「うさぎ」

 「おいで」と呼ばれて振り向けば
 人など居らず
 くたぶれた砂塵の
 黄ばんだ夕暮の向う
 卯の月は青透みて
 花で包んだ氷のごと
 ほのかに
 あわく
 そしてとおく
 卯の月は待てり
 卯の月は待てり

「うさぎ」

「うさぎ」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-05

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