「紫陽花の君」
陽に焦がれ乍ら
雨つゆに愛されしをとめ
なつかしい濃縹の紋
一度だけ背中を抱いたとおり雨
霞むことなく…隠れることなく…塵を払って
輪郭は冴えていた…
光のおぼろに甘えぬ濃藍よりも深い水の色
なつかしい…千尋で待つと紅い彼岸花胸にさし
雪の彼岸花さしてくれた
黒髪の契りの形見は枯れぬまま
紫陽花の心で枯れぬまま
今に汀の草履残して
季節外れの秋の君…紫陽花は淡く咲けり
「紫陽花の君」
陽に焦がれ乍ら
雨つゆに愛されしをとめ
なつかしい濃縹の紋
一度だけ背中を抱いたとおり雨
霞むことなく…隠れることなく…塵を払って
輪郭は冴えていた…
光のおぼろに甘えぬ濃藍よりも深い水の色
なつかしい…千尋で待つと紅い彼岸花胸にさし
雪の彼岸花さしてくれた
黒髪の契りの形見は枯れぬまま
紫陽花の心で枯れぬまま
今に汀の草履残して
季節外れの秋の君…紫陽花は淡く咲けり
「紫陽花の君」