STAND ALONE
一
君から滴る色を採り、
私の思いを滲ませる。
素直に応じた、その現象
破れた詩集が風に舞う。
二
ぱらぱら、と
聴こえて止まない敗北。
火にくべられる
薪のように割れた言葉から、
立ち上がる姿
人を模したような形。
なのに
誰にも似ないで、微笑う。
これは何だろう
そう、慄けばいいのか。
それとも
不自由な小指を使い、
誰も知らない音として
書けば、歌えばいいのか。
付箋紙のように舞い
ただの一行として。
きみやわたしや、
誰かの心に引っ掛かる
存在と謎。
分からない声、ゆらめき。
膝から抜ける力。
近付くばかりの地面。
きみもわたしも、
その不揃いな魂を賭けてる。
意図も予想も超えて
三
包まれる。
私たちという気持ち良さ。
鼻で交わす挨拶。
心にもない、お互いの言葉。
昼の日なかで笑い合う
大きな声で泣くように。
着ていた服も
手の届かない場所に
置いたから。
もう一度、背中合わせ。
なぞり合う。
好きで覚えたその言葉。
絡ませる、
小指の引っ掛かり。
それ以上の約束はないから。
だから
籠の中。飛んでいく。風の道、
見逃して。
体感とその音を。
STAND ALONE