ナワリヌイ氏に捧ぐ

自らの命の危険を顧みず祖国の自由と平和と正義の為にその身を捧げた不屈の闘士よ、さらば。

 
人々を、自ら信じる自由と正義の道へと導かんがため
ロシアの夜空に敢然と輝き続けていた孤高の星が
暗黒の矮星によってその光を絶たれた

多くの、彼を支持し心の支えとしていた人々が
それを悼み、心からの感謝と尊敬の意を表し
街角に掲げられた彼の遺影に多数の花束や覚書を寄せている
 
この人々にとって、またその意思を表すことを
不当な手段によって禁じられている他の人々にとっても
彼は祖国の暗黒の夜空に輝くたった一つの希望の星だった

おおなんと理不尽な 
僅か数名にも足らない愚かな
欲望と妄想に憑りつかれた人間たちが
何千何億という人々の心と行動の自由を
奪ってる現実が、今もこの時代に存在するとは

だがしかし、彼のような卓越した知見を持つと思われる人物が
自分の命と存在に降りかかるであろう更なる苦難を予見できずに
祖国に舞い戻ったとは考え難い
それは彼が、今後自分とその周りに起こるであろう事柄が、
祖国と、人々にもたらす様々な影響を熟慮した上での行動
だったのではないかと思いたい

譬え現実の世界からは隠されようとも
彼は、逆にそのことによって人々の心の中に
消えることのない永遠に輝く星として生きる道を
自ら選んだような気がしてならない 

『如何なる権力者であろうと、自由と平和を願う人々の、心の灯を完全に
消すことはできない。それは消そうとすればするほど、大きな炎となって
燃え上がり、圧政者たちのどんな堅固な城をも、すべて焼き尽くすまで
決して消えることはない。私をこの世から抹殺した者たちは、遅かれ早かれ
そのきっかけを自らが与えてしまった事に気づき、後悔する日が、必ず来るであろう。』

彼はどこかで『してやったり』と笑みを浮かべているかもしれない


その身は果てども 君の命は永遠に ロシアの空の星と輝く

☆ 自由と正義のために闘った不屈の戦士、ナワリヌイ氏に
  尊敬と哀悼の意を込めて
  (筆者敬白)



 

ナワリヌイ氏に捧ぐ

ナワリヌイ氏に捧ぐ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-18

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