『文学狂い』
ネクタイを引き寄せて
間近で見てあげる
さぁ、屈服して
『文学狂い』
損得勘定なんてない
純粋な感情よ
手首の傷にキスをして
ちゃんとケアしてあげるから
アタシのものになるのなら
他は全て捨ててきて
そのくらいの覚悟がなきゃ
愛してあげられないわ
数式みたいに
答えが決まってるものじゃない
だからこそ燃えるの
このゲームに命をかけるの
文系と理系は相容れない
でも面白いでしょう?
アタシは貴方の予想を
簡単に覆せているでしょう?
太宰みたいな男は嫌い
あんな文章誑しは嫌
もっとストイックに
堕落の一歩手前を楽しみたいの
理想の純文学のように
察して感丸出しの
貴方だから愛しいわ
アタシを察する心算なら
そうはいかないから覚悟して
「簡単な女に成り下がりたくはないの」
『文学狂い』