STAND ALONE



君から滴る色を採り、
私の思いを滲ませる。
素直に応じた、その現象
破れた詩集が風に舞う。





ぱらぱら、と
聴こえて止まない敗北。
火にくべられる
薪のように割れた言葉から、
立ち上がる姿



人を模したような形。
なのに
誰にも似ないで、微笑う。
これは何だろう
そう、慄けばいいのか。



それとも
不自由な小指を使い、
誰も知らない音として
書けば、歌えばいいのか。
付箋紙のように舞い



ただの一行として。
きみやわたしや、
誰かの心に引っ掛かる
存在と謎。
分からない声、ゆらめき。



膝から抜ける力。
近付くばかりの地面。
きみもわたしも、
その不揃いな魂を賭けてる。
意図も予想も超えて





包まれる。
私たちという気持ち良さ。
鼻で交わす挨拶。
心にもない、お互いの言葉。
昼の日なかで笑い合う



大きな声で泣くように。
着ていた服も
手の届かない場所に
置いたから。
もう一度、背中合わせ。




なぞり合う。
好きで覚えたその言葉。
絡ませる、
小指の引っ掛かり。
それ以上の約束はないから。



だから
籠の中。飛んでいく。風の道、
見逃して。



体感とその音を。

STAND ALONE

STAND ALONE

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-04

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