『夜の上の光』
にんげんはいろんなものをたべられる。
どんどんせいちょうして、きっとおわることをまっている。
かみさまはあまりほかのいのちをたべない。
かみさまは、にんげんのこどくをたべてくれる。
つきることはないこどくを、かみさまはぱくぱくとたべる。
なにかにすがるようなひろいこどく。
あるのだ、ということをみとめるようにたべる。
にんげんによって、ふゆのようにつめたいあじがするこどくも、ゆるされるようなあたたかないろのこどくもあって、かみさまはすべてくちにいれる。
おやすみとおはようをせかいにあたえた、かみさま。
せかいのよるとあさをみつめる、わたしは。
こころにまっしろい、げっこうをいまだ、かっている。
わたしの、おわらないこどくをかみさまにささげても。
かみさまはすこしこまったようにわらうだろう。
さみしいそらのあじがして、かみさまのしたがぬれる。
またね、のことばをかみさまが、ただやさしくのみこんでくれていたら。
わたしはもう、なんにもいらない。
『夜の上の光』