zokuダチ。セッション6

エピ 21・22・23・24

魔法ガールズ集結? 後編

「ジャミルさん、ダウドさん、お願いです……、この島の
平和を守る為、そして、私達の大切なリコを助ける為にどうか……、
どうか……、力を貸して下さいっ……!!」
 
みらいは真剣な顔で涙を浮かべ……、ジャミルとダウドに向かって
頭を下げるのであった。
 
「何もそんな……、おい、泣かないでくれよ……、困ったなあ……」
 
「……おいっ、レディがお前達に頭下げてまで頼み込んでんだぞっ!!
返事してやれよっ!!」
 
「んな事言ったってだな、……どうすりゃいいんだよ……」
 
「私達のリンクルストーンを使って下さい、これで変身出来る筈ですっ!!」
 
「……ハア……」
 
みらいは自分達のリンクルストーンをジャミルとダウドにそれぞれ渡した。
 
「これで、どうするの……?」
 
遠い目になったまま、ダウドがジャミルの方を見た……。
 
「二人ともーっ、モフルンと手をつなぐモフーっ!!いくモフーっ!!」
 
「……行くかね、ダウド……」
 
「そうだね、……ジャミル……」
 
……キュアップ・ラパパ!超ヤケクソ……、ダイヤ!ミラクル・マジカル・
ジュエリーレ……!
 
「モッフ~~んッ!!」
 
※BGM ミラクル・マジカル・ジュエリーレ! ダイヤver
 
「……二人の奇跡……、キュアミラクル、代理……!!」
 
「……二人の魔法……、キュアマジカル、代理……!!」
 
「阿呆うつかい、……〇リキュ〇……!!」
 
「わああ~!!すっ、ごおお~いいいっ!!ワクワクもんだぁぁぁーっ!!」
 
みらいが興奮し、ぱちぱちと手を叩く。
 
「凄いわ……、二人とも、凄く素敵よ……」
 
「……う~ん、微妙なレディだなあ……」
 
ダガーも感心し、ジタンは首を傾げた……。
 
……あっはっはあ~、でも、ドナルドにはかなわないよっ!
らんらん、る~~っ!!
 
「二人とも、一気に倒してしまいましょう、私に続いて下さいっ!!
モフルンっ!!」
 
「ミラクルっ(代理)、マジカルっ(代理)、モフルンにアレキサンド
ライトをはめて3人でモフルンと手を繋ぐモフーっ!!」
 
「……はいよ……」
 
「はい……」
 
代理キュア2人と、フェリーチェの姿がアレキサンドライト
スタイルへとチェンジする。
 
「レインボーキャリッジ!モッフーっ!!」
 
ガラスの馬車の上に乗ったモフルンが飛んで来て、虹色の輝きを放つ。
 
「ミラクル(代理)、マジカル(代理)、行きますよっ!!はいっ!!」
 
「……め、……ぐりあうう、奇跡よ……」
 
「つなが……る……ま……う、よお……」
 
「声が小さいですっ!!もう一度、はいっ!!」
 
……フェリーチェに脅され、代理キュアはヤケクソで
大声を出し始めた。
 
「……巡り合う奇跡よっ!(ヤケクソ)」
 
「……繋がる魔法よっ!(クソヤケ)」
 
「……育まれし、幸福よっ!」
 
「今、私(俺)たちの手にっ!」
 
「フル・フル・フルフルリンクル!フルフルは吹雪っ!!
〇リキュ〇エクストリーム・レインボー!キュアップ・ラパパ!
虹の彼方にっ!……飛んで行って二度と戻って来んなああーーーっ!!」
 
……ああああーーっ!!らんらんるーーっ!!あはは、あはははーーっ!!
 
アフロ怪獣は虹光線によって浄化され、何処かに飛んでいった……。
 
「……ありがとう、ミラクル(代理)、マジカル(代理)、……あなた方の
助けによってこの島の平和は守られました……」
 
フェリーチェが微笑み、まるで女神様の様なスマイルを二人に向けた。
 
「そりゃ良かった……、けど、もう、こんな事は金輪際、これっきりに
してくれよ……」
 
ジャミルがモフルンとリンクルストーンをみらいに返した。
 
「ありがとうっ!ジャミルさん、ダウドさんっ!」
 
「みらいーっ、モフルンーっ!はーちゃーんっ!」
 
アフロ怪獣の手から解放されたリコがみらい達の処へ走って来る。
いつの間にか、フェリーチェもはーちゃんの姿に戻っていた。
 
「あ、リコモフーっ!!」
 
「はーっ、リコー!!」
 
「リコーーっ!!」
 
「みんなっ……!!」
 
「良かったああ……、また会えて……、リコ、心配したんだからね……、
良かった、本当に……」
 
「ちょ、ちょっと……、珍しい鳥がいたから……、見に行ったら
捕まっちゃったのよ……、で、でも……、皆がきっと来てくれると
思ったから……、ちゃんと信じてたわよ!?うん、計算通りだしいーっ!!」
 
「もう、……リコってば、……言い訳強引だよ……」
 
みらい達3人は、お互いの無事を確認しあい、硬く抱き合うので
あった……。
 
「……良かったなあ、……やっぱり女の子同士の抱擁っていいよな……」
 
「そうね、でも、その中に混ざっちゃ駄目よ、ジタン、邪魔だからね……」
 
「……ハイ……」
 
ダガーに耳を抓られ、ジタンが唸った……。
 
「あ、えーと、リコ……、この人達……、同じマンションに住んでるの、
ジャミルさんとダウドさん……、それにジタンさんとダガーさん、
みんなが私達と一緒にリコを探し回ってくれたんだよ!!」
 
「えへへ、オイラは途中から来たんだけど……」
 
「そうだったの……、本当にどうも有難うございましたっ!!
……ご迷惑お掛けして本当にすみませんっ!!」
 
リコは丁寧に皆に頭を下げ、お礼を言いまくる。
 
「それで、あの……、私、ずっと見てました!あなた達、お二人が
私達の代わりに〇リキュ〇になって、戦ってくれたんですね!
有難うございます!!」
 
「……いや、その……」
 
「あはは、あはは、あはは……」
 
「では、私達はこれで……、マンションの方に戻ります、市役所にも
寄って、又、黒子さんにアイテムを預けて来ないと……、ではっ!
また会いましょう!」
 
みらい達3人はもう一度、ジャミル達に頭を下げるとその場から
立ち去って行き、公園は再び、何事も無かったかの様に静けさを取り戻した。
 
「おい、ジタン……」
 
急にジャミルがジタン達の方を見た……。
 
「な、何だよ……」
 
「今日の事は、俺達以外のマンションの住人には絶対言うなよっ……?
分ったか……?特に、厚化粧オババには……、ぜーったい、
言うんじゃねえぞっ……!?」
 
「大丈夫、あの子達の事も秘密なんだし、私達だけの内緒ね、
ね、……ジタン?」
 
「……言わねえけどさ、だけど、何処で情報が漏れるか……、
そうなってもオレの所為にはしないでくれよ……?」
 
「そう言う事でっ、この話は終わりだっ!さー、帰ろ、帰ろ!」
 
「……ハア~……、オイラ洗濯の途中だったんだっけ……、
続き……、やらないと……」
 
ジャミルはダウドを引き連れ、マンションへと戻って行った。
 
 
そして、その日の夜……。
 
 
「……こんばんは、7時のmiiニュースの時間です、……本日、
午後、禿山公園にて謎の美少女?ヒロイン、キュアミラクル(代理)、
とキ、ュアマジカル(代理)が登場し、ここ、〇〇島は謎のヒロイン達の
話題で持ちきりになっております……、でんねん」
 
「……だ~か~ら~……、いい加減にしろっつんだよ……」
 
「あてて!テレビ齧ったらアカンがな!んなモン齧るよりちゃんと
ご飯食べてーな!!」
 
本日、夜のmiiニュースのキャスターも、近藤君の様であり……、
テレビ画面の向こうから……ジャミルにとばっちりを喰らったので
あった……。

フリバで遊ぼう

「お早うございまーすっ!」
 
「は~っ!」
 
「モフ!」
 
朝、珍しく早く目が覚めたジャミルは、散歩でもしようかと思い、
部屋を出るとモフルンを連れたジャージ姿の魔法ガールズが3人揃って
ジャミルに挨拶した。
 
「また、お前らも随分早いなあ、……どうした?」
 
「えへへ、最近、何だか太り気味なんで、皆で一緒に毎朝走る事に
したんですっ、……でも、やっぱねむ~い、……ふぁあ……」
 
「……んな別に見た目はあんまり変わってねえと思うけど……」
 
「その油断が大敵なんですっ!気づかない内に内臓脂肪って
溜まっちゃうんですよっ!ジャミルさんも気を付けた方がいいですよっ、
ほら、みらい、行くわよ!」
 
「……ふぁあ~い……」
 
「はーっ、それじゃ、ジャミル、又ねーっ!」
 
リコがみらいに喝を入れ、はーちゃんが後ろから楽しそうに
後を追って走って行った。
 
「……はあ~、やっぱ、女の子同士っていいなあ……、オレも……」
 
「走るのなら単独で走りなさいね、邪魔しちゃ駄目よ!」
 
と、またジタンがでしゃばった処にダガーが現れてジタンを連れて行った。
 
「……」
 
「ジャミルっ、お早う!」
 
「アイシャ、お前までジャージ着て……、何なんだよ……」
 
今度はジャージを着たアイシャが、ジャミルの前にぴょこっと現われた。
 
「シフに貰ったのー!……私も最近、何だか太った様な気がして……、
ねえねえ、これから一緒に走ろうよー!トレーニング付き合ってーっ!」
 
「仕方ねえ、付き合ってやるよ……」
 
「いこいこーっ!」
 
元々公園に行くつもりだったジャミルはアイシャに付き合って
やる事にしたのだった。
 
早速、公園に向かうと、……トーマス、サラ、少年の3人が
ベンチに座っていた。
 
「よお、朝から読書かい?」
 
ジャミルがトーマスに声を掛けると、トーマスが上を向く。
 
「ああ、……お早う、君らも来たのか……」
 
「こんにちは!」
 
「あ、ジャミル、アイシャ、こんにちは……」
 
サラも静かに微笑み、挨拶した。
 
「……僕に構わないで……」
 
「はいはい、構いませんて……」
 
「朝の読書は頭が冴えるからな……、君もどうだい……?」
 
……眼鏡を光らせ、トーマスがジャミルの方を見て
ニヤッと笑った……。
 
「い、いや……、俺はその……、あ、こいつのランニングに
付き合いに来たんだよ、運動不足気味で走りたいって言うからさ……」
 
アイシャを突っつきながら、何となくバツが悪そうに、トーマスから
視線を逸らし……、ジャミルは一歩後ろに下がるのであった。
 
「……そうか、しかし……、毎朝の様に此処に筋トレに来ている
あの野球小僧の4人組は本当に凄いな……、見学に行ってみたらどうだい?」
 
「ああ、谷口達の事か、……そんな有名になってんのか……」
 
「ねえ、ジャミルっ、早く行こうよっ!朝ごはんの時間になっちゃうっ!」
 
「……オメー、痩せたいんじゃなかったの?」
 
「きちんと、朝ごはんは食べるよっ!早くっ!!朝ごはんはちゃんと
食べないと余計太るのよ!」
 
「そう言う事で、……じゃ、また……」
 
「またな……、二人とも、頑張れよ」
 
「行ってらっしゃい、気を付けてね」
 
「……ふん」
 
アイシャにぐいぐい引っ張られ、ジャミルがトーマス達に
軽く手を振った。
 
 
「で、どうすんだ?」
 
「公園一周、競争するのっ!!」
 
「……ありゃま、随分強気だな、お嬢さん、ハンデ付けてやろうか?
距離置いてから、俺、走ってもいいぞ?」
 
ジャミルがニヤニヤ笑うがアイシャは引かず、ムキになる。
 
「ぶうーっ!大丈夫だもん!私だって、足鍛えてんだからっ!」
 
そう言うなり、アイシャは先行でダッシュで駆け出す。
 
「最初から、んな飛ばしたら……、たく、仕方ねえなあ……」
 
で、結果は……、アイシャは見事にジャミルに追い付かれ、
……雲梯の差であった……。
 
「……まいった……?」
 
「まいらないわよっ!……こ、これでいいのっ……、これで3キロは
体重落ちた筈だもん……」
 
「はあ?ま、いいけどさ……、よいしょっと!」
 
そう言うなり、ジャミルは芝生の上にねっ転がる。
 
「でも……、やっぱり疲れるねえ、……ジャミル?ちょっと、
寝ちゃ駄目でしょっ!もう~!……わ、私も……、ちょっとだけ……、
えへ……」
 
アイシャも顔を赤くし、ジャミルの隣で真似して寝転がってみる。
 
「気持ちいい、お日様……、ぽかぽか……」
 
 
……お二人で……デートでっか~……?
 
 
「!?」
 
気持ちのいいのとは程遠い、歯抜けの顔が真上から二人をぬっと
覗き込んだ……。
 
「なんだ、なんだっ!?」
 
ジャミルも慌てて飛び起きる。
 
「毒ガマガエルよっ!!キャーーっ!ジュエルビーストよっ!!」
 
「失礼な……、ワイやで……」
 
おやつを頬張りながら、近藤が不貞腐れる……。
 
「……あっ、ご、ごめんなさい、……えーと、……タコス君……?」
 
「何でそうなんねん、……タコスはワイが今食べてるのやがな……」
 
「どうでもいいけどさ、お前、筋トレ中じゃなかったのか?」
 
「これ、朝市で売ってたんや、特売品やで」
 
……人の話をあまり聞いている様子もなく、近藤はタコスを
只管頬張っている。
 
「あっ、いやがった!……こんどおおおおおおーーっ!!」
 
「うわあ、丸井はんやあーっ!!」
 
「……おおっ……」
 
丸井の跳び蹴り、近藤の尻に見事に命中す……。
 
「急にトレーニング抜け出して、いなくなりやがって……!
もう一発お見舞いしてやるっ!早くケツだせっつーの!おらああーーっ!!」
 
「ぎゃー!勘弁っ!勘弁っ!」
 
「……」
 
「……」
 
「あ、じゃ、邪魔したな……、んじゃ……」
 
自分を見つめる二人の視線が気まずかったのか、丸井は近藤を引っ張って
その場をすぐに去ろうとした。
 
「なあ、こいつの球、そんなに速いのか?」
 
「速いには速いけど、本当、直球ストレートバカだよ……」
 
「俺も……、打ってみてえんだけどさ……」
 
「ジャミル……?」
 
「は、はあ~……?」
 
 
で、……公園内にあるグラウンドに、丸井は近藤を引っ張って
連れて行き、ジャミルとアイシャも後に続く……。
 
「……丸井、近藤君は見つかったかい?」
 
「…谷口さあ~ん、いましたけど、こいつ、トレーニング抜け出して……、
朝市でタコス買って食ってました……」
 
「でへへ……」
 
「はあ……」
 
イガラシが思い切り眉間に皺を寄せた。
 
「まあ、見つかったのなら良かった、さあ、続きを……」
 
「よっ!」
 
「こんにちは」
 
「ああ、ジャミルさんとアイシャさんでしたか、どうも、
お早うございます……」
 
帽子を取り、谷口が丁寧に2人に挨拶した。
 
「あのさ、ちょっくら邪魔してわりんだけど、俺にもタマ、
打たせてくれる?」
 
ジャミルが近藤をちょいちょい指差した。
 
「は、はあ……」
 
「ここのタマは打ったらアカンでー!……ぎゃああっ!!」
 
股を押さえる近藤を又も丸井がドロップキックする……。
 
「……丸井っ!暴力はよせって言ってるだろう!」
 
「すみませーん、谷口さあ~ん……」
 
「……構わないですけど、本当に大丈夫なんですか?」
 
「ジャミルは体育会系バカだもんっ!ねっ?運動神経は凄いのっ!」
 
「はあ……」
 
複雑そうな顔をしながら、イガラシがバットを1本、ジャミルに渡し、
ジャミルは軽く、お遊び感覚程度のフリーバッティングに参加するのであった。
 
「よしっ、いつでも来いよっ!」
 
「ジャミルーっ、頑張ってーっ!」
 
谷口はアンパイア、小柄ながらもイガラシはキャッチャー、丸井は足を
組んで椅子に腰かけ、アイシャは女子マネ感覚でウキウキ、状況を見守る……。
 
「で、……、まずは、肩ならし、軽く1球……と」
 
「……おっと!」
 
「ボールっ!」
 
「2球目や!どやっ!?」
 
「……ボールっ!」
 
「あんたはん、目え、いいなあ……」
 
「……何がだっ!!幾ら遊びだからって……近藤おおお……、
テメー真面目に投げてんのかああっ!?」
 
「丸井さん、……落ち着いて下さい……、そして俺にツバも
飛ばさないで下さい……」
 
イガラシがハンカチを取り出し、顔を拭く……。
 
「……今度は真面目に投げるがな……、これで……、どやっ……!?」
 
「キタっ、直球ど真ん中ーーっ!!」
 
 
        ……カッ、キイイイーンッ!!
 
 
「……ホームランっ!!」
 
ジャミルがかっ飛ばした球は……、あっという間に何処かへ飛んで
行って見えなくなった……。
 
「きゃあーっ!ジャミルかっこいいーっ!!」
 
「そんな、……うそや……」
 
……初球からあっさりホームランを叩き込まれ……、近藤は
その場に座り込んだ。
 
「何が嘘だーーっ!!テメー、最初からあんなふざけた球投げといて
打たれねえ自信があったってのかーっ、ええーーっ!?」
 
「だから丸井っ!よさないかっ!!」
 
「丸井さんっ!!」
 
……もはや、仲間内で乱闘騒ぎになりそうであった……。
 
「あー、面白かった!んじゃ、俺らは戻ろうや、アイシャ!」
 
「うーん?ねえねえ、ジャミルっ、私もボール打ちたいよーっ!」
 
「は、は……?」
 
突然のアイシャの乱入に……一同困惑する……。
 
「そら、幾ら何でも、……ワイの球は女の子にはきついんとちゃう……?」
 
「あら?バカにしないでよっ、私だってやる時はやるのよっ!」
 
こうなった時のアイシャは止めても聞かないのをジャミルは
分かっているので、少しだけ打たせてやってくれと、谷口達に頼み込んだ。
 
「分りました、じゃあ……、危ないのでくれぐれも無理しないで
下さいね……」
 
「えへへー!」
 
マスクを被り、再び谷口がアンパイアを買って出る。
 
「加減しなくていいわよっ、タコス君っ!」
 
「だから、……近藤でんねん……」
 
(申し訳あらへんけど、ワイにもプライドがあんねん、例え相手が
女の子だからゆうても、ホンマ、遠慮しまへんで……)
 
「……どうやっ!?」
 
……近藤がムキになって投げた球は……大幅に的を外れ……、
アイシャ自体に当りそうになる……。
 
「ああっ、あいつっ!あんな変な球……っ!!」
 
「危ないっ!当たるっ……!!」
 
「……ええーーいっ!!」
 
          
         ……カッキイイイイーーンっ……
 
「嘘お……、やねん……」
 
……デッドボールになりそうだったのをアイシャも見事にホームランを
叩きこんだ。
 
「えへっ!」
 
「すげえ……、ク、クソボール……」
 
「あー、本当、面白かったね!じゃあ、ジャミル、本当に戻ろ?」
 
「ああ、……んじゃ、お前ら、またな……」
 
アイシャがジャミルの手を引っ張り、二人は去って行った。
 
「……みんな、ちょっと集まってくれるかな……」
 
ジャミル達の姿が見えなくなった後、谷口が後輩達を呼んだ……。
 
「はい……」
 
「……うわっ!谷口さんがっ……!?」
 
谷口の顔は普通のいつもの穏やかな顔だが、顔に血管が浮かんでいた、
こうなると……。
 
「……皆は一人の為に、一人は皆の為に……、と、いう事で……、今日は
朝トレを延長して近藤君のピッチング強化練習を見守ろうと思う……、
イガラシ、バッターに入ってくれ、まずは軽く、肩慣らしで50球
いってみよう……」
 
「……そんな、殺生なああ~……」
 
「はあ……」
 
さっきのサボリの分も含め……、谷口は余計におまけしているので
あろうと……、イガラシはそう思うのであった……。

チキンのおっさん

「やあ、ジャミル、ドナルドだよ、いるかな~?」
 
「……いねえよ……」
 
「嘘つきっ!今返事したじゃないかっ!ははっ!」
 
ピエロは勝手にドアを開けて入って来た。
 
「……今回は何の用だ?」
 
「今日はねー、ドナルドのお友達を連れて来たんだよっ!
一緒にドナルドのお部屋に入居するんだよっ、洗濯機ー、
プライドチキンのガーネルおじさんだよっ!」
 
「どうも……、ガーネル・ヨンダースです……」
 
白タキシードに、眼鏡で小太りのおじさんは、箱を持ったポーズのまま、
……ススス……と、滑ってジャミルに近づいて来た。
 
「次から次へと……、たく、よくもまあ……、てか、あんたら
商売敵の犬猿の仲じゃねえのかよ……」
 
「えっ?何だい、聞こえないよー!?」
 
「……」
 
耳にわざとらしく手を当てて、ピエロがハア!?、のポーズを取った。
 
「まあ、いいや、分ったから……、じゃあな…」
 
追っ払おうとしたが、ガーネルおじさんはジャミルの正面に正座する。
 
「うげ……」
 
「あの、私の話を聞いて貰えませんでしょうか、実は私、大昔の
ある野球の試合でとばっちりを喰らいまして……、川に叩き落とされ
まして……、川から発掘されたのが……年後の……、ぺんらぺんら……」
 
ガーネルは何故かジャミルに身の上相談を始めた。
 
「……と言う訳で……、この変なおじさんもマンションに入るから
今後も宜しくね!」
 
「では……」
 
ピエロはカーネルを引き連れ、部屋を出て行った。
 
「そういや、ヤニが切れたわ……、買って来るかな……」
 
と、ジャミルも立ち上がった処で、又勝手にドアが開いた。
 
「ジャミルっ!どーこいくのっ!?」
 
「……アイシャか、まーた、うるせーのが来たな~……」
 
アイシャが島に来る前は来ない来ないと、毎日唸っていたのに、
来ると実際はこうなる、素直になれないツンデレ男、それがジャミル。
 
「何よっ!これから、アルとダウドも誘って、一緒に
インテリア屋さんに行こうと思ってたのっ!」
 
「俺は、タバコを買いに……」
 
「駄目っ!タバコは身体に悪いんだからっ!吸い過ぎたら
駄目だよっ!!」
 
「ハア!?聞こえなーい!?」
 
「……ジャミルのバカっ!」
 
結局、アイシャがギャーギャーうるさいので、タバコを買いに
行くのを止め、ダウド、アルベルト、アイシャとインテリア屋に
行く事にしたのであった。
 
 
「んで、インテリア屋って、何売ってんだよ?」
 
「うーんとね、ミニチュアみたいなので、小さいんだけど、広げると、
大きくなってー、お部屋の模様替えが出来るのー!」
 
アイシャが説明してみるが、ジャミルは訳が分からんという
表情をする。
 
「要するに、……お人形ハウスの実用化みたいな物なんじゃないの?」
 
「……詳しいな、ダウド、そっちの趣味か……?」
 
「違うよおおー!想像で言っただけだよお!」
 
「そんな便利な物なら……、僕は図書館の部屋がいいなあ……、
本に囲まれた生活がしてみたい……」
 
「……うわ……」
 
ぽつりと呟いたアルベルトを見て、ジャミルがしかめっ面をする……。
  
インテリア屋に着いた4人はあれこれ見て回る。が……、
どれも高すぎて……、手が出せそうにないのだが……。
 
「今の処、一番安いので楽屋スタイルだよお……、それでも
6000円……」
 
「……このお部屋、可愛いなあ~、でも、買えないわ……、
あ~ん……」
 
「僕も両親に仕送りして貰っているお金だから、無駄遣いは
出来ないなあ……」
 
「4月限定品の、お花見スタイルは如何ですか?お部屋にいながら
いつでもお花見が出来ちゃいますよ!」
 
「ハア……、けど、買えねえって……」
 
迫りくる案内人のお姉さんを避けながら、何か安いのはない物かと、
ジャミルはあちこち見て回る。
 
「お?これなんだ?特価品?……500円だと……?」
 
箱にはシークレットと書いてある……。
 
「何何!?」
 
アイシャ達も側に寄ってくる。
 
「中身は開封までのお楽しみですが、お得ですよ、如何ですか?」
 
「実験用に買ってみるか、試しにダウドの部屋で広げてみよう……」
 
「……ちょっ、何でそうなるのさあーーっ!!」
 
 
特価品を買って、4人はマンションへ戻り、実験室のダウドの部屋へ。
 
 
「んで、箱開けて、広げりゃいいんだな……」
 
「……やっぱ、オイラの部屋使うんだねえ……、いいよ、もう……」
 
アイシャはワクワクしながら見守っている。
 
「よっと!」
 
……箱から出すと、あっという間に、ダウドの部屋の内装が変わったが……。
 
「うわ!何だこれ!?」
 
部屋の内装は、ゴミ屋敷スタイルに変わったのであった。
 
「さすが特価品だな、けど、……こんなモン500円でも高いぞ、
明らかに詐欺だ……」
 
「……ぼ、僕は……、とてもじゃないけど、こんな処いられない……、
ゴ、ゴミの臭いで頭が……、帰るよ……」
 
「私も……、気持ち悪い……」
 
アルベルトとアイシャは速攻でダウドの部屋からすたこら
逃げて行った。
 
「んじゃ、俺も戻るわ、じゃ……」
 
「……内装外していってよおおおーー!!」
 
 
数日後、マンション内では、内装ブームが広がり、色んな派手な
部屋にリフォームする住人も多くなっていたのであった。
 
「月末になれば、募金の零れも入るか、……俺も気分転換でちゃんとした
内装にしてみるかな」
 
「……良かったね……」
 
ダウドはジャミルの部屋に顔を出すものの、あれから何となく
機嫌が悪いのであった。
 
「……ちょっと、ジャミルっ!」
 
勢いよくドアを開け、物凄い剣幕でエレンがジャミルの
部屋に入って来る。
 
「な、何だよ……」
 
「あんた、ここのマンションの担当責任者なんでしょっ!……あの変な
ピエロと新しく入ってきたメタボ眼鏡親父、何とかしなさいよっ!
うるさくてしょうがないのよっ!!」
 
「……騒動みたいだね、はい、管理人さん、行ってらっしゃ~い」
 
冷めた顔でダウドがジャミルに手を振った。
 
「お前な、いい加減、機嫌直せよ……」
 
「ふん!」
 
オイラは知らんという顔でダウドが横を向いた。
 
「はあ、仕方ねえなあ……」
 
嫌々、ピエロとガーネルの部屋に向かうと、中でピエロとガーネルが
殴り合いをしていた……。
 
「おい、あんたら、何やってんの……?」
 
「この部屋の内装はねっ、魔クドナルドスタイルにするんだよっ!!」
 
「いいえ、洗濯機ー、プライドチキン店スタイルにするんですっ!!」
 
「……てめーら、もう速攻で別々の部屋に住めーーっ!!」
  
……やはり、ライバル店同士、相容れない者……、このマンション内には
商品の無い、レプリカ店舗の、魔クドナルド、洗濯機ープライドチキンが
それぞれ、出来上がったのであった……。

鑑定屋でGО!

月末が来て、ジャミルも待望の募金のお零れを貰ったが、
前にホークが言った通り、やはり、大した金額では無く……。
 
「……分ってた事だけどな、あはは、あは、あはは……」
 
「ジャミルっ、いるかーい!」
 
「……やべっ、妖怪オバ……、オホン、な、何か妖怪……、
じゃ、なくて、用か……?」
 
声の主はバーバラであったが、いつもと様子が違い、
やけに声が裏返っていた。
 
「ジャミルちゃーん、あんたもお零れ貰ったんでしょーっ、幾ら?」
 
「べ、別にいいだろ、俺の金だぞ……」
 
ジャミルは慌ててバーバラからお零れを後ろに隠す。
 
「ケチな子だねえーっ、その返済分は、あたしの募金した金額も
含まれてんだからね!」
 
「……俺だって募金したんだよっ!」
 
「そりゃ、分かってるけどさ、……ねえ、記念すべきお零れの
初回分、今回は皆でお金出し合ってさ、……焼肉でも食べに
行かないかい……?……何なら、焼肉じゃなくても、アンタの
好きな食べたい物でいいからさあ、んねえ……」
 
バーバラは笑顔を作り、揉み手をしながらジャミルに近寄って来る……。
 
「……キタっ……!わりいけど、俺、用事があるんで、んじゃっ!」
 
ジャミルはお零れを抱えて、猛ダッシュで自部屋からマンションの
外へと逃走するのであった。
 
「あ、ジャミルっ!こらっ、お待ちーーっ!!」
 
 
「はあ、やれやれ、焼肉なんか食いに行く心境じゃねーっつーの、
……お婆に狙われる前に、とっとと使っちまった方がいいな、
はした金……」
 
ジャミルは僅かなお零れを抱え、何処かで気のすむまで買い物を
して来ようと島の商店街に在る店に出向く事にしたのだった。
商店街をフラフラ歩いていたジャミルはふと、奇妙な店を見つける。
 
「ん?質屋……、(お宝鑑定屋)?……こんな店あったかな……」
 
……お宝の文字についつい惹かれ、ジャミルは店内へと入って行った。
 
「いらっしゃいませ、鑑定人の黒子です、……ご不要な骨董品、道具……、
その他、あなたの要らない物、何でも買取致します……」
 
「アンタ、鑑定屋までやっとんのかい……、けど本当に?マジで?
何でもか?」
 
「……はい、まずはお品物を……」
 
「よし、分ったーっ、持ってくるっ!」
 
「……」
 
ジャミルは衝動買いも忘れ、再びマンションへと戻って行った。
 
「ダウド、お前確か、夜間の遊園地で買った福袋で余計なモン
当たったって言ってたよな、まだ処分してないか?」
 
「うん、あるにはあるけど……、どうしようかと、困っては
いたけどさ……」
 
「見せてみ?俺が処分してやらあ!」
 
「本当に……?う~ん……」
 
ダウドは暫く考えていたが、やがて部屋から変な物を抱えて
持って来た。
 
「これ……」
 
「マ、マンホールの蓋、プ……」
 
「……何だよお!だから見せるのは嫌だったのに……、
これ以上笑ったら自分で処理するからいいよお……」
 
「あー!分った、分った!もう笑わないからさ!」
 
ダウドをいじけさせない様に、何とか宥めて漸くマンホールの蓋を
譲って貰う。
 
「だけど、そんなもの一体何処へ持って行くの……?」
 
「それはだな……」
 
「……ジャーミールー……」
 
と、言ったジャミルの処に、黒い影……、バーバラが迫って来た……。
 
「うわっ!……怪奇、三十路近いオバーア!!」
 
「……んとに、よく回る口だこと……、本当に感心するわよ、この毒舌坊主っ……!!
アンタのアタマん中、1回切って覗いてみたいわ!!てか、さっきはよくも
話の途中で逃げ出したねっ……!!」
 
「やめろ、やめろっ!頭は殴るなーっ!!」
 
(なんだか、この二人見てると出来の悪いバカ息子とカーチャンて、
感じするなあ……)
 
「……何だっ!?」
 
「何だいっ!?」
 
「……二人してオイラを睨まないでよおお、もう~……」
 
「けど、アンタ一体なんなんだい、その蓋は、まさか、頭にでも
被るワケ……?」
 
「……アホッ、違うわいっ!お宝鑑定屋に持っていくんだよっ、
どんなモンでも引き取って金に替えてくれんだとさ……」
 
「えっ……」
 
「本当に……?」
 
「らしいぜ……」
 
「……や、やっぱりオイラのマンホールの蓋だよおーっ!
オイラが持っていくーっ!!」
 
ダウドは態度を一変させ、ジャミルからマンホールの蓋を
引っ手繰ろうとする。
 
「……何だよ!俺にくれたんだろーがっ!!離せーーっ!
これは俺のだあーーっ!!」
 
傍から見ると何やってんだか……、の、アホとバカの喧嘩にしか
見えない状況である。
 
「こりゃ、偉い事だね、……あははっ!お零れなんかアテにしないで、
あたしも自分でも探してみよーーっと!」
 
バーバラは華麗に踊りながら腰をくねくね、自分の部屋へと戻って行った。
 
「バカーー!!」
 
「うるせー!アホヘタレーー!」
 
……結局、ジャミルとダウドは、部屋から飛び出して来た
ホークに両成敗で殴られ、ジャミルの方はマンホールの蓋も
ダウドにしぶしぶ返したのであった……。
 
「うわあ、あははっ!蓋で引き替え、5000円になっちゃったあ~!
あはははっ!」
 
……元々、福袋自体の値段は5000円なので、果たしてこれは
損なのか、得なのか……。
 
「……畜生……、ダウドの野郎……、あーあ、口が滑っちまったなあ、
どうしてこう、イラン事で失敗すんのかなあ、俺って……、とほほ~……」
 
 
……数日後……。
 
「いらっしゃいませ、ご不要な物はございますか……?」
 
「持って来たぜ、二つとも鑑定してくれる?」
 
 
「らんらんるー!ですっ、らんらんるー!」
 
「……我が洗濯機ー、プライドチキンは列記とした、国産ハーブ鳥を
使っております……」
 
 
「お客様、申しわけございませんが……、……当店は生物は
取り扱っておりません、御了承下さい……、例え買い取ったとしても、
全然値段の付かない者です……」
 
「えー!要らない物、何でも買い取るって言ったじゃん!」
 
「……お引き取り下さいませ……!」
 
「けちっ!!」

zokuダチ。セッション6

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SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-21

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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