非日常~第1章 part1~『非日常の始まり』

非日常的な物語

都内の高校に通う、神無月拓哉(かんなづきたくや)は、普段となんら変わりのない
朝を迎え、普通に登校するため、駅に向かった。

朝の駅と言う物は、実に様々な人間がいる。

寝坊してしまったのだろう、エスカレーターを物凄い勢いで駆け上がってくる
高校生、朝からハイテンションで大声ではなす女子高生、
はたまた、朝から何があったのだろうか、駅員ともめるOL。
泥酔して、駅で寝てしまったのであろう、サラリーマン。

そんな様々な人間を横目で見ながら、毎朝、電車に乗っている。


電車も朝の通勤ラッシュで、電車の中は、すし詰め状態。
当然座れるなんてことはなく、満員電車の中に立っている。
この状況下においては、いつ痴漢扱いされるかもわからない。

そして、何故か、毎朝、女性に囲まれてしまう。
一見、天国のような気もするが、痴漢にされるリスクを伴っている。
電車が駅につき、ブレーキをかけると、左にいる女性の胸があたる。
最初のウチは、ラッキーだと思ったりもしたが、毎朝だ。
女性の方も、諦めているのだろう、なんの恥じらいもない。

こういう、女は嫌いだ。

そうこうしているうちに、次々と電車を降りていき、
席が空いてくる。

こうなると、やっとあの地獄から解放される。

だが、席に座れるのも5分。

駅についてしまう。

駅に着き、改札を出る

駅から、学校までは、自転車を使っている。

駐輪場にいき、自転車に乗り込み、颯爽と、走り出す。

さすがに、冬になると、寒い。


自転車には速度メーターがついていて、毎朝、平均速度、25キロだが
今朝は学校に早く行って、週末の課題をやらねばならない。
よって、今朝は平均速度、30キロ、坂道では、40キロを記録する
完全なる、スピード違反を犯しながら、学校へと急いだ。

学校へはいつもより、20分も早くついた。

しかし、なぜだろう。
さっきまで、寒かったはずなのに、今では汗が出るほど暑い。

周りは寒さに凍えているなか、自分は、汗をかいている。

しかし、そんなことはどうでもいい。

はやく課題をやらねば。

階段を駆け上がり、教室にはいると、そこは夏のように暑い。

なぜなら、暖房が入っているから。

普通の人にとっては、適温だろうが、俺にとっては地獄だ。

席に着くや否や、ブレザーをいすにかけ、ワイシャツをまくる。

飛ばしてきたかいがあり、余裕をもって課題を終えることができた。


すると、間もなく担任が入ってきて、HRが始まった。

HRでは、今日の一日の予定が話される。
そして、それは、5分で終わりすぐに授業へと移る。


この学校は、進学校を目指している、というか、進学校のため、
授業の進度速度は、他校に比べるととてもはやい。

授業についていくのがやっとな自分は、気がつくと午前の授業が終わっている
ことがしょっちゅうだ。
こんな調子だから、午後の授業もあっという間に終わる。


授業が終わると、今度は部活動だ。
自分は空手部に所属している。
空手は小学生のころから、やっていたので、それなりに自信がある。
大会等でもいい成績を残せている。

しかし、冬場は寒いために、やる気が起きない。
だけども、基礎体力向上のために部活はある。


自分は学校に、部活のために来ていると言っても過言ではないので
まじめに取り組んでいる。

しかし、進学校のためかなんなのか、わからないが、部活動の時間は
二時間しかない。休日も土日のどちらかを、休みにして勉強ということに
なっている。

そのために、あっという間に、部活も終わる。

こうして、学校での一日が終わる。


帰りは、一人ではなく、小学校から同じで空手も一緒にやってきたやつと
帰る。そいつの名は、仙崎大地(せんざきだいち)
とても気が合い、親しい友人の一人だ。
俺と大地は家も近く、最寄り駅からも一緒に帰る。
朝もいつもは一緒になるのだが、今日は週末課題やるために一足先に出た。


「あぁ・・・また、今日も終わった」
と、駅まであるく道のりでつぶやく。
「そうだね・・・今日なんか、刺激的なことあった?」

「いや、なんにもない。そう、なんにもないつまんない
一日だよ・・」

「だよねぇ・・僕もだよ。」

そう、俺たちは刺激が欲しいのだ。

なにか、ワクワクするようなことが起きて欲しいのだ。

でも、そんな俺らの願いとは裏腹になんにも刺激的なことはおきずに
毎日ただ、なんとなく生活している。


「なぁ、気のせいだとは思うけど、後ろのあの帽子かぶった男、
ずっとついてこないか?」

「うん、僕も気になってた。この夜に、あのサングラスは怪しいよ。」

そう、学校を出た時点から、気づいていた。
校門をでたとき、向かい側の道路に立っていた男だ。
時刻は、18:30を過ぎようというのに、サングラスをしているから
逆に目立った。学校の周りは、街頭があるが、サングラスをするほどの明るさを
放つわけがない。


「でもさ、駅に向かってるとしたら、普通じゃね?」

「たしかに。」

と大地はちょっと期待はずれそうに笑った


だが、異変に気づいたのは、地元の駅について電車を降りた時だった。

「大地、」
「うん、わかってる。」

サングラスの男だ。
明らかに、つけてきている。


「おぃおぃ、俺らなんか恨み買うようなことしたか?」

「いいや、なんにも心あたりないよ。」
と、頭をのんきに掻きながら大地はいう。

「もしかしてさ、これってめっちゃ刺激的じゃね?」
ふと俺はそんなことを思い、口走った。

「たしかにそうかもね。次の角を曲がったら、走ってみる?
それで追ってきたら、間違いないよ。」

「了解、」

次の門までは、あと約30M

徐々にあるくスピードを上げていく。


「よしっ!走れ!!」

俺たちは、角を曲がると同時に一目散に駆け出した。

すると、案の定帽子の男も追いかけてくる。


「うそ、マジ!?ほんとに付けられてたよ!」
走りながら、大地が興奮気味にいう。

「マジだったな、つうか、あいつめっちゃはえーぞ」

「なんで終われなきゃなんねーのよ」

叫びながら、細い路地に入り込んだ時、大地が急に止まった
一列で入ったため、俺は勢いあまり、大地にぶつかった。


「なんで止まんだよ!!?」

「いや、これは止まるしかないでしょ」

そう言いながら、前方を指さす。
そこには、黒い帽子をかぶった男が二人立ち構えていた。

「こりゃぁ・・止まるわな。」

そして、追いかけてきた男も後ろへつかれ、挟み込まれる
絶体絶命のピンチに陥いる。

「ちょっと、待ってよ、僕らなんにもしてないよ?あんたたち」
大地が軽くふざけながら、いう。

「そうそう、俺ら、別に恨み買うようなことしてないし、人違いで
襲われたりしたら、たまったもんじゃないよ。」

俺らが説得に応じようとするが、男たちは、いっさい耳を貸さずに
間合いをジリジリと詰めてくる。

「話し合いじゃ解決できないみたいですよ、大地さん?」

「と、なると、強行作戦か・・痛いから、嫌いなんどけどなっ!!」

言うと同時に、二人は手に持っていたカバンを道を塞ぐ男二人に投げつける。

そのバッグはことごとくかわされ、男たちは襲いかかってくる。

襲いかかってくる男はなにかしらの武術を習得しているに違いない

すぐにそう思った。
奴らの動きは、普通とはあきらかに違う、

男が繰り出してきた突きを受け流し、上段と中段に間髪いれずに、二連突きを
食らわす、見事に上段にヒットし、体制が崩れたスキを見計らい、ひるんでいるところに
回し蹴り顔面に食らわせる。そして最後にとどめをさすために、後ろまわし蹴りをいれた。
蹴りは綺麗に入り、男は軽く吹っ飛び、倒れた。

そして横に目をやると、大地が二人と間合いをとっていた。


一人の男の手には、キラリと光るものが握られている。

「ナイフかよ、武器は反則でしょ」
ひとりつぶやき駆け寄る、

「武器持ってるんかい、」

「あぶないよ、全く、油断してた」
そう言いながら、腕を押さえている。
みるとそこは赤く滲んでいる。

ナイフを持った男が、先制を仕掛け、突進してくる

なんとか、それを交わすと、もう一人の男のパンチが顔面に炸裂した

一瞬、意識が遠のきそうになり、ふらついたところに、回し蹴り飛んでくるの見えた

「やばい、やられる」
とっさに腕でガードしたが、その衝撃はすさまじく、吹っ飛んだ
吹っ飛んだ衝撃で体を強く壁に打ち付けた
立ち上がろうとするところに、パンチを浴びた

鈍い衝撃が脳を揺らした。
薄れゆく視界のなかで大地もまた、顔面に蹴りを浴び、倒れていった。

非日常~第1章 part1~『非日常の始まり』

非日常~第1章 part1~『非日常の始まり』

  • 小説
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  • 青春
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  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-19

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