述懐
ひとり寝の床に
目を閉じるも眠れず
夜のほの白む時刻、川原に出る
夜半過ぎに止みし雨
風すさび流れは早く、 濁りのその深さ知られず
水のほとりに
葦の葉の乱れ擦れ合うざわめきを聞く
我は思うまま、今ありたいがままに生きるを望めど
叶うべき望み何処にもなし
見果てぬ夢は胸に立ち籠め、涙こぼるる
嗚呼
あらしの後の川縁
遠く揺れる柳の蔭に、立ちすくむのは誰なりや
その姿は哀しけり
時は逝きて無情のものよ
かつて手にしたこともなかりせば
いかにして哀しむべき
ただそれのみを嘆けども
明くる朝こそ希望あるものぞと思う虚しさは
果たして何時の心の名残ぞ
ただ惜しみて
過ぎゆくこと思い、ひたすらに流されゆくばかり
髪乱し、風に立ち向かえども
この岸を離れられぬ葦のごとく
述懐