螺旋の檻

殺到する祈りに息が詰まり
またあなたから()げてしまう

生は意味の過剰に耐えられず
内部から腐蝕がはじまる

神の視線を意識しながら善を()すことは犯罪だ、と少年は言い
すべてを愛すると宣言される以上の侮辱はない、と少女は言った

背後にいつも感じる、視線
(近づいてくる足音は、誰の?)
聞こえてはいけない、声
(誰が、誰に呼びかけてるの?)

似非(えせ)博愛主義者の自瀆(じとく)的自罰に終りはない
ここは何の要求も通らない、
何も許してはくれない螺旋の檻

螺旋の檻

螺旋の檻

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-01-28

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