昔昔

好きって言えてたら今とは違ったのかな。

忘れたいのに忘れたくない

ふと窓の外を除くと禿げた木と目が合った。今日の授業も相変わらず退屈。ああ早くこの退屈な縛りが無くなればいいのに。私も君みたいにこんな場所からとっとと離れられたら良かったのにな。
私は冬が嫌いだ。楽しいことは山ほどある。クリスマスに誕生日、他にも予定がぎっしりだ。けどどうしても君のことを思い出して辛くなってしまうんだ。ハニーとキャラメルの甘ったらしいけどいつまでも嗅いでいたくなるような香水の香りも、私の名前を呼んで好きと言ったちょっと低めだけどやっぱり女の子で可愛らしいその声も、冷え性な私の手を一生懸命に包んで離さなかった今にでも崩れ壊れてしまいそうなくらい綺麗できめ細かい肌の小さなその手も、会う度傷が増えていって心配になったことも。全部だ。空を見る。ベンチでぼうっとしてみる。絵を書いてみる。そう全部だ。何をしていても私の中の君が私の脳に絡みついていつまでも離してくれない。こんな呪いをかけて気まぐれに消えた君は今どこで何をしているんだろうか。小説はまだ書いてる?絵は?バーテンダーになる夢はもう変わってしまったのかな。私以外の人と愛し合ってしあわせにしてるの?私のことはもう忘れた?まあどおでもいいよ。私をいたずらに捨てた君なんかは沢山苦しんで死ねばいいと思ってるよ。まあ散々言ってる私だけど今でもそう言い聞かせてるだけなんだけどね笑。ただ忘れるための準備は出来たよ。ほら私の目にはもう虹は映らないし、雲ひとつない空をキャンパスに描いた電線と星の楽譜も破り捨てたよ。またねなんか言わないよ。ばいばい。

昔昔

君みたいに上手く書けないや笑

昔昔

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-01-11

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