『梅雨』

嫌な季節だなんて
本当は嘘だよ


『梅雨』


雨が降ると君は部屋に閉じこもる
アタシは君の横顔を眺めながら一息

頬にかかる髪が愛しい
キーボードを打つ指が愛しい
不意にアタシの名を呼ぶ声が愛しい

もっと降ればいい
もっともっと降って
アタシと君をここに繋ぎ止めて
アタシに君を専有させて

我が儘な季節だと君が言う
そうでしょう
だってアタシが望む季節なのだから
とても我が儘で自分勝手な季節
だけどそれを可愛いと言って

どうせ君さえそう言ってくれれば
アタシは満足なんだから
そんな程度で満足できちゃうんだから



「今だけでもアタシだけの人」

『梅雨』

『梅雨』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-07-01

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