『サロメ』

悪女の頂点として
貴方を欲します


『サロメ』


毅然とした態度で
アタシを拒絶した
貴方の左指には
プラチナの指輪

壊れ物を抱くみたいな
繊細なあの夢は
多分いつになっても
叶わないのだろう

愛してるとか何とか
そういう感情が起因じゃない
最早支配欲でしかないのです
貴方を支配しないとおかしくなる

あの日夕闇の踏切前で
貴方に恋したアタシは
もう居ないものと思って
これからは屈してください

人は噂する
貴方の心も知らず
悪意に満ちた目で
見てくることでしょう

その時の逃げ道になるべく
アタシは貴方の
他の道を潰すのです
アタシしか選べないように
アタシしか見えなくなればいい



「首から下なんて不要です」

『サロメ』

『サロメ』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-16

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