zokuダチ。セッション8
今回は、FF8から、ラグナ、コードネームはセーラーVから、愛野美奈子が
新規住人として参戦します。
エピ 29・30・31・32
内証は苦手
「新しい子来たのっ!私にも紹介してよっ!」
あれから……。アイシャ帰宅後。何事も無かったかの様に本日の
ジャミルとアイシャのケンカはお終い。本人達も何で揉めていたのか
両者共忘れてしまった様でケロッとしていた。まあ、単純、毎日こんな
モンである。
「人数も増えてきたからよ、2階の部屋に案内したよ、けど、来たばっかで
彼女達も疲れてるだろうから、今日はあんまり押し掛けるなよ?」
「分かってるわよう、でも、もし廊下ですれ違ったらご挨拶しても
いいでしょ?」
「それぐらいならな、いいんじゃね?ハア……」
「うふふ、新しいお友達楽しみーっ!じゃあ、私お部屋に戻るね!」
「オウ、又な……」
ジャミ公はアイシャを見送った後、ライターを取出し、タバコで一服……。
そして、部屋が静かになった途端、落ち着いたのか誰も居なくなった
部屋で屁を放いて独り言を呟く……。
「……ふう、今年も又猛暑かな……」
「あれ?随分廊下が賑やか……、あっ!」
「でね、でねー!わんっ!いろはったら、いろはったらねえ!」
「……こむぎ、だから、ワンって言っちゃダメだったらっ!」
「あははー!♪はー!こむぎも面白いねえ!」
「ホント、何だか子犬みたいな変わったコだわ……、口癖なのかしら……」
「うんうん、このマンションも又新しい友達が増えてワクワクもんだぁ!」
「♪モフー!ワクワクたくさんモフー!」
開放廊下で騒いでいる女の子達。まほプリ組と、今日越して来た
いろはとこむぎのコンビである。こむぎもすっかりもう、目は
覚めている様で……。女の子同士皆、直ぐに仲良くなったのか、
楽しくお喋りを交わしていた。
「……あれれ?で、でも……、モフルンて……」
「熊ちゃんだよねえ!あはは、モフルンはみらいのパートナー!こむぎと
いろはとおんなじだぁ!何だかモフルンてキラリンベアーみたいだねえ!」
「……こむぎっ!」
「モフ?」
「え、え~っとおおお、モフルンて、モフルンて……、ぬ、ぬいぐるみ……、
だよねえ~……」
はしゃぐこむぎ。そしていろはは錯乱、又目を回し始める……。
どう見ても、モフルンは普通の子グマでは無い。普通に皆の前で
堂々と喋って……、動いている……。
「モフルン、ぬいぐるみだけど、いっぱいいっぱいみんなと
お喋り出来るモフー!モフっ!」
「……えええーーっ!?そ、そう言えば……」
いろは目を回したまま、その場にヘタレ込む……。思い出した事が有り、
此処に来る途中、大きな狼とモフルンよりも更に大きな大人の熊を連れて
イケメンポニテのお兄さんと一緒に外を散歩をしていた茶髪ロングの美人の
お姉さんを見掛けていた。そのお姉さんも平然と動物を連れてマンション内に
入って行った為、これから同じマンションに住む、いろは達と同じ……、
住人の人だと見受けられたが……。
「このマンションて……、考えると……、一体……、いったい……、
えうう~……」
「あはっ、みんな集まってるー!こんにちはー!」
「♪はー、アイシャだー!」
「「こんにちはー、アイシャさん!」」
「こんにちはモフー!」
其所へ、アイシャ登場。アイシャはすっかり馴染みになったみらい達、
まほプリメンバーと挨拶を交わす。いろはとこむぎは又又現れた新しい
顔にきょとんとしていたが、直ぐに我に返り、いろははアイシャに声を
掛けて挨拶しようとしたが、又こむぎの遠慮しないお喋り暴走が始まる。
「こんにちはー!ねえねえ、あなたもこのマンションのヒト?
わたしはこむぎー!で、こっちがこむぎととってもなかよしの女の子、
いろはだよー!よろしくねー!こむぎ達も今日からここにいっしょに
すむんだよー!こむぎね、こむぎね、いつもいろはとおさんぽしたり、
おやつをいっしょにたべたりしてるのっ!こむぎ、おやつはクッキーが
大好きなんだよっ!」
「……だからっ、こむぎっ!ど、どうもすみませんっ!!」
いろはは慌ててアイシャに頭を下げるが、アイシャは笑って、あはは、
いいの、いいのと手を振った。
「えっと、ジャミルから聞いてるわ、2人とも今日から新しく
入居したのよね、宜しくね、私はアイシャよ、遠慮せず気軽に仲良くして
くれると嬉しいわ!」
「ハア、此方こそっ!ど、どうも宜しくお願いしますっ!
私、犬飼いろはですっ!」
「わあい!アイシャっていうんだねっ!アイシャもこれから一緒に
たくさんたくさんあそぼーねっ、わんだふるー!」
「ええ、宜しくね!こむぎちゃん、いろはちゃん!」
アイシャは遠慮しないこむぎにも動じず、此処では新参者の自分達に
優しく明るく接してくれる。……いろははそんな彼女の心の大きさと広さ、
誠実さに心から安心感を覚えるのであった。その時、いろはのスマホから
連絡が入る。
「え~っと、……黒子さんから?直ぐに市役所に来て下さい?
な、何だろう……、じゃあ、こむぎ、いこっか?取りあえず黒子さんの
処へ……、じゃあ、皆、又後でね、アイシャさんも有り難うございます!」
「わんわん!」
「じゃあ、またね!ふふっ、いろはちゃんとこむぎちゃんかあ、私も2人と
これから仲良くなれそうで嬉しいな!」
「行ってらっしゃ~い、気を付けてね!」
「まったねー!」
「モフっ!」
「……大丈夫かしら、あの子達、まだこの島に来たばっかりだし、迷子に
ならないといいんだけど……、特にこむぎの方……、何だかはーちゃんを
見てるみたいで不安になって来たわ……、はあ……」
「……リコじゃないんだから、迷子は大丈夫だよ……、と、
思うけどなあ~……、いろはちゃん、しっかりしてそうだし……」
「何よ、みらいっ!」
アイシャ、まほプリメンバーに見送られ、いろはとこむぎは仲良く
手を繋いで市役所へと出掛けて行くのだった。そして、その夜……。
……こんこん
「へーい、どぞ、まだ鍵は空いてるよー?」
「こんばんわっ!あの、いろはですっ!こんな夜分にどうもすみませんっ!」
「ああ、今開けるよ……」
夜、ジャミ公の部屋のドアをノックする音。ジャミ公はのそのそ立ち上がり、
部屋のドアを開けてやると、立っていたのは、いろは……、には、変わり
なかったのだが、彼女は子犬を抱いていた……。
「あの、本当にご免なさい、少し管理人さんにお話したい事がありまして……」
「???あれ、犬……?飼ってたって、事前連絡くれたっけ?別に飼っても
構わねえんだけど、やっぱり、特殊事情……、(……主にクローディアの連れ)
以外、普通の犬ペット系は犬小屋で基本的に外で世話をして欲しんだけど……」
「はうっ!え、えーっと、その事なんですけど、おおおおっ!?」
「いやワン!いやワン!こむぎ、いつもいろはと一緒にいるんだワン!
いつでもいろはと一緒じゃなくちゃいやなのーーっ!!」
何と。いろはに抱かれていた、子犬のこむぎ……。いきなり人間の少女の
姿に変身する……。その容姿は、彼女達が此処に来た時に一緒にいた、
あの女の子の姿であった……。
「……あの~?何だい、これ……?なんかのパフォ……?」
「……すみませんっ、すみませんっ、重ね重ねっ!あの、ある事情で……、
こむぎは人間の女の子に変身する事が出来るんです、私、私……、
どうしても、内緒と嘘をつくのが苦手で……、黒子さんに……、
管理人さんになら、相談事や秘密を打ち明けても大丈夫ですと、
それで……その……」
「そうか、ま、そう言う事ならいいや、自由にして構わないよ、呉々も
他の連中に迷惑掛けたりしなければ……、いいよ……、此処の住人も
変わってるから、大丈夫さ……、トカゲ人間が連れの奴もいるしな……」
「えっ……、ええーっ!?ほ、本当にそれだけでいいんですかっ!?」
いろはに笑って手を振るジャミ公……。黒子から話は聞いていたものの。
話を聞いた途端、彼も動じず、ただ一言、話は済んでしまった。あれ程、
こむぎの秘密を一体どうしようかと悩んでいた彼女は……。安心して、又
その場に座りこんでしまった。
「はあ、とにかく、こむぎ、良かったね、此処では犬でもいいし、
自由に人間になってもいいんだよ……」
「わんわん!良かったー!ジャミル、ありがとね、わん!」
「……こむぎっ!あ、あははー!では、そう言う事でっ!明日から、
又私達を宜しくお願いしますっ!」
「♪わんわん!」
「オウ、んじゃな、もう寝ろよ、嬉しいからって夜更かしすんなよ、又な……」
「お休みなさーい、ジャミルさんっ!」
いろはとこむぎは嬉しそうにジャミルに挨拶すると自分達の部屋に
戻って行く。いろはの表情も、今朝よりも大分吹っ切れて来た様な
感じがして来た様に見受けられた。
「……そうか、どうりで……、彼女、本当に犬だったのか、しかし、本当に
色んな奴が来るなあ、このマンション……」
天然お元気おバカちゃん少女、来る。
それから更に数日後。元気なこむぎはマンションでドタバタ……。
子犬に戻ったり、ヒト体型になって走り回ったり……。……興奮して、
少しお漏らしをしてしまったり……。この間は廊下に置いてあった花瓶を
壊した。相方のいろははいつも気が気でない。いずれもっと変な住人の数が
増えてくれば、又色々と対処しなければならないのである。
「ま、大丈夫さ、こんないつ崩れるか分かんねえ屁糞マンション、
……これ以上もう人が来ねえっての、安心さ……」
と、ジャミルが呟きながらベッドでうとうと、2度寝仕掛けた、その時……。
「ジャミル、お客さんよっ、来たよっ!」
「……うげええ~……」
アイシャが部屋に迎えに来る。ジャミルは本能的に咄嗟に毛布を頭から被った。
が、直ぐにアイシャによって強引に毛布を剥ぎ取られ、追剥ぎに……。
「もうっ!何してるのっ!ほらーーっ!」
「勘弁してくださあ~い……」
折角、眠り掛けた頃、また客がきたらしく、ジャミルはアイシャに
エントランスまで引きずられていく……。その様子を隣の部屋に住む、
友人のダウドは自部屋のドアの隙間からじっと見ていた。
「……がんばってねえ~、うう、いつもいつもご苦労様です~……、
オイラは知ったこっちゃありませんので、今からカップスター
味噌味食べます」
「今度は誰だよ……、たまにはもっと落ち着いた奴がいいんだけど……」
「自分の事棚に上げて何言ってるのよ、大丈夫、……今度も可愛い女の子よ、
白いネコさんを連れた……」
「はう……?」
と、聞いて、絶望状態だったジャミルの顔が一瞬明るくなった。
「あ、何よその顔!スケベっ!もうっ!それじゃジタンと同じじゃないっ!」
「バ……、バカ!俺をあいつと一緒にすんなっての!」
「……ジーターン……?朝から抜き足差し足で何処へ行こうとしていたの?
またこそこそ、女の子達をお誘いしようとしていたのかしら……?」
「い、いや……、彼女達も、か弱い女の子、レディだし……、ホラ、
何かと護衛も玉には必要だろ?」
「大丈夫よ……、ちゃ~んと、エレンさんや、バーバラさん達も
いるんだから……、ね?うふふふ……、こほん……、あなたは一体誰の
護衛で此処へ来たのかしらっ!?」
「にぎゃああーーーーーー!!」
「……」
そう言っている傍から、朝からジタンとダガーの修羅場を見てしまった
二人であった。ジャミルとアイシャは無言になり、エントランスまで
歩いて行く。今度、玄関にいたのは。
「こんにちはー!」
「おう……」
アイシャの言う通り、額に三日月マークのある白いネコを連れ、
セーラー服を着て頭に赤いリボンを着けた女の子。
「はじめまして!あたし、愛野美奈子!中学一年生です!
あっ、こっちの変なオスネコはアルテミスって言います!」
(……変なネコは余計なんだよ……)「にゃ~お……」
何だか不貞腐れた様に、白いネコ、アルテミスが一声鳴いた。
「俺はジャミルだよ、ま、一応、此処のマンションの管理人さ……」
「私はアイシャ!宜しくね!うふふ、アルテミスも宜しくね!」
「にゃ~お……」
アルテミスがアイシャにすり寄って来た。
「わあ、ジャミルさんて、学生さんなのに、もう管理人さんを
していらっしゃるんですねっ!」
「……へ?あ、あの、俺、一応これでも成人者なんだけど……、20歳だよ、
いつもの事だけどさ……」
「はい?……う、うっそ!」
美奈子はそう言いながら、ジャミルに近寄って行き、……ジャミルの顔を
じろじろ見た。
「……マジ?」
「美奈っ!……え、えと、にゃ~お!」
「あ、あらっ、やだ、アタシったら!やあ~だあ!あーはははは!
ですよねえー!んなワケないですよねえー!」
「……」
ジャミルとアイシャは、頭掻き掻き大口を開けて高笑いする美奈子を
呆然と見つめていた。どうやらこの彼女も、外見だけ見れば立派な
美少女だが、かなり癖のある予感しかしなかったからである。
「おい、アイシャ……、部屋、彼女も2階がいいな、女の子達、
集まってるから……」
「うん……、じゃあ、美奈子ちゃん、2階のお部屋に行きましょ?」
「はあーいっ!んじゃ、管理人さん、またあとでーっ!」
「……」
美奈子とアルテミスはアイシャに連れられて、2階へと歩いて行く。
「そっか、あの人、あたしより年上なんだ……、で、でも、何か、
あれはパス……、あたしの好みじゃないわ、……それになんか、
全身からアホとおバカ、加えて思いっきりおドジのオーラが漂ってる……」
「……み、美奈……!君はっ……、人の事言え……、にゃーーおっ!」
「あの、美奈子ちゃん……?」
「あ?はい……?えっ?い、いえ、何でもないですよ!あーはははは!
あーはははは!」
「……びえーーーえええっ、くしっ!!」
美奈子を不思議そうに見つめるアイシャ。その後ろで、ジャミルが
思い切り大きなくしゃみをした……。そして、美奈子がやって来た
その翌日の日曜日の早朝に早速騒動は起きるのである。
「じゃあーんっ!美奈子のイケメン捕獲大作戦!決行よっ!
ぜーったあいにっ!此処でいい男をゲットしちゃうんだからっ!」
「……美奈っ!いい加減にしろっ!君は本当に正義の戦士、セーラーVとしての
自覚があるのかっ!」
「アルテミスっ、うっさいっ!……他の部屋のコが起きちゃうでしょっ!
いいのよっ、この島に来たからには、ゆっくり寛がないとっ!何せ、
黒子さんに変身ペンもみんな没収されてんだからね!この島は平和だから、
そんな物必要ないんだってさ!だからあたしだってちょっとぐらい、此処に
いる間はハメ外したっていいのっ!」
「羽目はいつも外してるだろっ!」
「……う、うっさいって言ってるでしょっ!」
「わん?おしゃべりネコさんだあー!こむぎのおともだちにも、おしゃべりが
できるまっしろなネコさんがいるんだよ、ユキっていうの!」
「……ニャーーーッ!?」
「あ、あら?」
いつの間にか、子犬モードのこむぎ登場……。
「よかったわねえー!アルテミスっ!普通に喋るワンちゃんも
いるんだから、アンタも此処で自由にして口聞いても大丈夫みたいよ!
んじゃ、こむぎちゃん、悪いけど、アルテミスと一緒に遊んであげて
くれるかしらー?」
「わーい!いっしょにあそぼー」
「ちょ、ちょちょちょちょ!……美奈ーー!こらーーー!!」
美奈子は口に手を当て、黒い笑みを浮かべると、こむぎにアルテミスを預け、
そのまま逃走した……。
「あー、良かった!もう此処って何でも自由よね!アルテミスったら
うるさいんだもん!よーしっ!待っててねー!あたしのイケメン王子様達ーー!!」
……そして。
「……」
「グレイ、お出掛けするの?気を付けてね……」
「ああ、……しかし、何だか恐ろしい視線を感じる……」
エントランス付近でしゃがみ込み、じーっとグレイとクローディアを
見つめている変な視線。
「あの……、昨日新しく入った方……、だったかしら?確か……」
「はいいーーっ!!あのっ!あたしっ、愛野美奈子っていいますっ!
あのあのあのっ!お二人はお付き合いされているんですかあーーっ!?」
「そう言われても……、ねえ……?」
「下らんな……、とにかく俺は出掛けてくる……」
「ッしゃあ!まーだチャンスありありっ!えとえと、……いい男№1、
それ、メモメモっ!」
「行ってらっしゃい、とにかく気を付けてね……」
「……急に頭痛がして来た……、何なんだ一体……、それに、異様に奴を
思い出すのは何故だ……」
「……へえええーーっくしんっ!!」
また、自部屋でジャミルが巨大なくしゃみを噛ました……。
「ねえ、トム……、本屋さんに新しく入荷した話題の絵本がね……」
「ああ、玉にはそう言う類の本も良いな……」
「……知的イケメン発見っ!あ、あーー!」
今度はサラと一緒に廊下を歩いていたトーマスに目を付ける。
しかし、直ぐにまた別のイケメンを発見。
「なあ、エレン……、美味しいピザ屋を見つけたんだ、どうだい、
今度一緒に……」
「悪いけど、あたし今、ダイエット中なのよ、独りで行ってくれる?」
ユリアンとエレンの……、片思い、報われない組である。
「いいじゃないか、ピザでも食ってろデブって良く言うだろ?
な?もう手遅れだし、無駄な事はしない方が君の為……」
「はあ、すっきりした!何かむしゃくしゃしてたから、一発誰か
殴りたかったのよね!」
「……」
エレンに拳で問答無用で殴られたユリアンは廊下の壁目掛け
おっ飛ばされ、壁にめり込んだ挙句、又も大きな穴を開けた……。
「あっちゃあ~、な~んか乙女心の分かってない馬鹿タイプって
カンジ?顔はそこそこいいけど、……あの人もやめとこ、問題外、パスよ、
パス!はあ、んではっ、美奈子、ちょっくら外に出陣、イケメン捜し
開始よっ!」
「……美奈ーーっ!」!」
愛野美奈子、13歳、中一……、その正体は愛と美貌の正義のヒロイン、
セーラーV……、で、ある筈なのだが……、彼女の暴走入居により、お気楽
おバカな筈の管理人、ジャミルの苦労は輪を掛けてパワーアップするのである。
大統領、参る?
今日は日曜日。んでもって、またマンションに新しい住人が入居して来た。
「やあ、どもどもどもっ!」
その男は軽く挨拶をし、マンションに入って来る。
黒毛ロンゲの青年で、……顔だけはイケメンであったが……。
「……あっ!」
いきなり……、共用玄関先で思いっ切り転倒したのであった……。
「あ、足がもつれちまった……」
「大丈夫ですかっ!?みらいー、リコー!大変っ!
このお兄さん、転がっちゃったよー!手を貸してー!!」
近場にいたはーちゃんが、2階の部屋にいるみらいとリコを大声で呼ぶと、
慌てて二人が2階の部屋から飛び出して来て階段を駆け下りてきた。
「平気ですか!?しっかりしてくださいっ!!」
みらいとリコが手を貸し、どうにか青年を助け起こす。
「ははは、わりいーねー、いやー、こんな可愛らしいお嬢さん達に
助けて貰えるとは……、俺ね、緊張すっと、何故か足がもつれて
すっころぶんだわ!」
青年はてへてへ、笑いながら頭を掻いている。
「あの、あなた、今日此処に入られる方でしょうか……」
「お?ああ、そうなんだけどさ……」
リコが訪ねると、何故か青年はちょっと困った表情をする。
「私、此処のマンションの担当責任者の方を呼んできますね、
ちょっとお待ち下さい……」
リコはそう言い、その場を離れた。
「中々しっかりしてんね、若いのになあ、俺とは大違いだわ!」
「……でも、リコってば、時々、真面目過ぎて……、色々悩んじゃう時も
あるんですよ……」
「だから、私達が色々、お話を聞いてあげたり、リコも私達の悩みや
お話を聞いてくれるし、お互いに支えあってるのっ!」
「そうか……、いや、俺にもね、昔ながらのダチがいっけど、
いっつも迷惑掛けてばっかなんだよ、それでも、よくダチやって
くれてると思うと……、本当に有難いね、君達も友情は大事にしなよ、
うん……」
青年は腕組みをし、一人で物思いにふけり、勝手に頷いた。
そして、マンションの担当責任者は……、自部屋でいつもの
メンバー……、ダウド、アイシャ、アルベルトの3人と、ピザの
宅配注文の激しいバトルを繰り広げていた。丁度ジャミルがお昼に
宅配ピザを頼もうとしていた処に、アイシャが2人を連れ、部屋に
押し掛けて来たのである。
「チーズダブルよっ!定番でしょっ!」
「いや、こってりのベーコンポテトがいいよお!」
「イタリアンシーフードがいいよ……、落ち着いた静かな海の感じで……」
「……お前らな、ええ加減にせえよ……、注文するのは俺なんだぞっ!!
何でオメーらが横ヤリ入れるんだよっ!!貸せっ、俺が食べたいのを
頼むんだっ!!」
「あ、……けち!」
ジャミルはダウドからピザの注文票をひったくると、携帯から
自分でピザ屋に宅配の電話を入れようとする。
「あ、もしもし?ペザーラさんっすか……?すんませんけど、
マルゲリータのソーセージミックスLを……」
「頼みませんよ、ベーコンポテトですよ!!」
「チーズダブルでっ!」
「……イタリアンシーフード!」
他の3人が電話越しに邪魔をし、妨害してくれるのであった……。
「ジャミルさん、お客様ですよっ、新しくマンションにご入居される方が
見えてます!」
リコがドアをノックし、ジャミルに声を掛けた。
「またか……、てか、何でいつも俺なん?」
「ジャミルさんは此処のマンションの責任担当者だからですよっ!
さあさあ、早くご挨拶に行って下さい!!」
「へえへえ、あ、アイシャ、今日は俺が部屋案内するから、オメー
此処にいていいぞ」
「そう……?」
ピザの注文も一時中断し、ジャミルはしぶしぶエントランスへ
向かうが……、一体、マンションの担当責任者、管理人とは何ぞや……、
と、未だに思うジャミルであった。
「あっ、来ました、あの人が……」
「はー!ジャミルだよ!とっても面白いお兄さんなの!」
「へえー、此処は管理人までこんなに若いんだなあ、ペ・ヤングマーン!
って、感じだよなあ!」
「……」
「あ、あれ?知らない?ペ・ヤングマン……、はあ、世代の違いかねえ……」
「で、あんたも今日から……、此処に入居すんだよな……?」
「おー!そうそう、自己紹介忘れてたっ!俺は、ラグナ・レウァール!
今はしがないジャーナリストのハシックレだけどさ、ま、一つ宜しく頼む!」
親指をびしっとつきだし、ラグナが挨拶する。
「記者さん……、なんですかあ、すごーい……」
「はー……」
「い、いや、本当に、んな大したタマじゃねえって、ははっ!本当だって!
ははは!」
「……んじゃ、アンタの部屋は2階にあるからさ、勝手に確認してくれや、
んじゃ……、これ、アンタの部屋の鍵だよ」
アイシャには、今日は自分で客を部屋案内すると言った物の。疲れて
セルフサービスに切り替えようとしていた。どうしようもない管理人である。
「あっ、ちょっと待って!俺、此処に来たばっかで、このマンションの
顔ぶれとかまだ全然わかんねーし!色々教えてくんねかね?」
ラグナはジャミルの肩を掴んで引き留めようとした。
「はあ、結局こうなるか、分ったよ……」
「おー!あんりがてえ!」
……どうにも、この男は時たま、奇妙な言語を使うらしかった……。
「良かった、それじゃ、私達、勉強の途中だったので、
部屋に戻りますねっ!」
「はー、ジャミルー!ラグナのお兄さーん、又後でねー!」
みらいとはーちゃんは自部屋へと戻って行く。
「さー、いこかね!お、お、お、おーっと!」
「……な、何やっ……、うわーっ!?」
いきなり、ラグナがすっころび、ジャミルを巻き添えにして
上に倒れて来た……。
「すまん、……またやっちまったよ、……さっき転がって……、
ぶつけた箇所がまだ痛くてよお……」
「……重いよ、あんた!早く立ってくれよ!」
「わり、ちょっと、肩貸して……」
「ったくっ、世話が焼けんなあ!!」
ジャミルはラグナを立ち上がらせ、肩を貸し、どうにか歩かせる……。
「階段、……ちゃんと、上がれるよな……?」
「多分、大丈夫のす……」
「……多分……?」
「よいしょ、まずは右足から……、っと!あ、あ、ああああ~っ!!」
「ま、待……うわーーっ!!」
酔っ払いの如く……、ラグナは階段で足を滑らせ、ジャミルを又も
巻き込んで正面を向いたまま、両者とも後ろ向きに転倒した……。
「……あてて、重ね重ね、申し訳ないね……、今度は後頭部
打っちまった……」
「……あーのーさーあー……」
2人とも……、真上を向いた体制のまま、肩を組んで転がっているので、
傍で見たらかなり間抜けな格好である。
「……プ、何やってるんスか……」
通りがかりのイガラシが笑いながら通り過ぎていった……。
「……笑ってんなら助けろーっ!!鬼畜猿ーーっ!!」
「えーと、あ、足に力を入れて、……いっせーので起き上がろう、
……せーの!」
ぐきっ!!
「こ、今度は……、腰をひねっちまった……」
「……おーいー……」
と、其処に……。
「ジャミル……、何してるの?お客様は?あんまり戻って来ないから、
どうしたのかと……」
「アイシャ、助けてくれ……、動けねえんだ……」
「は……?」
アイシャは奇妙な体制で寝転がったままのジャミルを見つめた……。
「ははは、可愛いお嬢さん、わりいねえー!良かったら……、
起して貰えっと有難いんだがね……」
アイシャに手を貸して貰い、二人は漸く転倒から立ち直った。
「助かったよ、アイシャ……」
「いやー、わりい、わりい、ほんっと、俺ってあわてんぼさん!」
ラグナが笑いながら頭を掻いて誤魔化した。
「笑ってる場合じゃねーっつーの……」
「大丈夫ですか?……あの、あなたが新しく此処に入る人ですか?」
「そっスー!俺はラグナ!宜しくね、可愛いお嬢さん!!」
「あはは、私はアイシャです、此方こそ……、宜しく……」
「……」
ラグナがアイシャに握手を求めたのを見て、何となくジャミルは
面白くなさそうな顔をする。
「あ?焼きもち妬いてんのかい?ブン剥れちゃってー!かーいー事!」
「お、俺は別に……」
「安心しなって!俺、所帯持ちだかんね!奥さんも愛しの我が子も
ちゃーんと、いっからさ!」
「……はあ!?き、既婚者!?」
「!!!」
「さって、足の調子も戻ったみたいだし、俺、部屋に行ってみるわ、
んじゃ、まったー!」
「……」
今度こそ、ラグナはちゃんと階段を一人で登って行ったが……。
……ドンガラガッシャーーンッ!!
2階の途中で、恐らく、彼が又何かにぶつかった音らしく、
物凄い音がした……。
「まーた、ワケわかんねー奴が増えたな……、何で此処に住むんだ?
奥さんも子供もいるのに……?」
「人にはそれぞれ、色々な事情があるのよ、それよりも……」
「……?」
アイシャがジャミルの顔をじーっと見る……。
「ピザの注文権利、私のにしてーーっ!チーズダブルね!!」
さっき、アイシャに助けて貰った手前、……逆らえないのであった……。
「分ったよ、部屋に戻ろう……」
「わーいっ!やったね!!」
「……ハア~……」
「どいたどいたアーー!イケメンはどこじゃーーっ!?」
「……美奈ーーーっ!!」
美奈子が廊下をドタドタ走って行き、アルテミスが追い掛ける。
……また、ジャミルの気苦労が始まりそうである……。
ジャミル、又構われる
「……う~ん……」
その日、ジャミルは部屋で悩んでいた。右の奥歯が何となく、
ズキズキしてきた様な……、しない様な……、訳分らん、
変な感じがしたからである……。まさか、虫歯ではないだろうと
思いつつ……、ちゃぶ台の上にあったピーちゃん豆を摘んで口に入れる。
「……っ!」
咄嗟に、右の頬を押さえるが、やはり少しやばい感じがしていた……。
「やばいかな……、けど、虫歯じゃねえよな、……虫歯じゃなかったら……、
この歯の痛みは……、やっぱ虫歯なのかな……」
「ジャミルっ!差し入れだよお!塩豆大福!!」
いつもの如く、ダウドが元気に勝手にドアを開け、部屋に入って来る。
「お前な……、わざとやってんじゃねえのか……、人がこんな時に……」
今のジャミルの状態など分からないダウドは少しムスッとする。
「何だよお!折角、おすそ分け持ってきたのに!要らないの!?
要るの!?どっちだよお!!」
ダウドは嫌味ったらしく、ジャミルの目の前でわざわざ塩豆大福を
齧って見せた。
「ああー!おいしいなあ~!!この、ちょっと塩甘しょっぱな
感じが最高!!」
「食べるから……、台の上に置いといてくれよ……」
「分ったよお……」
「……」
「何だよ……」
ダウドはジャミルが大福を口につけるのを只管待っている様であった。
「食うよ、今食えばいいんだろ、食えば……」
仕方なしに、大福を一口、口に入れるが、甘しょっぱいのが余計に
痛む歯の箇所をズキズキと刺激するのであった……。
「おいしい?」
「美味いよ、……サンキュ……」
「えへへ!んじゃ、オイラはこれでー!」
ダウドは何故かご機嫌で部屋に戻って行った。
「変な奴……、嫌、変なのは昔から分かってるけどな……、それにしても……、
っつ……、この歯の痛みをどうにかしないと……」
……鏡で自分の顔を見てみた処、さっきより、頬が若干少し腫れてきた
様な感じであった。
「ますますやべえぞ、これ……、絶対大福の所為だな……、
バカダウドめ……、これじゃ俺が大福になっちまうわ!
こんなの特にアイシャにでも見つかったら……、歯医者に絶対連れて
かれるっつーの……、……歯医者のアイシャか……、プ……」
例え大人でも、何歳になっても、嫌な物は嫌なんである。
「私がどうかした!?」
「……うわーーっ!!」
いつの間にか、アイシャが隣にちょこんと座っていた。
「何よ、そのリアクションは……、今日はね、チビちゃんも遊びに来てるのよ!」
「チビ……?」
「きゅぴっ!久しぶりー!今日はお届けのお仕事お休みなのー!
だから遊びに来たよー!!」
アイシャの膝の上で、チビがパタパタ尻尾を振った。
「そうか、はは、ははは……、まあ、ゆっくりしてけよ、大変だよな、
郵政も大赤字なんだろ……?」
「ぴ?……くんくん、くんくん……」
チビが急にジャミルの側を飛び回り……、何故かニオイを嗅ぎ始めた……。
「やだっ!ジャミルってば!またおならしたの!?」
「何だよ!してねーよ!……一時間前にしたけどさ……」
「きゅぴ……、何だかジャミルから怖いニオイがする……、
何処かなあ……?……バイ菌さんのニオイ……、くんくん、くんくん……」
「!!」
「……え……?」
「な、何でもねえよ、それよりチビ、塩豆大福食うか?美味いぞー!」
「きゅぴっ!おもちだあー、食べるー!うわあーい!!」
ジャミルは大福でチビを釣り、……どうにか虫歯から遠ざける……。
「おいしー!おいしーねえ!!きゅぴきゅぴー!」
「ほっ……」
「……ジャミル、何か隠してる……」
「だから、何でもねえよ、ほらほら、お前も塩豆大福食えよ!」
アイシャにも慌てて大福を差し出すが、アイシャは不満そうに
首を傾げた。
「……食べたいけど、お昼食べたばかりだし、後で貰うね、
それじゃ、私達も……」
「帰るのか?ま、又来いよー!」
「きゅぴ、またねー!」
アイシャはチビを抱いてジャミルの部屋を出て行った。
「……ジャミルったら……、絶対何か隠してる……」
「ぴい?」
廊下を歩くアイシャは、ジャミルの態度が不振でどうにも
気に掛かっていた。
「……よう、アイシャ……」
「あ、グレイ、こんにちは!」
「また、あいつの処か?……どうした?何か不満そうだな……」
「うん、ジャミルね、何だか具合悪そうだったの……、
歯を押さえてたわ……」
「歯……か、歯……、……アイシャ、ちょっと其処で待っていろ……」
「?」
グレイはいそいそと、自室に戻ると何かを持って来た。
「待たせたな、では、行くか……」
「えっ?ど、何処へ……」
「あいつの見舞いだ……」
「……え」
アイシャはグレイとチビと一緒に再度、ジャミルの部屋の前に立つ。
「あの……、ジャミル、……いる?」
「いるけど……、何だよ、アイシャか……?やれやれ、今度は何……」
「ふっ……」
ジャミルはアイシャの隣に立つ、嫌味たらしい男、
……グレイの姿を見て口をあんぐり開けそうになるが、
虫歯を見られるかも知れない為、あわてて口を噤んだ。
「な、な、な、な……、オメーまで……、何の用だよ……」
何となく嫌な予感がし、ジャミルは後ろに数歩下がる……。
「……貴様が具合が悪そうだと、アイシャから聞いたのでな……、
見舞いを持ってきた……」
グレイは紙袋をジャミルに向かって突き出す。
「見舞い品?……うわ!」
袋の中を覗きこんだジャミルは困惑する……。
「……不死身屋の春限定の苺ショートだ、高かったんだぞ……、
ちゃんと食え……」
「♪いちごー、いちごー、まっかないちごさん、きゅぴ~」
アイシャに抱かれたチビが首をフリフリ、歌いだすが、ジャミルは
そんな心境では無かった。
(……歌ってる場合じゃねえっつーの……、グレイの野郎……、
これは絶対に俺の事……、虫歯だって勘ぐって、からかってんだな、
畜生め……)
「あの、ジャミル……、さっき部屋に来た時から、何となく具合が
悪そうだなって、思ってたんだけど……、大丈夫……?」
「ああ、俺は別に……、それよりさ、お前らも、んなとこいねえでさ、
中入れよ、折角だから一緒に食おうぜ、コーヒーでも淹れるよ」
「あ、一緒にいいのっ?あは、又、お邪魔しまーす!」
「きゅぴ!」
(……ふむ、随分強気だな……、だが、いつまで続くやら……)
(スカシ屁コキ野郎……、見てろ……)
ちゃぶ台の上には、淹れたてのコーヒーと、グレイの差し入れの
(嫌味)ケーキが並んだ。
「おいしそーっ、いただきまーすっ!……ん~っ、おいしー!」
「きゅぴーっ!」
アイシャとチビは幸せそうにケーキを口に運ぶ。
(ああ、あの幸せそうなツラ……、俺もあんな風にケーキ食ってみてえ……)
……だからさっさと歯医者に行けば済む事なのだが……。
「……どうした?食わんのか……?」
「え?あ、ああ……、今から食うんだ、……う、う……」
「……」
ジャミルは一瞬、ケーキを口に入れるのを躊躇ったが、グレイの手前、
此処で引く訳にいかず、意地で無理に口へと押し込む。
(やっぱすげえ……、苺の甘さがもんのすげー、歯の痛みに来るわ……、
けど、何が何でも……、くそっ、平常心だっ!!)
しかし、ケーキを一口、二口……、口に入れる度に痛みで等々、
冷や汗が出て来た。
「ジャミル、どうしたのっ、大丈夫!?」
「……凄い汗だよお!」
アイシャとチビが心配するが、ジャミルは構わずケーキを口に
どんどんほおり込み。
「……まいりました……、ごめんなさい……、あっしの負けでヤンス……」
その場に倒れたのであった……。
「……ギブアップだ……、アイシャ、歯医者に連れて行って
やった方がいいぞ、こいつは虫歯だ……」
「えっ!……やっぱりっ!!……ジャミルったらっ!!もうっ、
……ああ、あんなに奥の歯が黒くなってるわ!駄目じゃないのっ!!」
アイシャがジャミルの口の中を覗きこみ、仰天した。
「……燃えたよ、燃え尽きた……、真っ白にな……、ふ、ふふふ……」
「何馬鹿言ってるのっ、早く歯医者に行くわよっ!ほらほらっ!」
「あ~、う~、……結局、こうなるんだなあ……」
「……バカなのは元からだがな……」
「うーるーせー……、この糞グレイめっ……!!ちくしょ~、後で
覚えてろよっ……!!」
「何をだ?」
「!!!むっ……、きいいいいーーっ!!マキグソクソーっ!!
縮れ流し素麺頭めーっ!!」
アイシャに引っ張られ、部屋を出るまでジャミルのグレイへの
意味不明の罵詈雑言は続いたのであった。
「……ふぁあ、チビも帰ろうーっと、ご馳走様でした!」
「ふっ、では俺も帰るか、……本当にからかいがいのある奴だ……」
zokuダチ。セッション8