『花習い』
廓の中では空だけが
貴方様との共通項
『花習い』
アタシを愛していると
貴方様は言うけれど
それは大きな勘違い
小指を切っても
決して交わらない
この夢に終わりはくるでしょうか
美しい色の着物で
この世に繋ぎ止められ
赤い糸を信じる振りで
やっと息をする
貴方様にもし届くなら
何れ消えゆく儚い身を
どうか綺麗にお忘れください
アタシが生きた証なんて
何一つ残したくはないのです
例え貴方様であっても
アタシを想って泣くような
そんな感傷は必要ないのです
「そう、これは大して不幸でもない話」
『花習い』