zoku勇者 ドラクエⅢ・その後編 エピ77~80

エピ77・78

始まりの場所で

「お帰りっ、皆!疲れたでしょ、ご苦労様、さ、入って入って!」
 
アリアハンへと戻ったジャミル達をファラはいつもと変わらない
明るい笑顔で出迎えた。
 
「丁度今、シチュー作った処さね、あは、良かったー!」
 
「はあ、やっと……、乾パンとマシュマロから解放される……」
 
「おや?また見慣れないのがいるね?新入りかい?」
 
お玉を持ったまま、ファラが小悪魔をじろじろ見る。
 
「なんなのりゅ?……この化粧臭いケバイ女は……、
あー、変な香水の匂いが漂ってくりゅ……、くせー……」
 
「……な、何さっ!ジャミル、何よ、この失礼なのは!
あんた、あんまり変なモン拾ってくんじゃないよっ!」
 
気の強いファラと、ズケズケとモノ言う小悪魔は相性最悪であった……。
 
「ファラだよ、俺の幼馴染でもあり、母親代わりでもあって、
……姉でもある……、んで、ファラ……、こいつはモンスターで
悪魔族のリトルだ、色々あって……、今俺らの処にいるんだよ……」
 
ジャミルはファラとリトル、両方にそれぞれの紹介をする。
 
「どうでもいいりゅ……」
 
「……あたいもこんな生臭いのどうでもいいわ、それよりも、
チビちゃんどこ!?」
 
「きゅっぴ!チビ、いるよおー!」
 
アイシャのバッグからチビが元気に顔をだし、ファラに愛想を振りまく。
 
「きゃあーーっ!チビちゃーん!会いたかったわーっ!きゃあーっ!!」
 
ファラは夢中でチビに飛びつき、ハグをする。
 
「本当にうるせー、ミーハー女りゅ、バカドラゴンより、リトルの方が
可愛いのりゅ……」
 
「さりげなく、焼きもち妬いてない?リトル」
 
「……知らんりゅ、けど、可愛いキュートなラブリーアイドルは
このリトル様りゅ」
 
ダウドが聞くと小悪魔はくねっとポーズを取り、隣でさり気無く
会話を聞いていたジャミルは腹を抱えて爆笑しだす。
 
「失礼なバカ猿りゅねっ!こんな糞面白くない所いられんりゅ!」
 
「あ、リトル、町をお散歩するんだったら、ちゃんとリィトになるのよ!」
 
「ふんっ!!」
 
アイシャが声を掛けるが、小悪魔は機嫌を損ね、外に出て行った。
 
「それでな、ファラ、またちょっと、話したい事があるんだけどよ……」
 
「後後、皆お腹空いてるでしょ、そっちが先だよっ、シチューも
追加分作んないとね、アイシャ、ちょっと手伝ってくれる?下ごしらえ
しちゃうから!」
 
「おっけー、手伝うわ!皆、チビちゃんをお願いね」
 
アイシャは男衆にチビを預けるとファラと台所に入って行った。
 
「きゅぴ、アイシャ嬉しそう、本当にお料理作るの好きなんだねえ」
 
「お言葉に甘えさせて貰って、僕らは休憩させて貰う?」
 
「そうするか……」
 
「こら、誰があんたらだけ休んでいいって言ったんだい、
皆で協力してくんなきゃ夕飯間に合わないでしょっ!!ほらっ、
買い物!」
 
「……え、えええ~?」
 
ファラがアルベルトの目の前に買い物籠を突き出す。
 
「大体、買う物はその中のメモに書いてあるから、頼んだよ!」
 
ファラはそう言って、再び台所に引っ込んだ。
 
「誰も逆らえねんだよ、あいつには……、わりィな……」
 
「いや、……確かに何も手伝わないのは悪いね、僕、
行ってくるよ」
 
「きゅぴ、チビも行くー!」
 
アルベルトはチビを連れてお使いに出て行った。
 
「……じゃあ、オイラ達は部屋の掃除でもしようか、
ね?ジャミル」
 
「ああ……」
 
残されたコンビ二人は、ほうきとちりとりを持って部屋の中を
のそのそ動き回る……。
 
 
そして、リィトになって小悪魔も町をふらふらと徘徊する。
 
「全く、冗談じゃない……、何故この僕がコケにされなければ
ならないんだい、僕は魔界の将来を担う王子だぞ……」
 
リィトがブツブツ言う横を、町民達はまるで誰も目に付いて
いないかのように通り過ぎて行った。
 
「大体……、そもそも、なぜあんなバカ奴らと行動するように
なってしまったのか……、さっぱり分からない……、人間とモンスターは
本来相容れない物なのだから……、だけど……、あいつは……」
 
リィトは呟きながら、青空を見上げた。初めて唯一心を許した
たった一人の人間の友……、彼の魂は今、本当に何処にいるのか……、
約束通り又新たな命に生まれ変わり、地上にいるのか……。
 
 
「……えーと、鶏肉も野菜も買った、後、足りない物は……」
 
渡された買い物メモを見ながら町を歩くアルベルト。
 
「きゅぴ、お魚のソーセージ!」
 
チビが少しだけバッグから顔を出し、アルベルトの顔を見上げた。
 
「……それは、チビが食べたいんだろう、駄目だよ、これは
ファラから預かった大事な買い物代だからね、余ったら返さないと……」
 
「きゅぴ~……」
 
「だから、最後に僕の分のお金で買ってあげるから……、ちゃんと
買い物を済まそうね」
 
「きゅっぴ!アル、大好きっ!」
 
「ふふ、チビってば……、あれ?……リィトかな……」
 
アルベルトの目に、町をまだふらふら歩いているリィトの姿が目に付く。
 
「リィトー!」
 
「金髪……、何か用……?」
 
「うん、そろそろジャミルの家に戻っておいでよ、夕ご飯になるからさ、
君もお腹空いただろ?」
 
「……あのさ」
 
「ん?」
 
「やっぱりいいや、……もう少ししたら……、戻る……」
 
「そう、じゃあ、遅れない様にね!」
 
リィトに手を振り、アルベルトが去っていく。
 
「やっぱり、分らないよ、確かに最初、僕はあのバカドラゴンが
目的であいつらと対立してたけど……、その後、どうして何事も
無かったかの様に僕と平気で図々しく接するんだろう、……全く、
考えれば考える程、頭がおかしくなる、イライラする……、でも……、
何だか悪くない様な、どうしてなんだろう……、本当にあいつらと
いると頭が変になりそうだ……」
 
リィトは更に考えてみると……、何故か脳裏にアイシャの笑顔が浮かんだ。
 
〔私達、もうお友達だもの!ね?〕
 
「……特にあの団子だよ、凶悪なのにお節介で……、でも見てると
何だか物凄く不思議な気持ちになる……、それで何故かいつも側に居て
イチャイチャとひっついているバカ猿が異様にむかつくんだ、殴りたくなる……、
何なんだよ……、あ~っ、もう~!!」
 
……小悪魔もモンスターだが、一応年頃なのである。本人は自分の気持ちに
芽生え掛けている、その気持ちが何なのか……、まだ理解
出来ないのであった……。
 
「……いーらーいーらーすーるーりゅー!!」
 
「ママ、あのお兄ちゃん変だよ、吠えてるよ……、りゅーだって!
りゅー!」
 
「こらっ、真似しないの、構うんじゃないのよ、行きましょう……」
 
通りがかりの親子連れが笑いながらリィトを眺めて行った……。  
して、夕方、シチューも出来上り、皆はテーブルに着いて小悪魔を
待ちながら色々とファラに話を聞いて貰っていた。
 
「……お腹すいたよお~、我慢出来ない……」
 
「ダウ、駄目だよっ、リィトが来るまで待つのっ!」
 
「あははっ、ダウドよりもチビちゃんの方が大人じゃないのさ!
……それにしても又、大変な事になってんのねえ、けどさ、あたいは
全然何も心配してないからね!」
 
「……ファラ?」
 
「あんたら、大魔王ゾーマだって倒したんだから……、何が来たって
絶対心配ないって、……あたいは信じてるよ……」
 
「ファラ、ありがとうな……」
 
ジャミルがそう言うと、ファラは小さく笑い、そして……。
 
「あんたなら殺しても死なないもんね!」
 
「だからなあ、……俺はサイボーグじゃねえって……、たく、ブツブツ……」
 
「りゅ~……」
 
と、言う処にリィトから元の姿に戻った小悪魔が帰ってくる。
 
「帰って来たね、皆、あんたが来るまで待ってたんだから……、
ほら、早く席に着きなよ!シチューあっためるから!」
 
「フン、世話になりゅ……」
 
シチューを温めに再びファラは席を立つ。小悪魔はそれだけ言うと、
皆のいるテーブルの方に向かった。
 
「どうしたのかな……、リトル、何か昼間と違う様な……」
 
「リトル、早く早く、オイラもうお腹ぺこぺこだよお!」
 
ダウドが小悪魔を急かす。
 
「ヘタレに言われんでも分かってりゅ、本当、食い意地の張ってる
うるせー連中りゅね……、ちゃんこ鍋でも囲ってろりゅ……」
 
「……おめーもだよ、アホッ!」
 
スプーンを銜えてジャミルが怒鳴る。
 
(ちゃんこ鍋って、何だろう……?)
 
考える天然アルベルト。
 
「きゅぴ、チビもお腹ぺこ!」
 
「チビちゃんも、お腹空いてるのにちゃんとリトルを待ってたのよ、
ねえー、チビちゃん!」
 
「りゅ、りゅ……」
 
アイシャの笑顔を見、小悪魔が動揺する。
 
「どうしたの、リトル?」
 
「うわ、顔をアップにすんなりゅ!……はう~……」
 
「……何よ、変なリトル!」
 
(りゅりゅ~……、心臓の鼓動が……、鼓動が……)
 
「……まあ、ジャミルと一緒にいるんだから、心配ないか、
……変な奴だけどね……」
 
笑いながらファラもテーブルに着き、皆で夕ご飯タイムが始まる。
 
そして、その夜……、疲れを忘れ、全員ゆっくりと就寝モードであった……。
 
 
「……グルゥ……」
 
「君も大分、闇の力が強まってきた様だね……、頃合いかな、
奴らもそろそろ潮時だろう、もう終わりにしよう……、鬼ごっこは
これまでだよ……、お馬鹿さん達……」
 
 
……消える事のない、永遠の闇の時間がこの上の世界にも……、
遂に迫ろうとしていた……。


消えゆく光

「ジャミルっ、大変なの……!お願い、すぐ起きて!!」
 
「……?」
 
翌朝、ジャミルはアイシャの悲鳴に近い声とドアを叩く音で
目を覚ました。
 
「どうしたんだよ……」
 
ジャミルがすぐに部屋のドアを開けると、チビを抱え……、
半泣き状態のアイシャが突っ立っていた……。
 
「チビちゃんが……、チビちゃんが……」
 
「チビ……?……お、お前……!どうしたんだ、身体が……!!」
 
ジャミルも慌ててチビに近づく。……チビは半分身体が消え掛り、
時折淡く光っていた……。
 
「……きゅぴ……」
 
「大丈夫か!?お前……!!苦しくないかっ!?なあっ!!」
 
「……チビは大丈夫だよ……、だから……、アイシャも……、
泣かないで……」
 
チビはアイシャを安心させる様に頬をペロッと舐めた。
 
「ジャミル……、ねえ……、チビちゃん大丈夫だよね……?
消えたりしないよね!?」
 
「きゅぴ……、本当に大丈夫、……チビはほら……、
こんなに元気だよお……」
 
自分では大丈夫と言っているが、チビは何となくいつもと
様子が違い、二人に呼び掛ける声は弱弱しく……、切なそうな
表情でジャミルとアイシャを交互に見つめた。
 
「大丈夫だ、絶対に……、チビは大丈夫だ……、消させるか……、
消させてたまるかよ……」
 
「ジャミル……」
 
「……」
 
今のジャミルにはただ……、アイシャを抱きしめて、只管気持ちを
落ち着かせてやる事しか出来なかった……。
 
 
他の部屋で寝ているアルベルトとダウドも直ぐに気づき、
心配して起きて来る……。ジャミルは二人にもチビの状況を
話し、皆、居間へと集まった。
 
「こんな……、……こんな事ってないよお……、チビちゃん……」
 
ダウドも震えながらチビの身体に触れる……。
 
「ジャミル……、チビちゃんは大丈夫なんでしょ、ねえ……、
ねえったら……、どうなのさ!!」
 
ファラも錯乱し、思わずジャミルに掴み掛る。
 
「みんな落ち着こう……、僕らが冷静にならないと……、
余計にチビを不安にさせてしまうよ……、身体にも益々
負担が掛るかも知れない……」
 
チビはあれから身体を丸め、ずっと眠ったままになってしまった……。
 
「……」
 
「ふぁー、よくねたりゅ……、なんりゅ?、この辛気臭い
お通夜な雰囲気は……」
 
其処へ、空気を読めない小悪魔が起きて来る……。
 
「バカドラゴン……?どしたりゅ?」
 
小悪魔も、編かごの中で静かに眠り、動かないままの
チビの様子に気づく。
 
「……朝起きた時から……、もうずっと様子がおかしいのよ……」
 
腫れあがった瞼を押さえながら小さく声を出し、アイシャが
やっと小悪魔に応対した。
 
「そう言う事りゅ……、けけ、けどリトルには知ったこっちゃねえりゅ……、
……外に出掛けてくるりゅ……」

「……」
 
誰も小悪魔の方を見ず、返事もせず、黙って俯いていた……。
 
「フン、しけたアホ連中りゅ!……本当、面白くないりゅ!」
 
小悪魔は一歩外に出ると、リィトの姿になる。
 
「……バカドラゴン……、一体何が起きているんだ……、それに……、
この空の模様は……」
 
そう呟き、リィトは空を見上げた……。
 
 
「とりあえず、あたい……、朝食作ってくる……、何か食べないと、
元気でないもんね……」
 
目を擦りながらファラが立ち上がる。それを見たアイシャは……。
 
「……わ、私も……!」
 
「いいよいいよ、あんたは此処で休んでな……、チビちゃんの
側にいてあげて……」
 
ファラが立ち上がろうとしたアイシャを止め、再び
椅子に座らせた。
 
「ファラ……」
 
ファラはアイシャにウインクすると、台所に入って行った。
 
「……泣いてばっかりいられない……、私達は出来る事を
しないと……、そうよ、絶対にチビちゃんは消させないわ……、
私達が絶対守るんだから……」
 
震えながら俯いていたアイシャが漸く顔を上げる。
 
「……奴らが又……、近くまで来てるんだな……」
 
「恐らくね……、チビの状態がこうなっているって事は……、
闇の力の方がどんどん強くなって増してるって事だ……」
 
「……チビちゃん……」
 
ダウドが寝たきりになってしまったチビの傍にそっと近づき、
消え掛けている身体を静かに、優しく撫でた。
 
「チビちゃんの未来を取り戻そう……、オイラも何処まで
出来るか分かんないけど頑張るから、だから……、あの変なのと……、
闇のドラゴンを倒そう……」
 
「……ダウド……」
 
溢れそうな涙を堪え、ダウドがジャミルと皆の顔を見た。
 
「ねえっ、あんたら!早く外に出なよ!」
 
「リトル……、いや、リィトになってんのか……」
 
「早くっ!!」
 
リィトに言われるまま、4人は急いで外に出る。
 
「……これって……、嘘だろ……」
 
さっきまで登っていた太陽が消えてしまい、空を一面の闇が
覆い尽くしていた……。
 
「間に合わなかったの……?、もう……この世界の光を全て
奪い尽くされて……、だから……、チビちゃんも……」
 
目の前の現実と絶望に打ちひしがれ、アイシャががくんと
その場に座り込む……。
 
「あっ、ジャミルちゃん!ど、ど、ど、どうなってんだい、
これは……!あああ……、空が……、空が……まるで夜みたいに
真っ暗になってるじゃないの!!」
 
「……おばさん……」
 
近所のやかましいおばさんをはじめ、町中の者は皆混乱して
家から出て、真っ黒な空を見上げていた。
 
「おお、勇者よ……、これは一体どう言う事だ……、ゾーマは
倒れた筈ではなかったのか……」
 
「国王様、危険です!すぐにお城にお戻り下さい……!」
 
「おっさん……」
 
国王も城の兵も皆、外に出て緊迫した状況を見つめていた……。
テオドールにはアリアハンに帰宅したのち、ゾーマ討伐の報告も
してあった為、安心していたのであったが……。
 
「フフフ、フフ……、アリアハンの皆さん、初めまして、
こんにちは……、……僕は闇の国からの使者です、……そして
こちらは僕の相棒のドラゴン君です」
 
「……ああっ!!て、てめえ……!!」
 
真っ暗な空に浮かぶ、黒いコートの男……。そして……、チビの
半身でもある闇のドラゴン……、ダークドラゴンが等々、アリアハンの
地に降臨した……。
 
「……闇の国の使者ですって……、一体何言ってるのかしら……」
 
「頭がちょっと……、コレなんじゃないの……?」
 
何も知らない人々は口々に空中に浮かんでいる謎の男を罵りあう……。
 
「……皆っ、逃げろっ!今すぐ此処から、……早くっ!!」
 
ジャミルが叫ぶが、町の民はきょとんとした顔をし、誰一人として
その場を動こうとしない。
 
「本当に危険なの、お願い!すぐにこの場から逃げてっ!!」
 
「オイラ達を信じてよおー!!」
 
「国王様、どうか、町の皆さんを安全な場所に誘導して下さい!!
お願いします!!」
 
「……しかし、どういう事なのか……、状況が全く掴めんのだが……、
説明して貰えぬか……」
 
「んな暇あっかよっ!!あんたら命が惜しくないのかっ!!」
 
「しかし……」
 
ジャミル達が必死で説得するも、町民も国王も全く動じず、
動こうとしない……。
 
「フン……、だから人間てバカなんだよ、死にたいんだから
放っておけばいいじゃないか……、あんたらも、そんな奴ら
構う事ないだろ……」
 
「……何言ってんのよ、リィトのバカ!……みんなみんな……、
大好きで大切な人達よ、放っておける訳ないじゃない!!守りたいのよ、
チビちゃんも……、リィト……、あなたの事だって……」
 
「……団子……、あ……」
 
アイシャがそっとリィトの手を握り、その手のひらの上に
涙が一滴零れた……。
 
「確かに僕は、大魔王ゾーマと同じ闇の国出身の者です、
ですが、僕とゾーマの考えが根本的に違うのは……、僕は人類を
滅ぼすなど頭には一切ない……、と言う事です」
 
「大魔王……ゾーマ……?」
 
これまで、ゾーマの事を何一つ知らずに過ごしていた民は
皆揃って首を傾げた。
 
「ええ、邪魔な勇者共を倒し……、全てが終わったら皆さんを
僕の奴隷にして差上げますよ!!……それまで静かにしていなさい!!」
 
……コートの青年、闇の国の使者は魔法を皆に向けて放ち、人々を
次々と石に変え、石化させていく……。
 
「……皆っ!!おっさんっ!!」
 
「ふふふ……、ははははは!……さあ、次は君達の番ですよ、
もう悪あがきは終りにする事です……、早く光のドラゴンを
渡しなさい……、早く……」
 
闇の国の使者は地上に舞い降りると、ジャミル達に
にじり寄って来た……。
 
「……ジャミルーーっ!!」
 
「ファ、ファラっ!!……馬鹿っ!!」
 
皆を心配したファラが等々、家から飛び出して来てしまう……。

エピ79・80

それぞれの戦いへ

「……ファラっ!お前、何で出て来てんだよっ!!」
 
「だって……、黙ってじっとしてるなんて出来ないよ……、
そりゃ、あたいには何も出来ないけどさ……」
 
「おや……、この町の者は皆、石にしたと思いましたが……、
まだ一人残っていましたか……」
 
「……あんただねっ!闇の国の変人てのは!チビちゃんに
あんな酷い事して……!町の皆にまで……許せないよっ!!」
 
「随分生意気な口をお聞きになる方だ……、何の力も持たぬ
雑魚の癖に……」
 
「……ファラ、頼む……、逃げろ……、お前だけでも……、頼むよ……」
 
「いやだ……、いやだよ、ジャミル……、あたい、あたい……」
 
「丁度いい、屑が……、二人仲良く石になりなさい……」
 
闇の国の使者が二人に向けて再び石化魔法を放とうとした、
その時……。
 
「マホカンタ!!」
 
「な、何だと……!?」
 
「リトル……、おま……」
 
ジャミルとファラを庇い、魔法を跳ね返したのは……、
小悪魔であった……。
 
「フン、魔界の王子をなめんじゃねえりゅ……」
 
「お前は悪魔族ではないのですか……、何故人間共の
味方などするのです……?」
 
ずれたコートを羽織り直し、闇の国の使者が目の前の
小悪魔を睨んだ。
 
「味方とか、んなん関係ねえりゅ、リトルはてめーが
気に食わんだけりゅ、……将来、人間共を支配するのは
我ら悪魔族なのりゅ、邪魔すんじゃねーりゅ……」
 
「そうですか、では、お前も敵とみなします……、始末して
差上げますよ……」
 
ジャミルとファラを援護するように、小悪魔の横に仲間達も立ち、
強く闇の国の使者を睨む……。
 
「絶対に取り返すわ、チビちゃんも……、アリアハンの皆も……、
あなたになんか負けない……!!」
 
「オイラにだって出来る事はあるよっ!!」
 
「……非力な僕を支えてくれる皆の為にも……、僕は全力で戦う……!!」
 
「ファラ……、大丈夫だ、俺達を信じろ……、こんな奴に
絶対に負けねえ……、チビを絶対取り戻すんだ!」
 
ジャミルはそう言うとファラの肩を強く掴んで頷いた。
 
「ジャミル……、ん、分った……」
 
目を擦ってジャミルの顔を見、ファラも頷く。
 
「チビの事、頼むな……、側についててやってくれ……」
 
「あたいに任せてっ!!……皆、絶対勝ってよ、約束だよ……!!」
 
ファラはそう言うと涙を堪え、家まで駆け出した。
 
「……お待ちなさい、逃がしませんよ……」
 
「おい、テメーの相手は俺達だ……、間違えんなよ……!!」
 
ジャミルも前に出て皆の横に立ち、王者の剣を背中の鞘から
静かに抜いた。
 
「宜しい、では……、とくと味わいなさい……、闇の力を……!!」
 
「……ギュイイインッ!!」
 
闇の国の使者がダークドラゴンに向けて指を鳴らし合図すると、
ダークドラゴンは一声高く鳴いた。
 
「こいつ……、この間見た時よりも、なんか一回りでかくなった
みたいだな……」
 
「やはり、光の力を吸収した所為なのかも……」
 
その間にも、ダークドラゴンが4人に向けて強い炎の
ブレスを吐いてくるが小悪魔がフバーバを唱え、炎を防いだ。
 
「ぼーっとしてんじゃねえりゅ!おい、金髪!!補助魔法はリトルでも
使えりゅ、だから安心して武器でも何でもとっととガンガン攻めろりゅ!!」
 
「……リトル……、ああっ!!」
 
アルベルトは頷くと草薙の剣を構え、ダークドラゴンの守備力を下げた。
 
「オイラもやるよおーっ!!当たれぇーっ!!」
 
「マヒャドっ!!」
 
ダウドが炎のブーメランを投げ、ダークドラゴンの喉元に命中する。
追い打ちをかける様にアイシャのマヒャドが喉元を凍らせた。
 
「皆、やるなっ!よしっ、俺もっ!!」
 
「……お待ちなさい、……あなたの相手をするのはこの僕です……」
 
「!?」
 
仲間達の攻撃援護に入ろうとしたジャミルの前に闇の国の
使者が立ちはだかる。
 
「ジャミルっ……!!」
 
アルベルトが叫ぶ。闇の国の使者はジャミルの顎をくいっと掴むと、
怪しい笑みを浮かべた……。
 
「奴らはダークドラゴンと遊んでいればいいのです、……あなたは
僕のお相手をして下さいませんか……?僕はあなたにとても興味が
あります、物凄くね……、……フフフ、フフフフ……」
 
(……うわ、こいつもそっちの毛かよ……、勘弁してくれよ……)
 
「さあ、行きましょう、……僕らだけの秘密の場所へ……」
 
闇の国の使者がそう言うと、ジャミルも闇の国の使者も……、
その場から忽然と姿が消えてしまった……。
 
「……ジャミルっ!アル、どうしよう……、ジャミルが、ジャミルが……、
変態に連れて行かれちゃったよお!!」
 
「ダウド……、大丈夫だよ……、ジャミルを信じよう……」
 
「私達は、今……、全力でこのドラゴンを倒すの!……それしか
出来ないわ!!待ちましょう、ジャミルを……、ね?」
 
「アル、アイシャ……、うん!」
 
「おめーら、とっとと終わらせりゅよー!もう、こんなメンドクせー
事は絶対にごめんりゅ!!」
 
小悪魔がフォークを翳し、ダークドラゴンに突っ込んで行く
その後を、仲間達も続く。……必ずジャミルは戻って来てくれる……、
そう信じて……。
 
 
「……?此処、何処だ?うわあっ!?」
 
「お目覚めですか、勇者さん……」
 
「何だ、何だっ……!てめえ、何考えてやがるっ!
とっとと皆の所へ戻せっ!!」
 
コートの青年……、闇の国の使者を警戒し、ジャミルが一歩、
後ろへ下がる。
 
「あなたのお仲間は僕の相棒が遊んでくれていますよ、まあ、
何処まで持つか時間の問題だと思いますがね……」
 
「ざけんなこの野郎っ!こうなったら何が何でもテメエを倒して
皆の所へ帰るぞ!!」
 
「気が荒いですね、本当に……、血生臭い刃物を向けないで下さい、
それよりも此処の場所の部屋にあなた方は来た事が有る筈ですよ、
僕と相棒君が滅茶苦茶にしてやりましたがね……、……だから
あなたにも分らないんでしょうが……」
 
「なんだと……!?まさか、竜の女王の……」
 
「はい、ですが、此処の部屋は生前の女王がいた場所、そして……、
あの子達にとって全ての運命の始まりの部屋です……」
 
「……」
 
「本来ならあの子達は此処で産声をあげる筈でした、けれど
それは僕が阻止しました、卵は僕が盗んだからです……、それは
ご存じみたいですね……、この場所ですと、光の意志が産まれる確率が
高くなってしまいますから……」
 
「てめえ……」
 
「聞きたいんでしょう……?僕が卵を盗んだ時の過程とその後を……」
 
闇の国の使者はジャミルに更に詰め寄って行った……。
 
 
そして、自宅へと戻ったファラはリビングでランプの灯りの下、
未だ昏睡状態のチビを抱き、名前を呼び掛けながら必死で
介護し続ける……。
 
「……チビちゃん、もうすぐ皆帰って来るからね……、頑張るんだよ……、
絶対に、絶対……消えちゃ駄目だからね……、ねえ……」
 
「……」
 
ファラは返事をしないチビをぎゅっと抱きしめる。
 
「あたいだって……、チビちゃんのママなんだから……、
全部終わったら……、チビちゃんの食べたい物、大好きな物
作ってあげる……、皆で一緒に暮らそう、ね?……チビちゃん……、
……?あ、雨……!?」
 
ファラはチビを抱いたまま慌てて窓辺に駆け寄る。
 
「……ただでさえ暗い中……、雨なんか降られたんじゃ……、
皆、本当に本当に絶対戻って来てよ……、じゃないと……、
あたい、怒るよ……」
 
 
……そして、ダークドラゴンと死闘を繰り広げる仲間達は……。
 
「おりゅーーっ!!」
 
「リトルっ!!」
 
アルベルトがダークドラゴンに弾き飛ばされそうになった
小悪魔を受け止める。
 
「大丈夫かい!?」
 
「りゅー……、MPが限界りゅ……、早くケリつけんとそろそろ
団子もやばいかもしれんりゅ……」
 
「くそっ、やっぱり僕も魔法が使えたなら……!」
 
アルベルトはこんな時に何も出来ず、どうにも出来ない
自分を強く責めた……。
 
「アイシャ、大丈夫!?雨もどんどん強くなって視界も
悪くなってきたし……、このままじゃ……」
 
「……今は信じるの、信じるしかないの……、ジャミルを待ちましょ、
ダウド、ねっ?」
 
「……アイシャ……」
 
(ジャミル……、お願い……、早く戻って来て……、私達も頑張るから……、
だから……)
 
アイシャは時折挫けそうになる自分を必死で励まし、只管ジャミルの
無事を強く願った……。


全ての始まり

そして、場面は再び竜の女王の城へと戻る……。
 
「そう、僕はあの日、女王が卵を産み、力尽きたあの日に
この場所を訪れ、卵を盗みました……、感じたのです、卵の中から
強く聞こえた闇の鼓動を……、闇の方の声が微かに生きたい、
生きたいと……、そう言っている気がしたんです、この、光溢れる
目障りな女王の城で闇の声が聴こえるなどと、凄い事でした……、
僕が触れると闇の鼓動は益々強くなりました……、その時、僕は
思ったんです、必ず、闇の力を持つ最強のドラゴンを僕のこの手で
誕生させてやりたいと……」
 
闇の国の使者は前髪をかきあげ、ジャミルに向けてポーズを取る。
その姿が今のジャミルには不愉快で不愉快で……、今すぐこの場から
すぐにでも消えて貰いたい、消してやりたいとただ、只管思うのであった。
 
「人間にも、善・悪、……常に二つの心が存在するでしょう……?フン、
僕は是非とも、悪の方を押してやりたかった、その為のお手伝いにと
卵を盗みました」
 
「ったく、本当によく口が回る奴だな……、そっちの素性も
いい加減話して貰いたいもんだな、お前はゾーマの意志を
継いでんのか……?手下なのかよ……、おい……」
 
「物事には順番があります、ちゃんと話を聞きなさい、サルめが……、
僕は卵がすぐ孵ってしまわない様、魔法を掛け、眠らせました、
ゆっくりと……、闇の力を育む為……、そして、下の世界へと降り立ち、
ゾーマ亡き後に現れし、封印の洞窟にいた地竜の元へ卵を隠し、
魔法を解いて預かって貰う事にしました、自分で管理するのが
少々面倒くさくなりましてね、竜族は信頼出来るお友達ですから……、
フフ……、僕自身も休憩を取り、時を待つ事にしたのです、
ああ、僕は常に上の世界だろうが下の世界だろうが、何時でも
何処でも移動出来る力を蓄えていますから……、フフ……」
 
きざったらしいのと、話が長いのとで……、ジャミルはもう
爆発寸前であった……。
 
「そして……、暫らくたって様子を見に、もう一度、地竜の洞窟へ
行ってみましたが、地竜はおろか、卵も見当たらないのです……、
地竜の気を探し当ててみた処、すでにこの世界にはいないと
分かりました……」
 
闇の国の使者は再びジャミルの顔を見ると、ニヤニヤと笑った。
 
「あの洞窟は……密猟者に目を付けられてたんだぞ……」
 
「知っていましたよ……」
 
「知っていた……?……なんでだよ!もしも、密猟者の奴らに卵を
持っていかれたらどうするつもりだったんだよ!!」
 
「それも承知の上でしたよ、……何故だか分かりますか……?
……奪われたら奪われたで、すぐに取り返す事など簡単ですよ、
僕にとっては……人間の母親は妊娠時、これから産まれてくる
お腹の赤ちゃんに良い影響を与えようと綺麗な音楽を聴かせたり
する事も有ります、花や植物などを側に置いたり……、実に下らない
洗脳教育の一つかと……」
 
「……」
 
「それと同じ様に……、闇のドラゴンとして誕生させる為の
お勉強ですよ、人の残酷な心、……行動……、密猟者が徘徊する
洞窟に置き、人間のエグさを植え付ける為です……、ドラゴンは
卵の中にいる時からでもそういった血生臭い物などを何となく
感じる事が出来るんですよ、人間と違い、卵生動物は卵から
孵ってこそ、一生が始まるのですから……」
 
「てめえっ!!」
 
「……話をちゃんと聞けと言ってるだろう!……人が大人しくしてやれば!!」
 
「うわあああっ!!」
 
ジャミルはあっさりと弾き飛ばされ、部屋の壁に叩き付けられる……。
 
「……フン、お前もいずれ、教育が必要ですね、お猿さん……」
 
「ち、ちくしょう……」
 
「あなた方がチビと呼んでいたドラゴンでしたか?あの日……、
僕が山竜の塔に行った日に初めて、産まれたドラゴンと漸く
対面しました、が……、明らかに闇の意志を持つドラゴンでは
ないと言う事を悟り、疑問に思いました、誕生の前に、僕が卵の中から
感じていた気は同じ筈……、なのにどうして光の力の方が強いのかと……」
 
「……」
 
「そして、出会えたのです、僕が探し求めていた本当のあの子に……、
精神と身体が二つ……、産まれる時に闇と光に別れた事も分かりました……、
あなた達が光の方を育てている事も分かり、度々目撃していましたが、
見ていて実に馬鹿らしく、面白かったので僕も少しだけ余裕を持ち、
光が育つ様子を見させて貰う事にしました」
 
「……チビ……、はっ、早く戻せよ……!このままじゃ……、チビが、
チビが死んじまう……!!」
 
ジャミルの脳裏に消え掛けているチビの姿が浮かび、思わずジャミルは
錯乱して闇の国の使者に掴み掛った。
 
「もう、そんな心配しなくていいでしょう……?あなた方の
下らない教育期間は終了ですよ、ご苦労様でした……、愛だの、
人の優しさなどと……、本当に実に下らない、どうもあのドラゴンは
教育が悪すぎると思いましたが……、全部あなた方の馬鹿な
教養の所為だったのですね……」
 
「……っ!!」
 
ジャミルは再び王者の剣を握りしめると、闇の国の使者を
強く睨み返した。
 
「僕が育てていれば光の方でも幾らか性格が違ってきた筈です、
洗脳など幾らでも可能ですから……、ま、身体が二つに分かれて
しまっている以上、いずれは消えて頂かないといけないのが現状ですが……」
 
「もう許さねえ……、今すぐ此処でテメエを倒してすぐに
皆の所へ戻るっ!!そして必ずチビも助けてみせるっ……!!」
 
「……やれやれ、飼い主も本当に教育がなっていない……、
あのドラゴンが出来損ないの屑の訳だ……、僕とゾーマの事は
話さなくて宜しいんですか……?」
 
ジャミルは怒り爆発寸前でもう話を聞く状態ではなかった……。
 
「そうですか……、あなたもいずれ僕の支配下に置き、教育を
施してやろうと思っていましたが……、そうですか、そんなに
死にたいのなら……」
 
「……!?」
 
「フ、フフフフフ、ふははははは!!」
 
闇の国の使者はジャミルを見ると、声を荒げて大笑いしだし……、
そして……。
 
「……死ぬが良い、……それを自ら望むのなら……、もう貴様は
仲間の所へ帰るなど不可能だ、心配せずともよい、此処で始末してくれよう……」
 
「お前も……、ドラゴンだったのか……」
 
「そう、……我も闇の力を持つダークドラゴン……、この世界の
支配権を人間共などに渡さぬ……、我ら闇の国の一族が支配する……」
 
「絶対に、テメエを倒してここから脱出してやる……、俺一人だって、
やってみせらあっ!!俺を舐めんなよ!!」
 
ジャミルはそう言うと王者の剣の矛先をダークドラゴンに向けた。
 
「いつまで強がっていられるか……、楽しみだな……、フフ、フフフフ……」
 
 
 
……一方の仲間達も最初は善戦していたが……。
 
「駄目だよおっ!多少のダメージ与えたぐらいじゃ、全然話に
ならないよっ!!……それに、雨で身体が冷えちゃって……、
何だか寒いよ……」
 
「ダウド、諦めないでっ!少しずつでも確実にダメージは
与えているんだから、もう少し頑張れば……、ジャミルが……、
きっと、きっと来てくれるわ……」
 
「……りゅ~……、腹減ったりゅ~……、もう、うごけんりゅ……」
 
「リトル、ありがとう……、よく頑張ってくれたね……、
後はもういいから……」
 
アルベルトはそう言い、小悪魔を抱き上げた。
 
「りゅ?金髪……」
 
「君も今すぐ、ファラの所まで避難するんだ、一緒にチビを守って
あげてくれないかな……?」
 
「けど……、おめーらだけじゃ心配りゅ……、よわっちいのに……」
 
「あまり考えたくないけど……、もしもの場合……、君だけは
逃げて欲しいんだ……、リトルは転生した友達を探す大事な役目が
残っているんだから……、大切な約束は絶対に守らなくちゃね……」
 
「金髪……、りゅりゅ……」
 
アルベルトは抱いていた小悪魔を静かにおろし、そして促す……。
 
「さあ、行って……!必ず僕らは勝ってみせるから……!
絶対負けたりしないよっ!!」
 
「フン……、おめーも約束守れりゅよっ!!」
 
アルベルトは小悪魔に頷き笑い掛けると草薙の剣を構え、
再びダークドラゴンの元へと走って行く……。
 
「クソッ……!バカ猿めーーっ!てめーがあっさり連れて
行かれたりするからリトル達はこんなエライ目に会うのりゅーーっ!!
糞バカウンコ猿ーーっ!!」
 
小悪魔は絶叫しながらどしゃぶりの雨に打たれ、皆のいる場所を離れる……。
 
「おめーら、もしも死んだら全員、特大生屁の刑りゅよーーっ!!
バカ猿ーっ、バカ金髪ーっ!バカ団子ーっ!バカヘタレーっ!
……バカドラゴン……、りゅ~……」

zoku勇者 ドラクエⅢ・その後編 エピ77~80

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スーファミ版ロマサガ1 ドラクエ3 続編 オリキャラ オリジナル要素・設定 クロスオーバー 下ネタ 年齢変更

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-18

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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