「銀どけい」

 銀どけい
 針はうごかぬ(さみ)しいな
 (セコンド)刻む細い針
 ぬい針よりも虚弱な針
 七色の糸みたいに細い針
 秒刻む細い針

 ぴたりとも  動かない

 病院の中で割れてしまった
 白い硝子に落っこちた
 転がる時計つめたいな
 持ち上げたってつめたいな
 優しい鎖がぷつんと切れて
 銀どけい
 粉々になって分らなくなった
 手の道連れも
 指のかすり傷も負わせぬままに
 まっさらな手が
 破片を夢中に探すけど

「銀どけい」

「銀どけい」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-04-12

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