zokuダチ。セッション5

今回は、ロマサガ3から、ユリアン、トーマス、エレン、
魔法つかいプリキュアから、朝日奈みらいと十六夜リコが
新規住人として参戦します。

エピ 16・17・18・19

お姉ちゃんは最強!

「ちょっと!此処を開けなさい!早く開けないと……、
ドアをぶち壊すわよっ!!」
 
早朝早く……、マンションの外で甲高い声が響き渡る……。
 
「……何だよ……、朝早く……」
 
眠い目を擦りながら…、ジャミルが部屋から出て来た。
 
「何なんだい、たく、朝っぱらから……、迷惑だねえ!」
 
「眠い……、よ……」
 
けたたましい声に起こされ……、バーバラとアイシャも
目を覚まして起きて来た。
 
「開けなさいって言ってんのよ!早くっ!!」
 
外声の主はマンションの共用玄関のドアをげしげし蹴っている様子であった。
 
「此処にサラがいる事は分かってんのよっ、さっさとサラを返して頂戴っ!
隠すとあんた達、為にならないわよっ!!」
 
「お姉ちゃん……」
 
騒ぎに気づき、……サラも起きて来た……。
 
「サラ?……其処にいるのねっ、こっちに来なさいっ!……黙って
家出なんかしてどれだけ人が心配したと思ってんのっ!!え~っ!?」
 
「お前の身内か……?」
 
ジャミルがサラに尋ねると、サラはジャミルから目を伏せた。
 
「嫌よ!私……、戻らないから!!……私だっていつまでも
大人しく守られている子供じゃないのよっ!!」
 
「何言ってんのよ!いい加減にしなさいっ!あんたは私が守るんだから!
黙ってお姉ちゃんのいう事聞いてればいいのっ!!」
 
(……すんげー過保護……)
 
「それが嫌だって言ってるのっ!!……お姉ちゃんの馬鹿っ!!
……ジャミル、申し訳ないけど……、後の事はお願いします……」
 
「え?あああ、ちょ、ちょっ!!」
 
サラはスタコラ自部屋に戻り、部屋に鍵を掛け、引き籠ってしまった……。
 
「開けなさいっ!開けないと……、本当にドアぶち破るわよっ!
……このマンションの管理人は誰なのっ!?」
 
「……管理人て言うのは……、特に決まっていないんだけど、
責任者は此処にいるジャミルだよお……、でも、やっぱジャミルが
管理人になるのかなあ~……」
 
「!ダウドっ、おま、いつ起きて来たんだよっ!!」
 
「そう言う事だ、嬢ちゃん、……文句があるなら、此処にいるジャミルと
徹底的に気の済むまで話し合ってくれ……、思う存分な……」
 
「ホークっ!テメエもっ!いい加減にしろっ!!」
 
キャプテン軍団のお子達4人組は、何だか分からないが、昨日から
強化合宿で谷口を筆頭に何処かへ出かけており、騒ぎを免れ、はーちゃんと
モフルンもまだスヤスヤ夢の中であった。グレイとクローディアも、我関せず、
無関心状態で部屋から出て来ない……。
 
「なんだ、なんだ!?道場破りだって!?」
 
「朝から……、何なんですか……?」
 
アルベルトを連れ、シフも慌てて走って来た。
 
「ジャミル、……玄関の鍵……、早く開けてあげた方が……」
 
と、アイシャが言った瞬間……。
 
バキイイイッ……!!
 
「あ……」
 
外でしびれを切らしていたらしき、サラの姉は等々、拳でマンション入り口の
ドアを壊してしまった様であった……。スタイル抜群、容姿、顔は中々の
美女ではあったが……。
 
「入るわよっ!……サラは何処の部屋にいるのっ!?ここっ!?」
 
トレードマークのポニーテールを靡かせ、サラの姉は1階の部屋のドアを
片っ端から、パンチしまくる。
 
「すげえ……、って、んな事言ってる場合じゃねえな、おい、よせよ!
まだ寝てる奴だっているんだぞっ!」
 
「うるさいわねっ!壊してんじゃないわよ!ノックしてんのよっ!!
……はああっ!!」
 
滅茶苦茶を言い、そして、……等々、部屋のドアの一つに大穴を開けた……。
 
「ここっ!?此処でもない……、ここっ!?……サラ、いい加減に
出て来なさいっ!!」
 
「……お姉ちゃん……、お願いだから……、もう帰って!!」
 
端の方の部屋から……、小さく声が聴こえた……。
 
「そこねっ、待ってなさいっ!!すぐ行くからね!!」
 
「コ、コラっ!嫌がってんだろ、よせ……」
 
「うーるーさーいーーって言ってんのよっ!!邪魔しないでーーっ!!」
 
サラの姉はジャミルの両足を掴んで逆様にすると、ジャイアントスイングで
ブン回し、ほおり投げて壁に叩き付けた……。
 
「だ、大丈夫……?ジャミル……」
 
「きゃー、ジャミルーっ!しっかりーっ!!」
 
ダウドとアイシャが心配してジャミルに駆け寄る……。
 
もっとも、前の別の話でも、ブチキレたアイシャに一度、無意識に
ジャイアントスイングを掛けられた事はあるのですが……、これで
2度目です……。
 
「……だから……、もう勘弁して下さい……」
 
「サラっ!いい加減に出てこないと……」
 
「おい、嬢ちゃん、可愛い顔して……、アンタ随分凄いなあ……、
まあまあ落ち着いて……」
 
「親父っ!!るさいっ!!」
 
「……あべべーーっ!!」
 
サラの姉は、肩に手を掛けようとしたホークの後頭部と股間に
肘鉄エルボーをお見舞いした。
 
「ふむ……、これはいい相手になるね……、次はボウヤ、アンタが
行ってきな……」
 
シフがアルベルトの方を見て目配せした。
 
「ちょ、……僕じゃ無理だよ……」
 
「だらしがないねえ、男の癖に……、どいつもこいつも、貧弱め!」
 
「う、うう~……」
 
シフにちょこっと言われたのが気に障ったらしく、アルベルトが困って
モジモジする……。
 
「エレンーーっ!!やめろーーっ!!」
 
「落ち着けーーっ!エレンーーっ!!」
 
「ユリアン、トム……、あんた達!」
 
突然、緑髪の青年と眼鏡の青年がマンションに慌てて傾れ込んで来た……。
 
「ハア……、やっと追い付いた……、皆さん、ご迷惑お掛け
しまして……、どうもすみません、エレンは俺達の幼馴染みの
友達です……、妹を追って急にいなくなってしまったので……、
凄く心配していたんですよ、見つかってよかった、さあ、もどろ……」
 
「……簡単にあたしが戻ると思ってんのかーーっ、この浮気性
緑バカーーっ!!」
 
「おげしーーっ!!」
 
エレンは、連れ戻しに来たらしき、緑髪、ユリアンを拳で追っ払った
結果、天井に巨大な穴が開き、ユリアンも何処か飛んで行ってしまった
様だった。
 
「トム、あんたはどうするの……?それとも……、あたしと本気で
やりあう……?」
 
「エレン……、俺は君とやりあうつもりはないよ……、ただ、
サラの為にも……、君は姉として、きちんとサラと話し合いを
すべきじゃないかな……?」
 
「だからっ!あたしはそのつもりなのよっ!……けど、サラが
逃げちゃうんだもの!」
 
「……そりゃ、あれじゃ怖くて話し合いも出来ないよな……」
 
「何よ、あんた、言いたい事があるなら言ってみなさいよっ!
えーっ!?」
 
エレンはジャミルを見て笑みを浮かべると、股間に一蹴りお見舞いした。
 
「なんで、このシリーズの女はこんなに気がつえーのばっかなんだよっ!!」
 
「ほおー?」 シフ
 
「ほおおー……?」 バーバラ
 
 
どげしっ!!
 
ぽかっ!!
 
 
「やめてっ!……あなた、エレンさん?……怒って暴れてるばっかりじゃ
何も解決しないよっ、落ち着いて冷静になって!!」
 
アイシャがエレンの前に立ち塞がり、説得を試みる……。
……自分も前の話で怒って大暴れした前科があるのだが……。
 
「……お姉ちゃん……」
 
「サラ、あんた……」
 
漸く、サラも部屋から出……、エレンの顔を見て、前向きに話を始めた。
 
「……黙って村を出て来ちゃったのは本当に良くない事だと思ってるわ……、
でも、……私の言い分もちゃんと聞いて欲しいの……、お願い……」
 
「分ったわ、……私も少し、かっかかっかし過ぎたね……、
ごめんね、サラ……、アンタの事が本当に心配だったのよ……、
だって、あたしの可愛い妹だもん……」
 
「お姉ちゃん……」
 
「サラ、……君の部屋に行こう、ちゃんと話し合いをしよう、皆で……」
 
「……トム、分ったわ……」
 
「おーい!」
 
飛ばされたらしき緑髪ユリアンも慌てて戻って来て、……4人は
サラの部屋に引っ込んで行った。
 
「騒動は収まったみたいけど……、どうすんだよ、これ……」
 
マンションの中は……、エレンが破壊した跡で凄まじい内装に
変わっていた……。
 
「あたしは知らないよ、ジャミル、アンタが責任もって後始末しとき!」
 
「やれやれ、本当に……人騒がせな……」
 
バーバラは気絶したホークを引っ張って部屋に戻って行き、
シフもさっさと退散した……。
 
「……分ったよっ!どうせ俺が後始末すりゃいいんだがねっ!ふんっ!!」
 
「ジャミル、私も手伝うよ……、ね?だから大丈夫だよ!」
 
「オイラも手伝うよお……」
 
「やれやれ、仕方ないなあ……」
 
「わりィな、皆……、てか、俺は全然悪くないけどな、
はは、はは……」
 
アイシャ達、お子ちゃま3人も加わり、此方の4人は散らかった残骸を
片付けるのであった……。やがて、話し合いも纏まったのか、暫くすると
こっちの4人組もサラの部屋から出てくる。
 
「ジャミル、皆さん、……今朝はご迷惑お掛けして本当にごめんなさい……、
お姉ちゃんと、トムとユリアン……、皆でこれからの事を話し合って……」
 
「俺達も……、此処に住まわせて貰う事にしたよ!宜しく!!」
 
「あう……」
 
お約束……、と、言うか、緑バカ……、ユリアンがテレテレ頭を掻いた。
 
「サラが心配だもんね!あたしが徹底的にサラを守るわよ、
これまで以上に!」
 
「……お姉ちゃん、そういうの無しでって言う方向って……、
約束したじゃない……!!」
 
「何言ってんのよ!こんな所、悪い虫だらけでしょ!……癖の悪い、
ユリアンみたいなのがごろごろしてるんだからね!あたしがアンタを
守らないで一体誰が守るのよっ!!」
 
「何?何?おっ、新しいおねいさんだねっ!しかもスタイル抜群のおおお……」
 
「……ほらほらっ、ねっ?……あたしはちゃんとアンタを守る
役目があんのよ……!」
 
集ってきたジタンをノックアウトし、拳で頭をぐりぐりぐり……。
 
「……もう、好きにして……、私、部屋に戻る……、トム、ユリアン……、
お姉ちゃんをお願い……」
 
「待ちなさいっ、サラっ!!まだ話は終わってないんだからねっ!!」
 
「……おっぱいに顔挟まれた……、幸せ……」
 
ジタンを放置し、サラを追ってエレンも部屋まで走って行った。
 
「そう云う事で、……今後とも俺達を宜しく、……では……」
 
トムと呼ばれた青年、本名、トーマス・ベントも自室の部屋の
確認をしに行った。
 
「じゃあ、俺もっ、またな!」
 
続いて、ユリアンも与えられた自室に入って行く。1階はもう満室の為、
次からの住人は2階に住む事になりそうである。
 
「はえ~、ますます賑やかになっていくんだね、……この
変なマンション……、最初の頃からは考えられないよお……、
ね、ジャミル……」
 
部屋数を眺めながら、ダウドが感心する……。
 
「あの、トーマスって人、凄く知識が豊富で教養も高そうだなあ……、
本も沢山持っていそうだし……、今度、話を聞いてみようかな……?」
 
「……うえ、何か俺の苦手なタイプだ……」
 
「うふっ、アルって、本当、本が好きねえ……、でも、エレンさんて
スタイル抜群だし、強くて格好良くて美人で素敵……!!……私も今度、
格闘術習おうかしら……」
 
「!!!のおお~っ!アイシャー!!頼むからそれだけは
やめろおおーーーっ!!」


喫茶店男子会

前回の女子会に続き、今回はちょっと汗臭い?男子会である……。
今回喫茶店に集まったのは、ジャミル、ホーク、グレイ、ユリアン……、
ジタン……、と、ピエロ……。女子会と違い、……どうにもいい加減な
メンツであった。
 
「で、……オメー、最近どうなんだよ?」
 
「何が?」
 
うざったらしそうな目で、ジャミルがホークを見た。
 
「決まってんだろ、アイシャだよ!アイちゃん!」
 
「別に?……いつも通りだけど?」
 
「んなこたあねえだろう、誤魔化すんじゃねえよ、おーい、
何処までいってんだよ、ああん?……お兄さんに教えなさいっ!!」
 
「あてて、何がお兄さんだっ、狸親父!……別に俺ら、何も
進展ねーっつーの、マジで!」
 
「ほお~っ、……んほお~っ……?」
 
ジャミルは何とか、絡んでくるホークを追っ払おうと躍起になる。
 
「すいませーん、おねえさーん、……ハンバーガー注文とりますか?」
 
一体何故、参加しているのか、意味不明だが……、ピエロがウエイトレスに
ハンバーガーを注文する。
 
「申し訳ございません、ハンバーグ、ライス+サラダ付きセットなら
有りますが……」
 
「残念!らんらんるー!」
 
「俺も何か注文すっかな!野獣ランチ、味噌汁付で!」
 
ジャミルはウエイトレスにオーダーを注文する。
 
「でも、……グレイ、お前こういうのに参加するとか珍しいな、
絶対拒否すると思ったんだがよ……」
 
「……フッ、ほんの気紛れだ、別に意味はない……」
 
「あっそ、で、……新参の兄ちゃん達はどうなんだい?お前ら、
これの方はよ……」
 
ホークは今度、ジタンとユリアンをターゲットにし始めた。
 
「オレはダガー、一筋だよっ!」
 
「嘘つくなよ……、見境なしであちこち手を出しまくってるじゃんかよ……」
 
呆れた顔でジャミルがジタンを見る……。
 
「可愛いレディがいたら声を掛けるのが当たり前だろっ?
オレはフェミニスト、それがオレのポリシーなんだからさっ!!」
 
「あはは、早い話が、スケベって事だよな!あはは!」
 
「……」
 
ユリアンがジタンの方を向いてゲラゲラ笑った……。
 
「何だよ、そう言うアンタこそ……、小さい時にエレンに散々
アプローチしまくったのに今は違う彼女がいるんだって……?
トーマスから聞いたよ……」
 
「彼女とは……、護衛で縁があったんだよ、身分の高い
家柄でさ……、俺みたいな程度の低いのがそんな、正式に
お付き合いを認められるワケないだろ、あくまで従士関係だよ、
本当に……」
 
「……本当にかよー?」
 
「本当だよ!」
 
「ハア、それにしても、……すげえよな、あの野球馬鹿達……、この頃、
毎朝毎朝、4人で強化トレーニングに出掛けてるみたいだけどな、俺には
とてもじゃないけど真似出来ねえ、あの汗くせえ根性……」
 
ストローでレモネードを啜りながらジャミルが、感心するやら、呆れるやら。
 
「お前も一緒に参加させて貰えよ、そりゃ、今はいいさ、今は……、
けど、齢くったらボッテボテの腹ボテになるかんな!今の内に鍛えとけよ!」
 
……ホークにそう言われ、ジャミルは、横隣りの本人、見本品を
見つめるのであった……。
 
「何だっ!?」
 
「♪さーて、ドナルドはウンコしてきまーす!もーりもりっ!!」
 
ピエロはノリノリの髭ダンススキップで席を外した。
 
「……」
 
ピエロはトイレに行ったが、男連中は何事も無かったかの様に話を続ける。
 
「でさ、……今、マンションにいる、女性陣の中でよ、……一番巨乳なのは
お前ら、誰だと思うよ、……やっぱ、バーバラだよな……」
 
「またすぐそう云う方向に持ってく……、あんだよ、あんた、てめえの
一押し指してるだけだろ、糞親父!」
 
「エ、エレンだって……、負けてないぞ!誰がどう見たって、スタイル
抜群だしさ、ナンバーワンじゃないかな!?」
 
「ダガーは胸もでかいけど、おしりもでかいんだぞっ、正に、ダブルだよっ!!
凄いだろっ!?」
 
「フン、……いつまでも下らない事をベラベラと……、本当にお前達は
低能だな……」
 
……と、グレイは口ではそう言うが、腹ではクローディアの脳内
スリーサイズについて……。
 
「……貴様……、始末されたいか……?この場で……」
 
「わあっ!急にアイスソード持ち出すなっ!!どっから出したんだよっ!!」
 
「……お客様、……店内での乱闘騒ぎはお断わりしております、
御了承願います……」
 
メイドさんが平然と、ジャミルとグレイに注意する。
 
「ハア、……もっと、真面な話に話題を変えようや……」
 
「お前が真面とか言うとな、違和感ありまくりだぞ、ジャミル……」
 
「うるせー、糞親父!!元はあんたの所為だろが!!」
 
「じゃあさ、じゃあさ、話を変えるけど……、今後、この島の
発展の為にも……、もっと色んな施設を建設するべきだと思うんだよな……、
とりあえず、俺達でリクエストと要望を書き出してみよう……」
 
と、ユリアンはテーブルの上に置いてあった、店内用アンケート用紙に
ボールペンでごちゃごちゃと何か書き始めた。
 
「……出来た、ほい、これに俺達のリクエスト要望を書き込んで、
案が纏まったらジャミルに黒子さんの処まで持って行って貰おう」
 
「また俺か……、……どうでもいいけど、お前、字が平仮名と
謝字だらけだなあ……」
 
※これわ、めなさんのための、よれよいしせつけんせつのたけのいけんです、
くろ子さま、ごけんとお、おねがいしまふ。
 
「忙しいからいいんだよ、まずは、言い出しっぺの俺から……」
 
「あ、待て!先に俺の案を書いといてくれ、居酒屋、出会い系合コン所……」
 
「うわ、いい歳こいて……、合コン所だと!……バーバラにチクって
やるかなあー?」
 
「合コン所、いいじゃんー!オレ、おっさんの案、賛成ーっ!」
 
「……ジタン……、お前……、マジでこういうとこ、鬼畜だなあ……」
 
「ドナルドはねー、もす!バーガーがいいなあ!」
 
ウンコからいつ戻って来たのか、ちゃっかりピエロも話に混じっている……。
 
「うるせー、テメーの案なんか廃案だっ、……てか、
ライバル他店の建設しろとか、……馬鹿か、オメーは!!」
 
「るーっ!!」
 
ムキになるホークにも動じず、ピエロがらんらんるーする……。
 
「でも、これは皆の意見だから……、候補に入れてあげないと、可哀想だろ?
……書いておくよ、……えーと、もすバーガーね……」
 
「洗濯機ー、プライドチキンも入れてね!」
 
「……ライバル店どんどん増やしてんじゃねーかよっ!!」
 
「あのさ、まだ提案が通るか決まった訳じゃねーし……、あまりその変なのを
まともに相手にしても疲れるだけだぜ、おっさん……」
 
「ははっ!邪ミル、うるさいなあー!ドナルドランドへ連れて行くよー!」
 
「……うわ!今日の奴は何か本気だっ……!……得体の知れない
殺気を感じる……」
 
一瞬、ジャミルの方を振り向いたピエロの顔が狂気に満ちた表情を
していた……、様な気がした……。
 
「……おい、貴様らの意見だけ要望するのは気に食わんな……、其処の緑虫、
俺の提案も描いておけ……」
 
今まで静かだったグレイまで遂に話に加わり出した。
 
「ミ、ミドリムシ……?まあ、いいけどさ……、で、あんたの意見は……?」
 
「ちょっと待てよ!まだ俺の案も聞いて貰ってねーじゃん、結局、最後に
大変な思いするのは俺なんだからさ、先に優先しろっての!」
 
「お前なんぞ、雑用係なんだ、後でもいいんだ、おい、先に俺の
提案を書いておけ!」
 
「うるっせーな、糞グレイ!!俺が先だっつーんだよ!アホアホアホっ!!」
 
「……あのさ、提案は皆、自由に書き込めるんだから、
そんな、順番なんかどうだっていいじゃん……」
 
「……おい、俺の追加でラブホと銭湯も書いといてくれや!!」
 
「ホークのおっさんに3000点っ!!」
 
「ジタン、……お前、未成年だろ、駄目だぞ……、けど、意見だから一応
書いておくよ、……ラブホテル……」
 
ミドリムシ……、ユリアンが呆れて困った表情を見せた。段々と疲れてきた
様子でもあった……。
 
「……いらっしゃませー」
 
と、男性陣が揉めている処に……、ガールズ陣が、喫茶店に入ってくる。
 
「あら、アンタ達も集まりだったんだねー、やだねー、ホーク、
あたしらにも声掛けてくれれば良かったのにー!」
 
ガールズ陣の先端は、やはり姉御肌のバーバラであった。
その後に、ダガー、エレン、アイシャ、クローディアと、それぞれの
対応の相手が喫茶店内に顔を見せた。
 
「バーバラ、此処がいいわ、皆の近くの席に座りましょう……」
 
クローディアがそう言うと、ガールズ陣は、男連中のすぐ後ろのテーブル席に
腰を落ち着ける。
 
「……ん~、いいなあ、なあ、オレ、あっちの方に移動してもいい?」
 
「ユ、ユリアンっ……、その……、施設の案の紙……、ちょっとしまっとけよ……」
 
ジタンの頭をぐいぐいと押さえながら立ち上がってジャミルがこそっと
ユリアンに耳打ちする。
 
「何で……?」
 
「いいからっ……!!」
 
「ねえねえっ、何のお話してたの?」
 
後ろの席からアイシャがぴょこっと顔を出す。
 
「……アイシャ、ソファーの上に乗るのは駄目よ……、お行儀悪いから……」
 
「はあーい!ごめんなさーい!」
 
クローディアが注意すると、アイシャはまた前を向いた。
 
「……可愛いなあ~、なあ、オレ、あっちに移動したいんだけど……」
 
「で、何で一旦、提案の紙、しまわなくちゃなんないんだ?」
 
「だからさ、色々とやばいだろ、……この糞親父が馬鹿な意見
提案したから……、話が聴こえてもやばいし、内容がうっかり書いてある紙を
見られてもだな……」
 
「聞いてる?オレの話……、ねえ……」
 
「なんだとお~、ジャミ公、これは俺達、大人の男の大事な癒しの場だぞ!
何が馬鹿な意見だっ、お前は何を建てたいんだよ!言ってみろっつんだよ!!」
 
「じゃあ言うさ!……パチンコ、ギャンブル場っ、ゲーセンっ!!
てか、……誰がジャミ公だっ!!」
 
「……遊ぶ事ばっかだなっ、テメーはよっ!!」
 
「うるせー!オメーだって自分の欲求不満……あうううう!!」
 
ユリアンが慌ててジャミルの頭を押さえつけた……。
 
「何すんだっ……!!……あ……」
 
ジャミルが気が付くと……、ガールズ陣が、皆してソファーの上に乗り……、
一斉に男性陣を見つめていた……。
 
「……ごめんなさい、アイシャには、お行儀が悪いと言ってしまったけれど……、
お話が聞こえたので、……つい……」
 
と、クローディア。
 
「……何?欲求不満って……」
 
と、エレン。
 
「何だい?その紙切れは……」
 
「!!!う、うわわわわっ!?」
 
バーバラがいきなり、ユリアンの隣のソファに割り込んで来た。
 
「よりよい、施設建設のための、皆さまが一生懸命考えた、施設建設のための
アイディアですっ!!」
 
と、ピエロが調子に乗り、らんらんるーで両腕を上に上げた。
 
「へえ~、提案ね……、それにしても……」
 
遂にバーバラが紙に記入してある施設の提案を見た様であった。
 
……数分後、男性陣の頭には見事にタンコブが並ぶ。グレイはもうすでに
逃走したらしく、殴られる前に喫茶店から姿を消していた。
 
「あの……、俺……、皆の意見を書き込んだだけなんだけどなあ……、
何で……?」
 
「……可愛いレディ達にお仕置きされるのなら……、これも又格別だよな……」
 
「……だから、早く紙しまえって……、あーっ、もうーっ!!
これも皆糞親父の所為どわーっ!!」
 
「何だっ、俺にみんな振るんじゃねえっ!!くそっ……!!」
 
「あはははっ、あははははっ!!らんらんるーーっ!!」
 
 
「……たくっ、此処の処、消してと、うーん、やっぱり、
高級ブランドショップだよね、うーんっ!採用して貰わないとっ!」
 
「……あの……、植物園なんか、いいと思うのだけれど……、一日中……、
植物と触れ合えるなんて……、考えただけで……、ああ……」
 
「だったら、私はお馬さんパークだよっ、ずっと乗馬出来るなんて、素敵っ!!」
 
「格闘闘技場よね、やっぱ……、血がたぎるわあ~、ふふっ!」
 
「……私は特に要望は有りませんけど……、皆さんの案が通る様に
願っておりますわ……、うふふ」
 
 
そして、又数分後に、バーバラが紙を持って男性陣のテーブルの方に顔を出す。
 
「ん、これ、あたしらの要望だよ、ちゃんと意見通しといておくれね、じゃ!」
 
「……何だこれ、……えーと、エステサロン、高級ブランドショップ……、
アクセサリー屋、ダンスホール、インドカレー屋、スパリゾートホテル、
トレーニング施設、ボクシングジム……、闘技場……、映画館……、
スタバ……、植物園、お馬さんパーク……、猫喫茶……、おーい!誰が
どう見たって、これ半分以上、お婆の要望じゃねえか!!」
 
「うるさいねっ、……誰がお婆だっ!!アンタは黙って要望を
黒子のとこに持って行きゃいいんだよ!ちゃーんと全部
施設が建設される様、しっかり黒子の奴に念押ししておくんだよっ!
さあ、皆、今日はこれでお開きにしようか!」
 
ガールズ陣は立ち上がって帰り支度をし出した。
 
「そう言う事で……、じゃあ、ジャミル、……後は頼むな、俺も
もう帰るから……」
 
「……オレもかーえろっと、ダガー、待ってーっ!!」
 
「たく、……とんでもねえ時間の無駄だったな……、やれやれ、
ゲラ=ハと一杯、部屋で飲み明かすとするか……」
 
ユリアン、ジタン、ホークもジャミルを残し、退場す……。
 
「あ……、この糞親父ーーっ!!元はてめえがわりいんだろがよーっ!
逃げんなーーっ!!こんのーーっ……!!」
 
「忘れてたよ、ちょっと…」
 
「お……?」
 
バーバラが再び、ジャミルの方のテーブルに戻り、ジャミルから紙を
ひったくる。
 
「シフとはーちゃん、サラの意見も聞いてあげなくちゃ、平等にね……」
 
「……バーバラおねえさまーーっ!勘弁して下さいーーっ……!!」


魔法ガールズ集結? 前編

「ねえ、ジャミル、近いうちに此処にまた誰か入って来るかもって、
皆が話してたよお!」
 
「ふうーん?」
 
ジャミルはダウドの話に乗りたく無さそうで、口にポップコーンを
ほおり投げた。
 
「何か、そっけないねえ……」
 
「もう誰が入って来ても俺は動じないっていったろう!……例え、
シン・ゴジラが入居、してきても、だ……」
 
「……そう、じゃあ、黒子さんに住人リクエストしておくね、
ジャミルが……」
 
「こ、コラ馬鹿!よせよっ!本当になったらどうするっ!」
 
ジャミルがダウドを慌てて止めるが、この話では本当に
なり兼ねないのであった。
 
「ほら、やっぱり多少動揺するでしょ……」
 
「うるさいっ!慌ててなんかねーっつーの!」
 
「ふうーん……?んじゃ、オイラ、お昼だから部屋に戻る……」
 
と、ジャミルの部屋の外に出たダウドが立ち止まった……。
 
「何してんだよ……」
 
「親方……、じゃなくて、ジャミル、大変……、空から女の子が、
落ちて来たみたい……」
 
「はあ~?まーた、ワケわかんねーこと言う……」
 
「ほら……」
 
「……いたた……」
 
ジャミルも廊下に出ると……、エントランス付近にホウキに乗った
女の子が倒れており……、天井を見上げると……、どうやら、ホウキで
マンションに突っ込んで入って来た様であった。この間、エレンがユリアンを
ブン投げて空けた穴を更に拡大させたらしい……。
 
「おーい、まだ……、其処の穴、修理が終わってねえんだけどなあ~……」
 
「……あっ!初めまして!このマンションの方ですかっ!?私も
今日から此処に住む事になりましたっ!朝日奈みらいですっ!!
どうぞ宜しく!!」
 
金髪ショートヘアの少女はジャミルに向かって丁寧に頭を下げた。
 
「みらい……?うーん、アンタもしかして、……ことはの友達……か?」
 
「あっ、はいっ!そうですっ!!私の大事なパートナーのモフルンが
いなくなっちゃったんですけど、ここのマンションに、はーちゃんと
いるから心配しないでモフって、連絡くれたんですよ!」
 
「ハア……、そりゃ、良かったけど……」
 
「あ、あのっ、はーちゃんとモフルンの部屋、教えて頂けませんで
しょうかっ!?」
 
「えーっと、……其処の中央の……」
 
「ありがとうございますっ!はーちゃ~ん、モフル~ン、今私も
行くからねーっ!!」
 
ジャミルが部屋を教えると、みらいはスキップで部屋まで掛けて行く。
 
「今回の子も、アタリみたいだねえ!中々可愛いし~!」
 
「けど、何か、やらかしそうな……、あ!」
 
「……いっ……、たあ~い……」
 
みらいは燥ぎ過ぎで、すってんころりん、転がった様であった……。
 
「君、大丈夫……?」
 
ダウドが心配そうに転倒したみらいに声を掛けた。
 
「はいっ、平気ですっ!私、……ドジだから、たまーに、
やっちゃうんですよ!」
 
「そう、ならいいけど、気を付けて……」
 
「はいっ、有難うございます!ではまた!」
 
みらいはジャミルとダウドに頭を下げると、はーちゃんの
部屋に入って行く。すると、部屋からきゃあきゃあ黄色い歓声が上がった。
どうやら、大事な友達の女の子同士、再会を喜んでいる様である。
 
 
「はーっ!みらいーっ!!久しぶりー!!」
 
「また会えたモフー!!みらいもこっちに来たモフーっ!!
嬉しいモフーっ!!」
 
「はーちゃん、モフルンーっ!!あはっ、会えてよかったよーっ!!」
 
 
「何だか、本当に凄く嬉しそうだねえ、良かった良かった!」
 
ダウドが手を後ろに組んで、うんうんと頷いた。
 
「でも、なさそうだぞ……?」
 
 
「それで、リコはどうしてるの?みらい、一緒に来たんじゃなかったの?」
 
「あっ、それなんだよーーっ!!」
 
「……モフ?」
 
 
「あっ、あのっ……、すみませんっ!!」
 
みらいが部屋のドアを開け、再び顔を出した。
 
「ハア……?」
 
「ここに、……もう一人、前髪ぱっつんの紫色の髪の女の子、
……来なかったでしょうか!?私と、一緒に来る筈だったんですけど、
逸れちゃったみたいで……、あ、リコって言うんですけど……」
 
「ことはから名前だけは聞いてるけど……、アンタの方が先に
着いたみたいだぜ……」
 
「じゃ、じゃあ……、リコ、迷子になっちゃったんだあ!!初めての
場所で大変っ!!」
 
「はーっ!探しに行かないとだよっ!!」
 
「モフーっ!」
 
「その役目、俺が引き受けた!」
 
突然、何処からともなく、ジタンがしゃしゃり出てきた……。
 
「また出て来た……、あのな、お前……、マジでなんなん?」
 
「レディを護衛するのがオレの役目だよっ!彼女達はまだこの島に
来たばかりで色々と、場所にも慣れてないだろ?」
 
「事実上、ことはの方がお前より先に来たんだぞ……」
 
「それなら、私も一緒に行くわ、買い物にも行きたいの、ね?」
 
手には猫の手ラケットを持ち、笑みを浮かべたダガーが現れ、
ジタンの頭をぐりぐりとラケットで抑え付けた。
 
「痛いよ、ダガー、いたいよ、止めて、いたたたたた!」
 
「まあ、護衛がいるなら大丈夫だろ、んじゃ、俺はこれで……」
 
「あら?ジャミル、あなたも一緒にいって下さらないの?あなた、
此処のマンションの担当責任者ではないのかしら?」
 
「えーっと、……その……」
 
うら若きガールズ達、はーちゃん、みらい、モフルンは目を潤ませて
ジャミルの方を見る……。
 
「あーーっ!わーったよ!いきゃあいいんだろ、いきゃあ!!」
 
「何だよ、折角の……、美しきレディ達とのお散歩だったのに……、
ジャミルも来るのか……」
 
ジタンは舌うちすると、つまらなさそうな表情でジャミルの方を見る。
 
「うるせー、文句言うなっ!行くぞっ!!」
 
「ふふ、行きましょう」
 
「はーっ!」
 
「モフーっ!」
 
「うーんっ!ワクワクもんだぁ!!」
 
こうして、迷子者の捜索隊が出動する。
 
「行ってらっしゃーい!」
 
ダウドが捜索隊に向かって手を振った。
 
 
「ねえ、モフルン、何か感じない?リコの匂いとかしない……?」
 
みらいがモフルンに聞くと、モフルンは鼻をくんくんし始める。
 
「モフ、……あま~いいにおいがするモフっ!!」
 
「あっ、モフルンっ!一人で行っちゃ駄目だよっ、また逸れちゃうよっ!」
 
「モフ~っ、こっちモフっ!!」
 
みらいが止めようとするが、モフルンはとてとて走って行ってしまう。
 
「はー!モフルンっ、駄目だよう!」
 
「こっちの方から……、甘い匂い……、女の子の匂いがするなあ~……」
 
「ジタン、馬鹿言ってると……、又お仕置きするわよ……?と、
そんな場合ではなかったわね、追い掛けましょう!」
 
「やれやれだなあ……」
 
ジャミル達も急いでモフルンを追いかけるが、意外とモフルンは
外観がコロコロしている割に足が俊足であった。
 
「甘いにおいはここからするモフ」
 
「ここって、喫茶店だろ、……それじゃ甘い匂いがするのも当然だろ……」
 
「モフ?」
 
「でも、もしかしたら、リコは此処に入って行ったかもだよ!」
 
「念の為に、確めた方がよさそうね、行きましょう……」
 
「喫茶店、わっくわく!」
 
「お、おい……、ちょっ……」
 
ジャミルとジタンを覗く女性陣はぞろぞろと喫茶店に入って行った。
 
「オレも行こう、レディ達をボディガードしないと!」
 
「おーい……」
 
ジタンは迷いなく、女の子達の後を追って喫茶店に入って行ったが、
意外とこういうのに気が小さいジャミルは仕方なく、外で待つ事にした。
暫くして、女の子達は喫茶店から出て来た……。
 
「はーっ、ケーキも紅茶も美味しかったー!」
 
「モフーっ!」
 
「うふふ、又ご一緒してね」
 
「あの、ジタンさんでしたっけ?今日はおごって頂いて、どうも
有難うございましたっ!」
 
みらいが代表で、ジタンにちょこんと頭を下げ、お礼を言う。
 
「ははは、……可愛い君達の為なら……、例えオレの財布が
空になっても……、オレは後悔しないよ……、あは、あはは……」
 
と、言いながら、ジタンは空っぽの財布を逆様にして振るのであった。
 
「……バカだな、お前……、だから外で待ってりゃ良かったのに……」
 
「でも、リコ、……喫茶店の中には、いなかったなあ~、
……本当にもう……、何処いっちゃったのかなあ~……」
 
「いや、知らない処で迷子になってんだからさ……、普通、気持ち的には
そんな余裕ねえだろ……」
 
と、最近やけに自分が突っ込みの方に回っている様な……、
そんな気がしてならないジャミルだった。


魔法ガールズ集結? 中編

ジャミル達は迷子になったらしい、みらいとはーちゃん、モフルンの友達、
リコを探して島中を練り歩き、禿山公園へとやって来た。
 
「迷子の迷子のリコ~、どこモフ~?」
 
「リコ~、どこにいるの~?いたら返事して~!」
 
「……はー、ねえ、みらい……、私ね、黒子さんに……」
 
「えっ?」
 
みらいとはーちゃんはこっそりと、話をしている様子であった。
 
(そうだったの、はーちゃんも……、実はね、私とリコも……、
リンクルストーンとステッキを……、この島は平和だし……、
世界観が違うのでそういう物は必要ないでしょうって……)
 
(今だけ返して貰おうか……、魔法があれば、すぐにリコも見つけられるよ!)
 
「なになに?何の話?ねえ、オレも混ぜてよっ!……ったあっ!」
 
ジタンが話に割り込んできたがすぐにダガーに耳を引っ張られた。
 
「……この島には、犬用のリードと首輪は売っているお店ないのかしら……?」
 
「ダガーさんっ!真面目な顔して言わないでっ!ワンワンっ!!」
 
「しかし、こんな狭い島でばったり出会えないのもおかしいなあ、
……まだこっちには来てないとか……、それはないか?」
 
ジャミルがみらいに聞くと、みらいは困った様な顔をした。
 
「はい……、私達、確かに一緒にこの島に来ました、だって、
ちょっと余裕あったから……、この島の洋服屋さんに寄って、お洋服
色々見てたら……、そしたらいつの間にかリコがいなくなっちゃったん
ですよ!!」
 
「……そうか、じゃあ、あんたら二人で一緒にいて、はぐれたのは
間違いないんだな?」
 
「はいっ、それで、先にマンションの方に向かったのかと思って、
行ってみたらまだ着いてなかったみたいだし……」
 
「まあ、んじゃ、この島にいるのは間違いないみたいだから……、
念入りに探せばその内、出くわすべ……」
 
「そうですねっ!」
 
「……悪い奴が出てくれば……、リコも出てくるかも知れないモフ……」
 
「……!?」
 
今、一瞬……、モフルンの目が光ったのをジャミルは見逃さなかった……。
 
……どしんっ!!
 
「うわっ……、と!な、何だっ!?」
 
「きゃああっ!!」
 
「はーっ!!」
 
「モフーっ!?」
 
突如、謎の振動が起り、女の子達はモフルンを挟んで抱き合う……。
 
「大丈夫だ、レディ達!オレの胸に……あた、あたたたた!!」
 
「……胸は余計なのよ、大丈夫よ、すぐに収まるわ、慌てちゃ駄目よ……」
 
ダガーが優しく、みらい達に声を掛けて安心させた。
 
「……は、はいっ!」
 
「あっ、あれはなにモフーーっ!?」
 
「はあ?……あ……!!」
 
モフルンの声に一同耳を傾け、前を見ると……。
 
……あっはっはっは、あっはっは~!!巨大怪獣らんらんるうだよっ!!
この島をらんらんるーで満たすのさっ!!あっはっはっはっハハハ~!!
 
頭アフロの巨大な怪獣が目の前に立っており、……怪獣はどうやら
人質を抱えている様であった……。
 
「はなしなさいっ!はなしなさいっ!!ちょっと何処触ってんのっ!!」
 
「……リコっ!!」
 
「はーーっ!!」
 
「みらいっ!はーちゃんっ、モフルンっ!危ないから来ちゃ駄目っ!!
早く逃げなさいっ!!私達は今は〇リキュ〇にはなれないんだからっ!!」
 
「……そ、そんな事出来る訳ないでしょっ!!……リコの馬鹿っ!!」
 
「モフーっ!!」
 
「……あの子が……、みらい達の友達なのか……?」
 
「そうなんですっ!……でも、どうしたら……!!」
 
「レディが捕まっている……、オレに助けを呼んでいるっ……!!
今、行……、いたたたっ!!」
 
アフロ怪獣に突っ込もうとしたジタンをダガーが慌てて止めた。
 
「駄目よ、…私達、この世界ではごく普通の一般人という
設定なんだから……、元の世界の様に、武器を使う事は禁止、
魔法はおろか、召喚獣も呼べないのよ……、でも、何故かジタンを
お仕置きする時だけは召喚獣解禁なのだけれど……、あと
これも護身用……」
 
笑いながらダガーは猫の手ラケットでジタンの頭をぺしっと叩いた。
 
(……けど、アイスソード許可されてるヤツもいたけどなあ……?)
 
腕を組みながらジャミルが不思議そうな顔をした……。
 
「ジャミルーーっ、大変だよおーっ!!」
 
「ダウド……?」
 
ダウドがバタバタ、こっちに向かって走って来た。
 
「い、今……、miiニュース見てたら……、モンブラン山の向こうから……、
巨大な怪獣が出現……、ひ、ひえええーーっ!?」
 
「今、此処にも出て来てるよ……、お前、部屋にいりゃよかったのに……、
馬鹿だな、はいはい、せっかく外に出て来たんだから、此処にいろよ、
……逃げんなよ……?」
 
「あうううーっ!!」
 
両の手を拳にして、ダウドが嫌々のポーズをする……。
 
「あのう、……今回だけです……、一時的にお返しします、
どうにかして下さい……、では……」
 
急に黒子が来て、みらい達の処に、ガチャガチャ、小道具を置いて行った。
 
「はー?黒子さん……?」
 
「わっ、私達の変身アイテムだっ!黒子さん、ありがとうっ!!」
 
「あの、変身……て?」
 
ダガーが不思議そうな顔をする……。
 
「キュアップラパパ・エメラルドっ!フェリーチェ・ファンファン・
フラワーレ!」
 
※BGM フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ
 
「……はーちゃんっ!」
 
「モフっ!」
 
はーちゃんは皆の前でキュアフェリーチェへと姿を変えた。
 
「あの、お願いです……、今見た事は……、今回だけの秘密で
お願いします……、私達3人、みらい、リコは元の世界では世界を守る、
〇リキュ〇として戦っています……」
 
「うわあ……、何か変身すると……、口調も変わってますます
女神さまっぽくなるなあ~……」
 
今にもフェリーチェに飛びつきそうな勢いのジタンをダガーが猫の手
ラケットで成敗した。……ジャミルとダウドは今起きている状況が
飲み込めず……、ただ、口をアホの様に開け……、目の前の事態を
眺めていた……。
 
「で、でもっ……、私はリコがいなくちゃ……、リンクルストーンが
あっても一人じゃ変身出来ないよ……」
 
「モフ~……」
 
「……大丈夫です、新たな〇リキュ〇は……、此処にいます……」
 
フェリーチェがゆっくりと……、ジャミルとダウド、二人に近寄って行く……。
 
「は、はい……?」
 
「はいいいいー……?」
 
「あなた達も、親友同士、友情の力を持っている筈、〇リキュ〇に
なれる筈です……!」
 
「……無茶言うなあーーっ!!」
 
「大丈夫です、それにジャミル、あなたは女装が趣味とお聞きしています、
きっと、大丈夫です……!!」
 
フェリーチェは真顔でジャミルに詰め寄る……。
 
「……何が大丈夫かあーーっ!!」
 
「そうなんだあっ!ジャミルさん、すごいっ!!」
 
みらいまで……、ジャミルに向けて目を輝かせ始めた……。
 
「もういやらーーっ!!何でこうなりゅーーっ!!ギャーース
ギャーース!!」
 
「もう、こうなったら回避は無理だよ、諦めようよ、ジャミル……」
 
……疲れた様な……、遠い目をしてダウドがジャミルを見た……。

zokuダチ。セッション5

zokuダチ。セッション5

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-06-15

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work