を
じっと見つめる大福……。

「ユキおねえさん、まゆちゃん、おはようだゾ!……おふたりとも、
今日も眩しいお顔ですなあ~、……ん~、お胸もまぶしいい~!オラ、
そのお胸にとびこみたい~ん!」

「もう~、しんちゃんたら……、くすっ」

「ハア、相変わらずしょうがないコねえ……」

しんのすけは相変わらず、嵐を呼ぶ幼稚園児、……そのままであった……。

「……」

「……ボ、ジャミル、くん……、なに、してる、の……」

「うわっと!?きゅ、急に出てくんなよっ!心臓にわりィなっ!!」

「ボ……」

「ねえねえ、レディ達、オレと一緒にさ、砂遊びしない?ねえねえねえっ!」

「おすなあそび!?こむぎもやるやるー!」

「ワクワクもんだぁ~!」

「……ジタンっ!!いい加減になさいっ!!」

このコンビも幼児化で、ナンパでお子ちゃまわんぷり組とまほプリ組を
追い掛け回すジタンの後を更にダガーが追い掛けている。

「……」

ジャミルが腕を組んで暫く人間観察をしている処へ……、グレイが通り掛かる。

「……ふっ、……プッ」

「て、てめえ……」

幼児化をしていないグレイはまるでジャミルをあざ笑うかのように
通り過ぎて行くのであった。

(これは夢だ、……夢なんだ、目が覚めるまでの間……、せめて状況を
楽しまないとな……)

「さあ、みんなー、バスのお迎え来ますよー、お外出ましょうねー!
さあさあさあ!」

ひまわりを抱いたみさえが率先して、幼児化した住人を外へと追いやる。

……ちなみに幼児化したらしきメンバーは、ジャミル、アイシャ、ダウド、
アルベルト、トーマス以外のシノン組、いろは&こむぎのわんぷり組、
まほプリ組、ジタン&ダガーであった。

「……野球バカ組は見当たらないな、ま、いいけどさ……」

「皆さん、お早うございますー!」

「うわ……!ヤクザっ!?」

「この人、園長先生だゾ、ジャミルくん……」

同じ幼稚園児になっているので、しんのすけも今回はジャミルに
大してお友達口調である。

「……そうなのか、ハア、俺、知らねえからよ、……ま、どうせ
今回の話だけだしな……」

「ははは、皆さん、元気が良いですねえ、いい事です!今朝は皆さんの
担任の先生が……、まだお見えにならないので、今日のお迎えは
園長だけですー!」

「……」

どう見ても、組員関係者の者にしか見えない園長をジャミルが
物珍しげに眺めていた。

(けど、担任がバスに乗らねってなんなん?やる気あんのか……)

「しんちゃーん、ボーちゃん、おはよう!」

「おはよう!しんのすけ!ボーちゃん!」

「えへへ、おはよう!」

「おおー!ネネちゃーん、風間くーん、マサオくーん、
みんな、おはようだゾー!!」

「……ボ、お、は、よ、う……」

お馴染みのかすかべ防衛隊もこれで全員揃い、今回は姿を拝む事が
出来そうである。

「ねえねえ、私達もマルディアス防衛隊作ろうよっ!」

「……ハア?……作らんでええわいっ、んなモン……」

「ぶうーっだ!」

アイシャが口を尖らせた。

「さあー、皆さん、バスに乗りましょう、出発しますよー!」

……こうしてジャミルは初めて幼稚園バスという物に乗車する事になった。

「おい、アルっ!」

「な、何……?」

ジャミルが後ろの席に座っているアルベルトを構い始めた。

「お前、今朝洩らしたんだって?……お・ね・し・ょ!」

「……な、なっ!うるさいなあーっ!!」

「ジャミルったら、よしなさいよっ、もうっ!」

「……オラ、うんち洩らしたゾ……、しかもちゃんと拭かなかったから……、
まだ少しおパンツにくっついてるんだゾ……」

「……うわっ!どうも何か臭うと思ったらっ!てめっ、ケツぐらい
ちゃんと拭いてこいっ!!」

「ぬへへ~、ぬへ~……」

しんのすけ、余計に喜び、尻を出しジャミルを挑発する。

(はあ、子供でも疲れんなあ~、……どうせ疲れんなら早く元に
戻った方がいいわ、これじゃタバコも吸えねえし……、早く夢から
覚めてくれよな……、くそっ……)


「……けけけ、けけっ!これは夢ではないのりゅ~、つまんねーから
zoku勇者の方から特別出張してやったりゅ!久々のベビーサタン、
リトル様参上りゅ、けーっけっけっけ!お前らはリトル様の掛けた
魔法が切れるまで暫くはガキンチョのままなのりゅ!んじゃ、
あばよー!いい夢みろよー!りゅ、……けーっけっけっけ!」

……どうやらこの幼児化の原因は別世界から暇つぶしに
出張して来たらしい、小悪魔の悪戯であった。そうとは知らない
ジャミルはこれは夢だと完全に思い込み、全く気が付かない。

そして、バスも幼稚園に到着し、園児達の一日のお勤めが始まる。
……ちなみに、組は皆、しんのすけの組、ひまわり組に全員
押し込まれた様である。

「みなさーん、お早うございますー!みなさんの担任の愛野美奈子
先生でーすっ!」

「……補佐のアルテミス……、です……、とほほ~、何でこんな事に
なってんの……」

やっと顔を出した担任が朝のご挨拶をするが、何と先生は美奈子であった。
園児達は皆騒いでおり、誰一人として見向きもせず。

(……あー、つまんねえ、此処、吸える場所あるかな……、黙って吸っても
わかんねーだろ……)

ジャミ公……、どうしようもない不良園児。

「ちょっと、みなさんっ、先生が挨拶してんのヨっ!みんなもちゃんと
ご挨拶ですよ!ほらほらほらーーっ!」

「……おばさん、うるさいゾ……」

「……だーれがおばさんだってのよーーッ!……えええーーっ!?」

「美奈ーーっ!落ち着けーーっ!」

園児に相手にして貰えず、おまけにしんのすけにおばさん扱いで
美奈子はブチ切れ。……早くも大騒ぎになりつつあった。

「美奈子先生……、落ち着きましょう、こ、子供の言う事ですから、
……此処は穏便に……」

組長先生が汗をふきふき、美奈子を必死で宥める。

「……もう~っ!こうなったら、色気ムンムンのこの美奈子ちゃんの
バツグンのお色気スタイルっ!とくと見やがれってのよーーっ!」

「……美奈子先生ーーっ!」

「美奈あああーーっ!!」

ヤケクソ暴走美奈子、いきなり服を脱ぎだす。そして白ビキニスタイルに……。
……それを鼻血噴射で直視で見ている変な園児が二人……。

〔げんこつ〕

〔げんこつ〕

「……目、覚めた?……ユリアン、ふんっ!!このバカ緑ドスケベっ!!」

「……いっつ~……、覚めたどころじゃないぞお~、……エレンっー!!」

「決まるとスカッとするのですね……、ラケットもいいけど、
今度からコレも是非活用させて頂こうかしら……」

「……ダガーさん、本当にお強くなりましたね、……オレはうれし……、
ガクッ……」

「……」

「何だよ、アイシャ……」

「別にっ!」

アイシャもジャミルの様子が気になった様で、ジャミルの方をちらちら
窺っていた様である。組長……、もとい、園長とアルテミスに注意され、
美奈子はしぶしぶ、又衣服を羽織った。

「じゃあ、今日は好きなお友達の顔を描いてね、自由に描いてねーっ!」

……いよいよ、ジャミルの幼稚園での長い一日が始まったのであった。


ジャミ公の暴走幼稚園体験記・2

取りあえず、ジャミルはダウドの顔を描く事にしたが。

「……」

ジャミルの絵が気になったのか、時折ダウドが絵を覗き込む仕草をする。

「み、見るなよ、何だよ……」

「あっ!オイラ、そんなに鼻の穴でかくないよっ!それに目が垂れすぎ!
失礼じゃないかあ!描き直してよおお!ジャミル、絵、へたっぴ!!」

「うるせー奴だなあ、……見るなって言ってんのに!あんまり大声出すなよ、
他の奴が見に来るじゃんか……、て、オメーこそ、その絵は何だっつーの!
……何でっ、タバコ10本も銜えて彼方此方から煙出してんだよっ!!」
耳にもタバコ刺してんじゃねーか!俺は蒸気機関車かっつーの!!」

「ありのままを描きました……、絵はね、大胆なイメージと想像力が
大事なんだよ……、オイラはね、かの有名な画家、〇カ〇さんを
目指そうと思って……」

「うるせー馬鹿っ!今すぐ描き直せーーっ!!」

「はあ、うるさいんだから、もうっ、あの二人は……」

アイシャはアルベルトの顔を描いている様で、大きなため息をついた。

「アイシャ、ちょっといい?あの、……絵が見えちゃったんで……」

「え?あはは、み、見えちゃった?何か恥ずかしいなあ……」

「……僕、何だかお金に埋もれて窒息してるみたいなんだけど、
その絵……、違う……?」

「……」

……行っている事は、ジャミダウコンビとあまり大佐無いのであった。

「こむぎのおかお、かけたー!」

「……それ、いし……?」

「やだなあ~、これはこむぎのおかおだよーっ!」

「きゃわああ~んっ!?」

「いし……、ボオ!!」

こちらのコンビはほのぼのムード。いろははこの頃から芸術的センス有らず。
……そして、此方は。

「ちょっとジタンっ!あなたは一体何を描いているのかしら!?」

「ああっ!……つ、つい、何でかなあ~……?」

お子ちゃま状態、精神になっていてもやっぱりジタンはジタン。
うっかり、ヌード姿のダガーを描いてしまった。

「ああ~、暇だわあ~、……どっかにいい人転がっていないモンかしら……、
あらっ、やだわん!さあ、時間よー!描いた絵は先生に提出してねえー!」

「……美奈……」

アルテミスがまた呆れる中、それぞれの毒アートは美奈子が回収していった。

そして、園児達のお遊び時間……。

「えへへ、へへ……」

「な、何……?」

風間がアルベルトの顔をじっと見た。

「何だか、君とは気が合いそうな気がするよ……、うん……」

「ハア……、そうかな……」

「ね、ねえ……、君、確か……、ダウ君?お、おともだちに、な、なろうよ、
えへえへ……」

マサオ君も顔を赤くしてダウドの方へやって来る。

「うん、いいけど……」

「ほんとっ!やったー!」

「えーっと、君も……、アイちゃんなんだ?僕、風間トオルです、
よろしく!」

「えへっ、マサオだよ!」

「うふふ、こちらこそ、宜しくね」

「……おーおー、皆さん、モテモテです事……」

ジャングルジムの上で、サル山のボス猿……、ではなく、ジャミルが
あぐらを掻いた。

「……」

「ん?俺の顔に何かついてる……?あ、ポッケに飴あった、食う?
……賞味期限切れてるかな、べとべとだわ……」

ジャミルを見つめる長髪の女の子が一人、……此方のあいちゃんである。

「……ああ、あいの新たな殿方様の予感……、賞味期限切れの
ベタベタの飴をよこすなんて、……何て肝っ玉の座ったお方……、
い、いけないわ!あいには、しん様!しん様がいるのよっ!
で、でも……、燃え上がる禁断の不倫の恋、……よ、良いかも
知れないですわ……、あいを巡り、2人の殿方様が……、ああっ……」

「……あ、あいちゃ~んっ!」

「ケッ、動揺してんじゃねえよ、糞ボウズ……!」

……ふたば幼稚園の女ボス、ネネ降臨である。

(ジャミルったら、もう!わ、私には別に関係ないわよっ……!)

「んと、ねえねえ、あなたも確かアイちゃんだったわよね、ねーねー、
ネネと今日は女同士の、リアルおままごとしなーい?」

「うん、いいけど……」

「うれしいっ、じゃあいきましょーっ!」

(……け、けけっ!ざまあみ!)

「あ、ああ~……」

ネネちゃんは慌てる男子を尻目に、アイシャを組の中へと連れて行った。

「ぼ、僕もいくっ!」

「ぼくもっ!」

「ぼ、く、も、い、く……」

ネネの後を追う、風間、マサオ、ボーの3人。

「やれやれ、ですなあ~、……オラもいこうーっと!」

「あっ、しん様!……お待ちになって!」

「ジャミル、アイシャ行っちゃったよ……」

(……これは夢なんだかんな、5歳児に誰が嫉妬するかっての、けど、やけに
長い夢だなあ、……もう目が覚めてもいい頃なんだけどなあ……)

「……さてと、俺も便所……」

と、口では言いつつ、何故か、ジャミルはネネちゃん達のひまわり組の方へ、
フラフラと。

「気になるんだよね、やっぱり……」

「うん、馬鹿だよね、いじっぱり……」

と、ダウドとアルベルト。


「……」

「お前ら、何やってんの?中、入らねえの?」

「お、女の子達が……、おままごとジャックしちゃったんだよ……」

「今日は男子禁制の……、リアルおままごとだからって、……中に入れて
貰えなくて僕たちも追い出されたんだよ……」

「……ボ、おんなのこ、たち、……あつまると、こわ、い……」

ジャミルが中を覗くと……、ネネを筆頭に、ひまわりぐみの女児、
あい、カーソン姉妹、まほプリ組、いろは、こむぎ、ダガー、
アイシャ……、と、内容は分らないが、修羅場の激しいリアルバトル
おままごとを繰り広げている様子。

「……うわ、何か近寄らない方がよさそうだ……」

得体の知れない何かを感じてジャミルが恐縮する。

「でも、これじゃ……、ぼくたち、組にはいれないよ~……」

「マサオ君、心配する事ないゾ、んじゃ、オラたちもばっくれよう!
おねいさんでも一発ひっかけにいきますかあ~、ぬへえ~……」

「……おお、いいねえ!それっ!」

ダガーが中に居るのをいい事に、しんのすけの意見にジタンが賛同した。

「はあ、本当にやれやれだなあ……、全くもう……」

「……って、口では言ってるけどだな、下半身さりげなく起動
させてんじゃねえよ、緑バカ!」

「っ、……反応しちゃうんだよ、仕方ないだろ……」

顔を赤らめてユリアンがジャミルの方を見た。

「ジャミル、一応、先生に言った方がいいんじゃないの~?」

後から遅れて、ダウドとアルベルトがやってくる。

「はあーいっ!美奈子先生よーっ!おままごと、先生も乱入するわよっ!」

「……お、お~い~……、駄目だこりゃ……」

美奈子も……、リアルバトルおままごとに率先して突っ込んで行き、
現場は更に修羅場になりそうであった。

「美奈っ!子供達と一緒になって遊んでる場合じゃないだろっ!君はっ!」

「アルテミス、うっさいわね……、はいはい、遊んでる場合じゃ
なかったですねえ~、みなさん~、午後にこのふたば幼稚園へ
ゆるキャラさんが遊びに来てくれまーす!さあ、皆、中に入って
下さーい!……ち、着ぐるみよりいい男だってのよ……」

女児と一緒に暴走しようとしていた美奈子が男の子……、達を
中に招き入れる。

「はあ、よ、よかったああ~、おままごとジャック、おわったあ~……」

「……つまんないゾー!おねいさーん探しにいきたかったゾ!」

「……ボ……」

「あああ~、ホント、残念だったなあ~……」

男の子達はほっとした様に、安心して中に入って行く。

「……」

「ジャミル、どうしたの?早く中に入りなよお、……駄目だよ、逃げちゃ……!」

「分ってるよっ、バカダウドめ……、それにしても、又身体が何か
変なんだよなあ~?」

……小悪魔の掛けた魔法が、段々、解け掛かり始めているのであった。


ジャミ公の暴走幼稚園体験記・3

(くそっ、何か変だっ!……ま、またあそこが……、
急にデカくなってきた様な……、っ、あああっ!?)

「……ジャミルくう~ん、おまた押さえて何してんの~?もしかして……、
感じちゃってる?あっ、あああ~ん……、……ふう~っ……」

しんのすけがジャミルの耳に吐息を吹きかける……。

「うわ!止めろっ、……この馬鹿っ!!……おめーはどっかの
ホモ馬かっ!」

近づいてくる大きなしんのすけの顔を手で必死に押さえて止めるジャミ公。


……けけっ、けけけけ!けけけけ!あー、おもしれーりゅー!


「けけっ?……ああっ!」

ジャミルが何気なく笑い声のした方向を見ると、木の上に小悪魔が
いるのに気づく。

「……の、野郎っ!」

「あー?ジャミルくん、どこいくのおー?もうお弁当さんの時間だゾ……」

ジャミルは猛ダッシュで木の上によじ登り、小悪魔を追い詰める。

「て~め~え~……」

「りゅっ!バカ猿っ!ひさしぶり~ゅ……」

「……何が久しぶりだっ!……てめえ、ちょっと話がある……」

「きゃーっ!暴力反対りゅー!チンピラ糞猿が可愛いリトルを
いじめりゅの~!!」

「……騒ぐなよ、いいか、大人しくしてろよ……、でないと……」

小悪魔に向けてジャミルが拳を振り上げた。

「わ、分ったりゅよっ!……相変わらず糞猿りゅね~……」

「ハア……、これはやっぱりお前の仕業か、夢じゃなかったのか、なんつー……」

「もうすぐ掛けた魔法もきれりゅ、問題ないりゅ……、じゃっ!」

「ちょっと待てっつんだよ、今、此処で元に戻ったら……、大騒ぎに
なるだろうがよ……」

ジャミルは逃走しようとする小悪魔をしっかりと捕まえる……。

「じゃあ、どうすりゃいいのりゅ?」

「……せめて、俺らがマンションに戻るまでの間、もう一回
魔法掛けとけ……」

「仕方ねえりゅ、分ったりゅ……」

小悪魔はもう一度、しぶしぶと、魔法の切れ掛け始めた皆に向かい、
再度魔法を掛ける。

「……お、おわっ!?」

「ありゃ、オメーのは幼児化失敗したりゅ、でもいいりゅ、
……代りに何故か、でかくて偉そうな、ち〇こになったりゅ……」

「……こんな……一部分だけでかくされても困るんだっつーの……!!
はーやーく、子供にもどせええええっ!!」

ジャミルは小悪魔にガジガジ噛み付くのであった。

「我儘な奴りゅ~、他にいい処がねえから、せめてポ故陳だけでも
立派に偉そうにしてやろうと思ったこのリトル様の親切が分からない
のかりゅ……」

「うるせーこの野郎っ!!大きなお世話だっ!!」

ジャミルが暴れ出したので、小悪魔は仕方なく、ジャミルにも、
もう一度魔法を掛けた。

「はあ、やっと縮んだ……、あそこも縮んだ……、これじゃまるで
『zoku立ちコレクション』……、だよな……」

「んじゃ、リトルはかえりゅ!後はシラーねりゅよい!」

「……自分でやった癖に何が知らねーだ、糞小悪魔め、
……けど、原因が分かって安心したわ……」


組にやっとこさ戻ると、皆もう先に戻ってお昼タイムであった。
園児達にとっては一日のうちで一番楽しい時間帯である。

「何処行ってたの~?駄目よ、お昼はちゃあ~んと、
皆で、いただきます、しないとよ?」

「はいはい……」

珍しく真面な先生らしく美奈子が注意する。ジャミルは少し
戸惑うのであった。

「あ、どっちみち、俺、昼飯持って来てねえから……」

(この間に……、外でヤニを吸う、完璧……)

「そうなの~?でも、駄目よ、ちゃんと食べないとお腹すいちゃうわよ!」

「じゃあ、ネネの唐揚げ分けてあげるー!」

「オラのピーマンもあげるゾー!」

「に、ん、じ、ん、どうぞ……、あ、まくて、おいし、い、よ……」

「僕の、タマネギも良かったら……」

「や、焼きナスなんだけど……、えへ、食べる……?」

「ふふ、よかったわねー、凄いお弁当になったわね!」

「……何か、残飯処理させられてる様な気分……」

……園児から……、嫌いな物、好意で分けてくれたおかずとで、
残飯処理弁当が出来上がったのであった。

「はあ……」

「何処行ってたの?それにしても、すごいお弁当だねえ……」

「ほっとけよ……」

同じグループの、ダウド、アイシャ、アルベルトはすでに席に着き、
先にお弁当を食べ始めている。

「ま、いいや、せっかくだから頂くかね……」

好意に甘えて、ジャミルも分けて貰ったおかずを食べ始めた。

「ねえ、午後からゆるキャラさん来るのよね?何か楽しみだなあー!」

「アイシャ……、分かってんのか?ただの着ぐるみだろ……、
チャック開いたら中にはむさいおっさんが入ってんだぞ……」

「何よっ!、ぜーったい、一緒にお写真取ってもらうんだからっ!
ゆるキャラさんはゆるキャラさんよ!何言ってんのよ!……中からなんか
誰も出てこないわよ!ジャミルのバカっ!」

「そうかい、良かったな……」

「オイラも楽しみだよーっ!」

「……僕も、握手して貰えるかなあ……、えへへ……」

どうやら、ジャミルは幼児化していても、中身は本来のままだが、
一部、 頭の中まで完全にポンコツ幼児化してしまっているメンバーが
二部、 いるのであった。特に、此処の席のメンツはその傾向が強い様で……。


「……ハア、ヤニ吸いてえ、限界だよ……」

傍から見ると、ジャミルはタバコ中毒の危険なヤバイ幼児である……。

「そろそろ、ゆるキャラさんが到着する時間ね、みんな、拍手でお迎えして
あげて頂戴ね!」

「はあーいっ!」

美奈子先生のお言葉に園児達、元気にお返事。

(……着ぐるみより、タバコだっつーの……)

(……着ぐるみより、カッコイイイケメンのアイドル歌手よ……)

それぞれに、心の中は好き勝手放題なジャミ公と美奈子……。

ところが、時刻は13時を回ったが、ゆるキャラは一向に到着する
気配を見せず。楽しみに待っているお子ちゃま達はそわそわしだす。

「来ないわね、ま、来れないなら来れないで別にいいけど……」

「……美奈っ!」

「ぶう~……」

「美奈子先生ーっ!」

不貞腐れる美奈子。其処へ組長……、園長が慌ててひまわり組に
駈け込んで来る。園長は美奈子にこそっと耳打ちで話を伝える。

「あらそうなの、残念ねえ~……」

「先生、なんかあったの?」

しんのすけが聞くと、美奈子は園児達にちゃんと事情を話し始めた。

「あのね、本日、幼稚園に来てくれる筈だったゆるキャラさんは、
高速道路で車が渋滞してて、今日は間に合わなくなっちゃったみたいなの……」

「えーっ!ひどいよーっ!」

既にどうでもいいジャミルを除き、他の園児達はブーイングを足れ始める。

(……色々と事情があるんだよ、これだからガキは……、たくよ……)

ジャミルがちらっと見ると、ダウド、アイシャ、アルベルトまで……、
抗議中である……。

(もう完全に精神的にガキになってんな、写メ撮りたいぐらいだ……、
後であいつらに見せてやりてえ……、ぷっ)

……園児達のブーイングが止まない中、又、組をこっそり覗く者が一人、
……小悪魔である……。

「けけっ、何やらお取込み中みたいりゅね……、ふんふん、来る筈だった
着ぐるみが来ないので抗議中なのりゅ、けけっ、よーし、リトル様に
任せろりゅ……!」

「♪ふんふんふふーん、らんらんる~」

と、其処に……、意味もなく都合よく、園の門の前をターゲットが通り掛かる。

「よしっ、あのアフロピエロがいいりゅ!……けっけけーっ!!」

「はーちゃん、つまんないよーっ!楽しみにしてたのにーっ!」

「……がっかりだねえ、でも仕方ないよ……」

「二人とも、駄目な物は駄目なんだから……、落ち込んでも
仕方ないでしょ……」

肩を落とすはーちゃんとみらいに、子供なっていても何処かやっぱり
お姉さんなリコ。

「いろは、ゆるきゃらさんにあいたかったよう~……」

「こむぎもーーっ!」

「らんらんるー!来たよーっ!!どうもー、ゆるキャラでーす!!」

「あら?……間に合ったのかしら、はあーいっ!」

美奈子が教室の戸を開けると……、立っていたのは……。

「……ぎゃーーーーああああーーっ!!」

「あっは!ゆるキャラの怒鳴ルドくんだよっ!悪い子はいねがー!?
ちなみに、秋田出身だよ!!」

……鎌を持ったなまはげ状態、下半身あそこ丸出しのアフロピエロが
立っていたのであった……。

突然目の前に、ぬっと現れたあそこに美奈子は泡を吹いて気絶し、
一部の園児達はパニックになって泣き叫ぶ……。


ジャミ公の暴走幼稚園体験記・4

「いやあああーっ!こわああーいっ!!」

「ぬほほー!悪い子はいねがー!悪い子はいねがー!」

……遂に怒鳴ルド、園児達を追い掛け回し大暴走……。

「お姉ちゃん、怖いよ……」

サラが震えながら姉のエレンにぎゅっとしがみ付いた。
普段はもう姉には頼りたくないとは言っているが、小さな子供に
戻ってしまっている手前、エレンを慕う素直な心にも還っていた。

「大丈夫よ、サラ、あんたはあたしが守るんだからっ!!
この化け物っ!!変態ーーっ!!」

「るーっ?」

エレンは怒鳴ルドの股間を蹴りあげ動揺させると、両足を引っ掴み、
お得意のジャイアントスイングでブン回し始めた。

「どっか飛んでっちゃいなさーいっ!ええーいっ!!」

「……あーれえええーっ!!るーっ!!」

怒鳴ルドは、近くにあった本棚に思い切りぶつけられ、落ちてきた
本の下敷きになって埋もれてしまう。

「すごおおーい……」

園児達は顔を赤くし、エレンを尊敬の眼差しで皆見つめている……。

「ふんっ!大した事ないわっ!!」

エレンは手をパンパン叩き、腕組みをして怒鳴ルドを睨んだ。

「おーっ!エレンっ!かっこいいぞおーっ!!」

ユリアンもエレンに大声援を送る。

「はっはーっ!……怒鳴ルドはね、こんな事ぐらいじゃまいらないのさ、
はっはーっ!!がおーーっ!!」

本の山の中からすぐに怒鳴ルドが復活し、野生の雄叫びを上げた……。

「……スゴイゾ、オ、オラたちもエレンちゃんに負けていられないゾ!
かすかべ防衛隊、出動っ!!」

「おお(ボ)ーーっ!!

「うわああん、いやだよ~、こわいよ~……!!」

「糞ボウズ!おめーも戦うんだよっ!!」

しんのすけの号令で、かすかべ防衛隊も怒鳴ルドに突っ込んでいく。
ネネに無理矢理引っ張られたマサオ……。

「よーし、ぼくたちも戦おう!ふたば幼稚園の平和を守るんだっ!!」

他の園児達も次々と加勢し、怒鳴ルドに突っ込んで行った。

「スゲエな、糞ガキ連合……、ま、俺が出る幕でもなさそうだ……、
それにしても、いっつも化け物の役回りだな、あのピエロ、
容姿が容姿だからな、仕方ねーのかもな……」

「けけっ、けけけけ……、あ……」

「……」

窓を覗き込み、笑っていた小悪魔と……ジャミルの目線があった……。

「そうかい、まーたおめえの仕業かよっ!!」

「りゅっ!!やべーりゅ!!また糞ザルに見つかったりゅっ!!」

ジャミルは再び外に飛び出して行き、小悪魔を追い掛けるが
小悪魔は余裕で空を飛んで逃げて行ってしまった。

「けけっけー!いい眺めだったりゅー!!今日は本当にこれでかえりゅー!!
バカ猿、あばよおーーりゅー!!」

「……逃げられたか、……畜生……、今度会った時はただじゃおかねえぞ、
ったく!」

ジャミルが苛々している処に、園児達に殴られ、ボコボコにされた
ピエロがふらふらとひまわり組から出て来た。どうやら魔法は解除
されたらしく騒動も収まった様であったが……。しかし、事実上、今回は
彼も被害者であり、無実なのであるが……。

「……ドナルドはね、こんなところで何をしていたのか、さっぱり
分からないんだよ、ねえ、君は知ってる?知ってたら教えてくれる?」

「俺が知るかっ!……てか、アンタ、元に戻ってもあんまり
変わんねえなあ……」

「……不思議だなあ、まあ、いいやっ!あは、あははははっ!」

「……」

ジャミルは、不気味に笑いながら、何処へと消えて行くピエロの
背中を黙って見送ったのであった。

「そういや、俺ら一応、同じマンションなんだよな、けど……、
あんまりマンションで姿見掛けたの見た事ねえんだよなあ、
どういう訳なんだか……」


やがて、漸く慌しい一日が終わり、ジャミル達は再び幼稚園バスへと乗り、
無事、マンションへと帰路に着いたのであった。

「母ちゃん、おかえりー!」

「……ボ」

「……ただいまでしょ、しんちゃん!まったくっ!ほら、ボーちゃんも、
部屋に入りなさいっ、さあ着替えて!」

「ほほーい!」

外で待っていたみさえに連れられ、しんのすけとボーちゃんが
2階に上り、ジャミルも急いで自分の部屋に入った。
……と、途端に急激に身体が元に戻り始める。

「……戻った、背もいつも通りだ、……ははっ、はあ~……」

ジャミルは安心した様にいつも通りにタバコを取り出し一服し、休憩。

「てか、服も元踊りだ、園服も、もう身に着けてない、糞小悪魔の
魔法だったとはいえ、何かおかしなモンだなあ……、気分がどうも
すっきりしねえ……」

何となく、ダウドが気になって、ダウドの部屋に試しに入ってみる。

「よお……」

「あ、ジャミル、……何……?」

「あのさ、今日の、その……、幼稚園の事だけど……」

「は?幼稚園がどうかしたの?……しんちゃん達が通ってる幼稚園の事?
……何か事件でもあったの?」

「お前、もしかして、何も覚えてねえの……?幼稚園、通っただろ?
一日だけ……」

「ジャミル、何言ってんの?オイラ馬鹿にしてんの?何でオイラが
幼稚園なんか通うのさ……」

「あう……」

どうやら、元に戻った途端、記憶が一瞬で吹っ飛んだらしい。
どういう訳かジャミルは全部記憶があるのだが……。

「と、言う事は……」

「……な~んか、あたしさあ、今日、一日、何処かでおかしな事してた様な
気がすんのよ、何なのかしら~?記憶ブッ飛んでるし……」

「……美奈はいつでも何処でもおかしいし、変じゃないか……」

「何よっ!アルテミスっ!」

美奈子もいつも通り、中学生モード。彼女もアルテミスも本日の記憶がないらしい。

「何か今日、私達、学校お休みしちゃったみたいだねえー、てか、その間、
全然覚えてないよう~、どうなってるの~?」

「でも、何だかとってもたのしかったようなきがするよ!こむぎは
いろはといっしょならいつでもたのしいワン!」

「私もだよ~、今日は一体何してたんだろう……」

「……モフ~?」

「ほんっと、不思議ね……、こ、こんな事、計算外よ!」

「あははー!私もすっごく、と~っても楽しかった様な感じはするよー!」

「この調子だと……、他の連中も全然記憶にないだろうな、恐らく……、
ま、それはそれでいいか……」

やはり、聞いてみると、アイシャもアルベルトも……、今日の事を
全く覚えてはおらずジャミルに対して不思議そうな表情をしたのであった。

「おー!ジャミルのお兄さん、今日も一日、お元気ー?」

「……何言ってんだ、もう日も暮れるわ……、それよりも……」

「お?」

ジャミルが屈み込んでしんのすけの顔をじっと見つめた。

「いや~ん、そんなに見つめられたら……、オラ、てれちゃうぞお~……」

「お前らはお前らで、大変なんだな……、おりゃ、幼稚園っつーモンは
ただ遊ぶだけで一日、あっと言う間に終わるモンだと思ってたけどよ……」

「何か今日は嫌に真剣ですな……、オラたちはオラたちで、
結構いそがしいんだゾ……、子供は子供なりに、それなりに
ドラマがあるのよ……」

「だな……」

「お……」

……今回は何だか変な兄弟の様な……、二人であった……。


そして、今週も日曜日が始まる……。


「こーんにちわーっ!」

日曜日、しんのすけの新しい住居祝いに、かすかべ防衛隊と
あいがマンションへと遊びにやって来たのであった。

「おおーっ、風間くーん、ネネちゃーん、マサオくーん、あいちゃんも、
いらっさいだゾー!何もないマンションですが、ささ、どうぞ、ごゆくり!」

「ボ、みんな、いらっ、しゃ、い……、ませ……」

「お邪魔しまーす!!」

「……よく言うわ、たく……、よお、お前ら、元気か……?」

ジンジャーエールを飲みながら、丁度部屋からのそのそと
出てきたジャミルと、防衛隊がすれ違った。

「……」

「はあ、これから6月になる処だってのに……、このムシ暑……、?」

「あの、……お兄さん、今日、初めまして……、ですよね……?
僕ら何処かでお会いした事がありましたっけ……?」

「!か、風間……っと、やべ!」

「えっ?やっぱり、知ってるんですか?どうして……?」

どうやら、防衛隊の方も、昨日の事は全く記憶にない様で、
初対面の筈のジャミルを不思議がる……。

「なーんか、ネネ、お兄さんと会った事ある気がするのよねえ~、
どうしてかしら……」

「えへへへ……、何か、ふしぎだねえ~……」

「……い、いや、んな事ないぞっ、俺はお前らなんか全然知らねーぞ、
これっぽっちも……、今初めて顔合わせたんだろうがよっ……!!」

「いいえ、……そんな事ないですわ……!」

「……う、うわ!」

あいちゃんがジャミルに顔を近づけ……。

「これは、前世からのきっと、巡り合いですわ……、そうよ、あい達、
時を超えて、今日、巡り合う運命だったのですわ……!だって、あい、
お兄さんの事、何だかずっと昔から知っている様な気がするのですもの!!」

「……あ、あいちゃあ~ん……」

「ケッ、……勝手にやっとれ、この尻軽女めがあ!!」

「ひ、ひえええええ~っ!!」

……ジャミル、暑さと恐怖で冷や汗ダラダラである……。

「ほおほお~、何だか分りませんが、凄い恋ですなあ~……」

「……はっ、しん様っ!!だ、駄目っ、……私には、しん様、
しん様があああーーっ、で、でも……、この恋は……、この恋は……」

「本当に、何だか分かんねえ、じゃっ……!」

「……ああっ、お、お待ちになってえーっ!私の前世の愛しい方っ!!」

早足で逃走しようとするジャミルをあいちゃんが追い掛ける。

「オラも一緒に逃げる、ねえ、何処行くのー?」

「……オメーのダチだろうがっ!!ついてくんなっ、ちゃんと
相手しろってのっ!!」

「しん様っ、しん様っー!!あいは、あいは、一体どちらの殿方を
お婿さんに選んだらいいのかしらっ!!」

「勝手に選んどけっ!!こんのボォケ女めがああっ!!」

「……あいちゃんっ、まってええええっ!!」

「ぼ、僕だってっ、……マサオ君、抜け駆けは許さないぞっ!!」

「……ボオオオオ~!!」



……色んな人間同士が複雑に絡み合い、今日もこのマンションは平和です……。

zokuダチ。セッション14

zokuダチ。セッション14

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える 変な住人 カオスな世界 ドラクエ

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-15

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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