『待ち人』

『待ち人』

バイバイ、またね
今も「また」を待ち続けてる


『待ち人』


手を振る君はいつも笑顔
学校帰りのさよならは
ほんの一時の別れだから
アタシだって笑顔だった

でもあの日のさよならは
再会の約束もなく不確かな
永遠の別れでもおかしくなくて
泣きそうな自分を誤魔化しただけ

仲良しの時間は終わったの
言い聞かせても納得できなくて
それは続けてはいけないことだった?
何度も手を繋いで歩いたのに

優しい人だったから
アタシだけの特別じゃなかった
みんなが君を優しいって言ってて
誰かひとりのものにはならないと

みんな勘違いしてたのね
いつまでもこんな時が続くなんて
有り得ないことに気づかずに
アタシも君に幻想を見てた

バイバイ、またね
優しい君の声が今も
アタシの耳には聞こえてる
暫くは「また」を待ち続けさせて



「待ち人は待つことに意味があるから」

『待ち人』

『待ち人』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-05-10

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