かき捨て

 臆病もここまでくるとただの自己中だな
「資格がない」とはこれまた言い訳がましいな

 かいては捨てての繰り返し
 長い長い手紙のようだ

 きみに似てる人を見つけたよ
 声まで似てるってことはそうそうないね
 見終わって、そうでもないって気が付いて
 素知らぬ顔でズボンを履きなおすとき
 ぼくは本当にひとりだ

 ほしのような言葉たち
 集めては散らかしての繰り返し
 汚い消しあとだらけで、二度と白紙には戻らない

 中途半端はうんざりだ
 でも、はっきりさせるのはもっと恐ろしいから

 またかいては捨てての繰り返し
 宛名のないはがきのように
 疑問になってかえってくる

かき捨て

かき捨て

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2024-03-24

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