『ロリヰタ』
あの絶対的な魅力も
既に過去のものとして
『ロリヰタ』
捕まえてと言うから
その細い手首を掴んだ
抱いてと言うから
その細い腰を抱き寄せた
思い起こせば全てが
君の希望であり
そこにこちらの意思なんて
ほぼ関係なかったんだ
好きだったけど
それ以上の何かなんて
二人の間になかった
有りはしなかったと
自覚する度に虚しい
君の中に真実なんて
ひとつも存在しない
浮き世を離れ飛び回り
それを誇る痛ましさ
けれど誰かしらに
適当に愛されるのだろう
奔放で邪気に溢れ
何かを壊すことを
怖がらない君
やがていつかは来る
崩壊の音にも怯えず
「これも君にとっては楽しむためのエッセンスだろ」
『ロリヰタ』