詩は...
詩は 絶望のようにまっしろな湖で書かれることを俟つけれど──
詩は 希望のように其処から黒い翼で翔び立たねばいけません
詩は 閉ざされた「我」との邂逅を介して底へ苦痛により降ろすけれど──
詩は 歓びに化学変化され天へ昇るために書かれ世界へひらかねばいけません
詩は 平面上厳密に言葉を置かれた玻璃の静謐な倫理の美術であっても──
詩は 内面下月に炎やされうごく光のうつろいの音楽であらねばいけません
詩は わたしじしんのために編み織られる個人的な歌であるけれど──
詩は 唯他者のために”大切”を明け渡す光と音楽の贈物をしかいいません
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詩人よ 決するならば 月光に発火された詩を書きなさい──
詩人よ いたみに剥がれる音をおそれるな いつや墜ちるのだから
詩人よ あなたはわが絶望を清ませ 希望を剥いで明け渡しなさい──
絶望のさなかでの希望それは詩──神秘性と善性を透明へ帰化させなさい…
詩は...