『飼い猫二号』
猫を愛するみたいに
君を愛せたらいいのに
『飼い猫二号』
ナンバリングされて
愛でられて
いつの間にやら
アタシの名前は二号
卒なくこなすアタシを
いつ撫でてもいいのよ
左手首の時計がどんな気持ちで
時を刻んでいるかなんて
アタシには関係ないこと
帰りを待つ人がいるからこそ
そんなふうにハマるんでしょ
そんなふうに冷たい目を
隠そうともしないんでしょ
君はいつでも
品よく寡黙だけど
時に饒舌な夜は
アタシだけのもの
マンション505号室
非日常のその部屋は
きっと君を癒すでしょうね
だけど忘れないで
誰かは必ず泣くのよ
「どんな猫だって飼い主には懐くわ」
『飼い猫二号』