『長雨』

余りに長い夜には
君の顔も見えはしない


『長雨』


ポツリと零したその言葉を
忘れたくなくて噛み締める
愛されていたね
確かにあの時は

これは過去の話じゃない
だけど今の話でもない
煌めくような恋は
いつか間の抜けた日常に負けた

深く誰かを想うということは
どんな嵐にも負けないことだと
信じていられたアタシはもう
既に君の前には居ない

同じベッドに寝ていても
その距離はどんどん遠くなり
ぴったりとくっついて眠った日は
遠い遠いおとぎ話みたい

惰性を甘受して生きていくわ
君よりはずっとずる賢いから
ルーティンを変えたくない頑固さに
安堵して縋って目を閉じる

もし旅立つ日が来たならば
その時は嘘でも寂しいと言ってね
アタシはすっかり騙された顔で
ごめんねって泣いてみせるから



「みんなその時が来れば大女優よ」

『長雨』

『長雨』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-08

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