春の雪/新作俳句

春の雪 溶けて心にほのかなる 恋の心に目覚めし君かな

 
 雪積る 傾きし我が家に 為す(すべ)もなく

 来ましたと 救いの声に 涙あふれて

 白雪(はくせつ)に なおも(こわ)れし わが故郷よ

 帰れると 思う心に 積もる重雪(おもゆき)

 雪溶けりゃ 何とかなるさと 笑顔も涙

 フレームの 笑顔に止まらぬ 我が涙

 天変地異(てんぺんちい)に ただ茫然(ぼうぜん)と 立ち尽くす

 顔を出す 大地の息吹に 気を取り直し

 踏まれても なお地に(とど)まりて 負けぬ草かな

 さようなら わが故郷よ 愛する人よ またいつか会おうね

 新天地 老いたるものには ()れるに(かた)

 待ちし春 なれど我が心の春 なお(はるか)に遠し 



☆ 見出しの短歌のような心の余裕、それとかけ離れた被災地の現実。
  人として同じこの世界に生きながら・・・。(いずみ)

  
 

春の雪/新作俳句

春の雪/新作俳句

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-06

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