『幼顔の君』

憧れてた
好きだった


『幼顔の君』


第二ボタンが欲しいって
この制服の第二ボタンてどれ?
口にするのも野暮だと
投げ打った卒業式

いつも一緒だと思ってたけど
共通の思い出は減る一方ね
君の度を越した我儘も
今では年に一度くらい

別に何かになりたいとか
思ったことはないよ
でも何かしら特別な
ぽつんとした位置に居たかった

君が好きになる人は
みんなアタシとは
かけ離れてるから
余計に安心してたんだ

油断が恋を停滞させて
その停滞に慣れた頃
やっぱり離れてく君に
失望と安堵は似てると知る



「君の秘密は幼すぎる」

『幼顔の君』

『幼顔の君』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-03-14

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