「鋏と海」

 鋏を握り糸を切る
 銀の鋏は夜露に濡れて
 糸をも濡らして刃を向ける
 ぱちん ぱちん かへらぬ音
 白砂の上に散らばる糸くずを
 跣足で踏みし…皮膚熱く
 煮立つ足元に眼をば奪われ
 耳には底無し海の波の手招き聞ゆ
 今に、此処もみちしおになろう…

「鋏と海」

「鋏と海」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-05

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