チョコレート甘きその香りを/新作短歌

久しぶりにある人からチョコレートをもらっちゃった。

家計の為にと義理チョコ 僕の分は節約したけど
「どうぞ・・・」とくれたあの人 家内に内緒でそっと食べよかな

 
子供の頃は 鉛のチューブに入ってたペースト状のチョコレート
ビスケットに塗って食べた 板チョコは高くて買えなかったんだ

闇の色には少し明るくて 甘いけど少し苦くて ウーンこの匂い
考えてみれば不思議な食べ物 チョコレート 名前もピッタしあってる

期待せず ただ自然に待つことよ それがバレンタインの過ごし方

有難う でも僕よりもきれいなパッケージ 誰にあげるのか気に掛かる

彼には上等で小さなチョコ あの子には普通サイズ? ああ!もうどうしょう

何言ってんのよ あたし今試験のことで頭いっぱい 手作りする暇なんて な・い・の

自慢げに 数をひけらかすあいつの(かげ)で 買ったチョコがほろ苦い

彼に渡すチャンスも 勇気もなくて 
捨てようか カバンに入れたままの 手造りチョコ

バレンタインか 私も居ればあげたいな 本命チョコ ドキドキしながら

「あなたもハズレ?私も・・。よかったら二人で食べない?私の手作りチョコ。」
・・・なんてアプローチする手もグーかも

 
『作るのもいいけど、チャントかたずけて!』あたし知ってるもんね
 ママが誰かにそっと手渡した 内緒のチョコレートのこと


☆甘くて、恋の仲立ちをするチョコレート、でも失恋のほろ苦さも
 同時に含んでいる、それがチョコの魅力かもね。(いずみ)
 

チョコレート甘きその香りを/新作短歌

チョコレート甘きその香りを/新作短歌

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-14

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