『サロメ』
悪女の頂点として
貴方を欲します
『サロメ』
毅然とした態度で
アタシを拒絶した
貴方の左指には
プラチナの指輪
壊れ物を抱くみたいな
繊細なあの夢は
多分いつになっても
叶わないのだろう
愛してるとか何とか
そういう感情が起因じゃない
最早支配欲でしかないのです
貴方を支配しないとおかしくなる
あの日夕闇の踏切前で
貴方に恋したアタシは
もう居ないものと思って
これからは屈してください
人は噂する
貴方の心も知らず
悪意に満ちた目で
見てくることでしょう
その時の逃げ道になるべく
アタシは貴方の
他の道を潰すのです
アタシしか選べないように
アタシしか見えなくなればいい
「首から下なんて不要です」
『サロメ』