「雨景」

 バス待つ娘…雨ぞ降る
 土に幾条もの川…
 それは蛇を見下ろしたか
 一縷の垂れ来る蜘蛛糸か
 空は流れ
 地面は曇り
 白砂(はくさ)
 白雲も
 何処かの太陽の縦笛に連れられてった
 ぴいおろぴいおろぴろぴろぴ
 ハメルンの素直な笛吹きのように
 太陽は
 連れて行ってしまった

 バス待つ娘…都会の夜景は雨に濡れて
 信号の遠心はぼやけた碧…
 凍える指で触れて、すりぬけた

 バス待つ娘…何思う

「雨景」

「雨景」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-03-13

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