『寂しいと書いてアタシ』
「17歳は雑誌の名前になるくらいです」
あの子の文字がカラフルすぎて
読みづらかった4月
『寂しいと書いてアタシ』
屋上の柵から身を乗り出して
この季節はいいねと
笑う君の向日葵に似たそれ
桜みたいに散る覚悟だから
恋なんて大それたこと
望みもしなかった
現国科教師はさっきから
素知らぬ顔で休憩中よ
君が行きたいなら
隣でもなんでも行けばいい
この世界は詰まらないね
あの子みたいに
ピンクのキラキラした
ああいうので生きてみたい
だけど中身はどす黒くて
とても見れたものじゃない
だからアタシは
このまま独りでもいいかと思う
17年生きてきたけど
誰かを愛するなんて
アタシには不可能に思えるのです
君も先生も他のことに夢中で
助けてなんてくれないでしょ
こんな寂しさは
独りで完結させるしかないの
「17歳の孤独は芝居じみた独奏」
『寂しいと書いてアタシ』