僕2
罪。
僕の手には刃物が握られていて、手のひらから真っ赤な血がポタポタと零れ落ちる。
僕はどうしてしまったのだろう。
どうして僕の手はこんなにも真っ赤に染められているのだろう。
自殺をしようと思った。
ただ唐突に死んでみたいと思った。いけない好奇心だとは分かっていたが、それでも止められないものだった。
僕は、自殺をしてみたかった。
ただ、それだけ。
僕には好きな人がいた。
僕には大好きな人がいた。
僕には愛している人がいた。
僕と君は両想いだった。
なのに。
君は「彼」と仲が良かったんだ。
僕は嫉妬にくるってしまった。
僕という人間は壊れてしまった。
クルッテシマッタ。
コワレテシマッタ。
君の心は僕のものじゃない。
結局、「彼」のものなんだ。
ある日、「彼」は眼帯を付けて僕たちの前に現れた。
彼はこう言った。
『お二人ともお幸せに。』
と、にっこり笑って僕と君に微笑んできたのだ。
怖かった。
寒気がした。
眼帯に隠されている目は僕達を見ていなかったからだ。
というか、これは僕の予想でしかなかったのだが「彼」は目がなかったのだ。
狂っている。僕も、「彼」も、君も。
君は、本当は誰が好きなんだい?
僕はとっくに君の答えをわかっていたハズなのに。
逃げてしまいたかった。
「彼」から、君から。
だから僕は、今日も手に証を入れる。
赤い、傷を。
僕は自分の手を真っ赤に染めてゆくんだ。
これが、僕の罪。
僕2
「僕」の続き?です。
違う人目線で書いてみました。ぜひヨロシクお願いします。