「川べり」

 ふるさとは遠し夜の街
 冬は日暮れて
 鳩の羽をも眠らせる
 肌切る風に
 人は騒ぎ
 月は黙して流れを止めず
 ラムプばかりが水面(みのも)に照って
 月は遠く建物の向うに隠れて
 (かひな)を伸べても霞となる

 今ひろごるは知らぬ川
 沈むあのこは誰だったろう

「川べり」

「川べり」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-28

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