『廊下側より』
貴方に愛されて
アタシが咲き誇る
『廊下側より』
顔を近付けて
掌を合わせて
これが最初の内緒事
黒子の位置が同じなんて
子供の頃でも知らなかった
知らない貴方を知って
アタシの自尊心が揺らめく
暗い笑みで交わした行為ほど
何故か胸に残るのは
人前で交わらない
視線みたいに強情ね
教室の隅と隅
太陽に近い場所と
太陽から遠い場所
仄暗いこの情欲を
制服に隠せば
二人は誰から見ても
他人でしかない
悪い事をする時は
お互いを選ぼうと
幼いながら交わした約束は
秘密裏に叶えられる
「貴方の指から太陽の匂い」
『廊下側より』